中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

ベートーヴェン第九交響曲の呪い(世界史レッスン第90回)

2007年11月27日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン」第90回目の今日は「第九の呪い」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2007/11/post_fa8d.html#more
 ベートーヴェン以降の作曲家は、第九交響曲を書き上げる前に死んでしまう、というクラシック界にあるジンクス?について書きました。

 ベートーヴェン以前だと、ハイドンは104曲(さすが「交響曲の父」と異名をとるだけある)、モーツァルトは41曲(初期のは父親が手伝ったとして、39作と数える場合もある)作っている。 

 つまり交響曲はベートーヴェン以降、大作化が進み、仕上げるには長い時間や体力、強い精神力を要するようになったということだ。文学でいえば、「風とともに去りぬ」や「カラマーゾフの兄弟」みたいなのを9作も書けますか?ということだろう。

 ちなみにシューベルトも9作だったとの説あり(彼の場合、楽譜を盗まれたりいろいろあってまだ定説はない)。シューマン4作、メンデルスゾーン5作、チャイコフスキー6作。 

 交響曲を重要な表現手段としていたブラームスさえ、4曲しか書けなかった。
 ブラームスといえば、学生時代のわたしのお気に入りは「第一交響曲」。いっときこればかり聴いていたが、あるとき同級生から「第一が好きだなんて、君はまだ子どもだね。ブラームスは第四が理解できないと」とのたまわれてしまった(当時の学生は生意気だった)。

 で、一生懸命、第四を聴いたけど、結論--第一の方がわたし好み。

 もうひとつブラームスについて。この人の写真はたいてい初老になってからの、ヒゲ面、メタボ体型のものだが、あるとき20歳くらいの写真を見てびっくり!すばらしくハンサムなのだ!!クララ・シューマンが恋に落ちたのもむべなるかな。

☆☆『怖い絵』4刷中です。帯もちょっぴり変わりました。
これまで書評や紹介が載った新聞は20紙。
雑誌で把握したのは、「クロワッサン」「エクラ」「婦人公論」「ミセス」「イラストレーション」「編集会議」「茶の間」「母の友」「ダ・ヴィンチ」「Coyote」「FINE BOYS 」「Job Diadim」。他にもあるのかもしれませんが、出版社からの連絡がないのでわからないのです。もしこれ以外に見かけましたら、ご一報おねがいします♪

怖い絵
怖い絵
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中野京子 朝日出版社 (2007/07/18)


☆マリーもお忘れなく!(ツヴァイク「マリー・アントワネット」(角川文庫、中野京子訳)

マリー・アントワネット 上 (1) マリー・アントワネット 下 (3)
     





 
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バーナム&ほぼ日刊いとい新聞(世界史レッスン第89回)

2007年11月20日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の世界史レッスン第89回目の今日は、「公開死体解剖ショー」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2007/11/post_5305.html#more
 アメリカの興行師バーナムが、黒人女性の遺体解剖を料金を取って見世物にしたことについて書きました。当時のアメリカにおける黒人差別がなければ、考えられないような出来事です。

 「スウェーデンのナイチンゲール」と呼ばれ、慈善事業家でもあったジェニー・リンドがよくまあ、バーナムのような興行師にプロデュースをまかせたものだと思うが、結果的には大成功したのだから、良かったというべきか。

 このリンドを愛したアンデルセン、リンドが恋したメンデルスゾーンの微妙な関係については、是非、拙著『メンデルスゾーンとアンデルセン』(さえら書房)をお読みください♪

 さて、先週もちらと書きましたが、糸井重里氏のビッグブログ「ほぼ日刊いとい新聞」の<担当編集者は知っている>コーナーで、『怖い絵』の我が担当者のひとり大槻美和さんによるすてきな紹介が載りましたので、ぜひお読みください!!(カラー図版の分解も数枚載っています)⇒ http://www.1101.com/editor/index.html


☆☆『怖い絵』4刷中です。帯もちょっぴり変わりました。
これまで書評や紹介が載った新聞は20紙。
雑誌で把握したのは、「クロワッサン」「エクラ」「婦人公論」「ミセス」「イラストレーション」「編集会議」「茶の間」「母の友」「ダ・ヴィンチ」「Coyote」「FINE BOYS 」「Job Diadim」。他にもあるのかもしれませんが、出版社からの連絡がないのでわからないのです。もしこれ以外に見かけましたら、ご一報おねがいします♪

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☆マリーもお忘れなく!(ツヴァイク「マリー・アントワネット」(角川文庫、中野京子訳)

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クロワッサンはアントワネットみやげ(世界史レッスン第88回)

2007年11月13日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の世界史レッスン第88回目の今日は、「ザッハトルテとメッテルニヒ」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2007/11/post_debf.html#more
 有名なヴィーンケーキ、ザッハトルテ産みの父は政治家メッテルニヒ、母は見習い料理人フランツ・ザッハーだった、というエピソードを書きました。

 さてフランスのパンといえば、誰もが「クロワッサン」を思い浮かべるだろうが、これは実は純粋フランス生まれではなく、オーストリアからマリー・アントワネットがもたらしたものだった。

 ヴィーンがトルコ軍に包囲され、あわやという局面を乗りこえたあと。トルコ軍旗に描かれていた三日月にインスピレーションを受けて、あるパン職人が、パン生地を三角に巻いて焼き上げたのが「キプフェルン(「三日月」の意)」。当時は黒いケシの実やクルミを入れたものが多かったという。

 アントワネットはフランスへ嫁入りしてきて、母国で食べていたキプフェルンを作るよう命じた。しかしこのころは、パンも焼き菓子も三角形であればみんなキプフェルンと呼んでいたようだ。バターの含有量も今よりずっと少なかったらしい。

 これがキップフェルンのフランス語「クロワッサン」としてパリに登場したのは1906年という。存外、新しいのに驚く。


☆「怖い絵」、糸井重里氏のブログ「ほぼ日刊いとい新聞」の<担当編集者は知っている>コーナーで、我が担当者のひとり大槻美和さんによるすてきな紹介が載りましたので、ぜひお読みください!!⇒ http://www.1101.com/editor/index.html

☆☆これまで書評や紹介が載った新聞は20紙。
雑誌で把握したのは、「クロワッサン」「エクラ」「婦人公論」「ミセス」「イラストレーション」「編集会議」「お茶の間」「母の友」「Coyote」「FINE BOYS 」「Job Diadim」。他にもあるのかもしれませんが、出版社からの連絡がないのでわからないのです。もしこれ以外に見かけましたら、ご一報おねがいします♪

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☆マリーもお忘れなく!(ツヴァイク「マリー・アントワネット」(角川文庫、中野京子訳)

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ホワイトハウスとロンドン塔の幽霊(世界史レッスン第87回)

2007年11月06日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の世界史レッスン第87回目の今日は、「ホワイトハウスのゴースト」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2007/11/post_b77e.html 
 ブッシュ大統領の娘ジェンナさんは霊感の強い女性らしく、雑誌インタビューでホワイトハウスのゴーストについて語ったようです。ロンドン塔のアン・ブーリンの幽霊譚とからめて書きました。

 今日はわたしの体験談。
 といっても大したことではないのですが・・・

 幽霊というものは一度も見たことはないものの(見たくはありません)、霊能者という人からは「霊感が強いですね」と言われたことがあり、いろいろ不思議な目にはあっているのは確かです。ただしどれも気のせいといえばいえるような、要するに「感じる」ことばかりでした。

 ところが一度だけ、はっきりこの眼で「見た」経験があります。6,7年前の好天の9月でした。数日前から、今にして思えばラップ音のような、ぴしっとかぱしっという音が家でしていましたが、乾燥のせいでコンクリートが鳴っているのかな、と物凄い結論(理系の頭ゼロなので)を出して、全然気にしませんでした。

 そしてその日がくるのですが、朝から和室や台所から、小さな鳥あるいは大きな昆虫が障子や壁に羽をぶつけているような、ぱさぱさというふうな音が絶えず聞こえていました。何かな、と思いつつ、とにかく太陽光の燦々とふりそそぐ明るい日中なので、まだ気にしていませんでした。

 ちょうど正午ころ、和室でいつものようにストレッチをしようとしていてふと襖を見ると、一枚だけ、まるで雨の日に車が泥水をはねたような、薄墨色のシミが点々と拡がっているではありませんか。

 朝は気がつかなかったので、さすがに不思議になり、カビだろうか、と指でずううっと触ってみました。でも全く湿ってもいないし、何かが付着したような感触もありません。おかしいなあ、でもこんなに汚くなってはどうしようもない、全部張り替えてもらうよりないだろう、と、その手間を考えてめんどうだなあと思いながら、ストレッチを再開し、数分後、シミはきれいに消えていたのです。

 事ここにいたって、さすがのわたしも猛烈な恐怖に襲われてしまいました。南向きの、日の当たる明るい部屋で、あんなに近づいて何度も見直したり触ったりしたのですから、絶対に絶対に目の錯覚でないのは確かです。シミはあらわれて、消えたのです。

 そういえば、数日前からのあの音、そして今朝からの妙な音。全てがひとつにつながっていると思いました。で、何をしたかというと妹にtel。何しろこの妹は、昔からむちゃくちゃ霊感が強いのです。「怖いよ~」と半べそのわたしに妹曰く、「そのシミは何かの形をしていなかった?あるいは文字ではなかった?」

 う~む。全然、わからなかったのです。というよりわたしは近眼なので、襖が汚れているな、と思ったとき、ちょっと離れて形を見る、などということはせず、どんどん近づいて触ってみたのですから・・・

 話はこれでおしまい。小説のようにここから何かが発展したり、実はこれは前世の祟りで、というようなことも全くなく、くり返されることもなく、単発で起こり、終わってしまいました。

 幽霊は存在する、が持論の某作家にこの話をすると、「生者が死者にコンタクトするのが難しいように、死者も生者にコンタクトするのは困難なはずだ。きっと死者があなたに伝えたいことがあったのだろうが、あなたがそれを中途半端にしかキャッチできなかったということでしょう」

 これには説得力がありましたね、少なくともわたしには。
 それとも他に何か説明があるのかしら・・・同じような体験をした人もいるのかなあ・・・


☆「怖い絵」、4刷が決まりました!

☆日経新聞夕刊(10月17日)の井上章一氏による書評です♪
「人間の暗部や歴史の裏を描く」
 グリム童話は、いま子ども向きの読みものとなっている。しかし、もとはけっこう恐ろしい話を集めていた。とても子どもには読ませられないような、人間の暗部がえぐられた話を。
 実は、いわゆる泰西名画にも、暗い背景をもつものがけっこうある。むごい逸話をひめた作品が、いくつも描かれてきた。この本は、そんな絵を集めて、それぞれに解剖学的な絵解きをほどこした本である。
 まあ、ゴヤの「我が子を喰らうサトゥルヌス」なんかは、見るからにおそろしい。だが、その背後には、もっとむごい歴史がある。ドガの「踊り子」あたりは、きれいな絵だなと思われようか。しかしそこには、いやらしい社会史も、描きだされている。いや、いやらしさという点なら、ジェンティレスキの「ユーディト」も負けてはいない。
 色や形、あるいは絵柄だけを見ていても、なかなかこうは読み解けないだろう。歴史の裏に通じているからこそ、こういう秘話をほりおこせるのだと思う。
 文章もよくねれており、たいへん読みやすく書かれている。美術愛好家のみならず、歴史好きにはひろく一読をすすめたい。星5つ)

怖い絵
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☆マリーもお忘れなく!(ツヴァイク「マリー・アントワネット」(角川文庫、中野京子訳)

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ベルばら入浴剤ジェローデル

2007年11月04日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 とろみ湯のジェローデルを試してみました!
 だって、「ベルばら」で一番好きなのはジェローデルさまだから・・・うふふ。
 
 体験記は、絶好調のイラストレーターなとみみわさんが描いてくれましたので、ごらんくださいね!⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2007/10/post_071f.html

☆「怖い絵」、4刷が決まりました!

☆日経新聞夕刊(10月17日)の井上章一氏による書評です♪
「人間の暗部や歴史の裏を描く」
 グリム童話は、いま子ども向きの読みものとなっている。しかし、もとはけっこう恐ろしい話を集めていた。とても子どもには読ませられないような、人間の暗部がえぐられた話を。
 実は、いわゆる泰西名画にも、暗い背景をもつものがけっこうある。むごい逸話をひめた作品が、いくつも描かれてきた。この本は、そんな絵を集めて、それぞれに解剖学的な絵解きをほどこした本である。
 まあ、ゴヤの「我が子を喰らうサトゥルヌス」なんかは、見るからにおそろしい。だが、その背後には、もっとむごい歴史がある。ドガの「踊り子」あたりは、きれいな絵だなと思われようか。しかしそこには、いやらしい社会史も、描きだされている。いや、いやらしさという点なら、ジェンティレスキの「ユーディト」も負けてはいない。
 色や形、あるいは絵柄だけを見ていても、なかなかこうは読み解けないだろう。歴史の裏に通じているからこそ、こういう秘話をほりおこせるのだと思う。
 文章もよくねれており、たいへん読みやすく書かれている。美術愛好家のみならず、歴史好きにはひろく一読をすすめたい。星5つ)

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☆マリーもお忘れなく!(ツヴァイク「マリー・アントワネット」(角川文庫、中野京子訳)

マリー・アントワネット 上 (1) マリー・アントワネット 下 (3)
     

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