中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

ミュージカル『エリザベート』--「歌劇5月号」

2009年04月28日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第14回の今日は、「殿、ご乱心」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2009/04/post-0c67.html#more
 ジョージ3世の精神錯乱を扱った『英国万歳!』について書きました。この映画で王妃役を演じたヘレン・ミレンは、エリザベス1世にもなったしエリザベス2世にもなりましたね~。特に1世役はすばらしかった!

 さて、今日は宝塚の『エリザベートーー愛と死の輪舞(ロンド)』について。
 
 月組が、宝塚で5月末から1ヶ月間、東京で7月中旬から1ヶ月間、上演します。それに関連して、わたしもエリザベートについてインタビューを受けました。宝塚専門月刊誌『歌劇』5月号の「ワールド・ワイド・オブ・タカラヅカ」コーナー(124ページ~ )に載りましたので、どうぞお読みください♪

 エリザベートのことは、「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」でも書きました(帯もヴィンターハルターによる彼女の肖像画)。

 インタビューではどんなことを聞かれたかといいますとーー
 「16歳で皇帝フランツ・ヨーゼフに嫁ぐエリザベートですが、どんな女の子として育ったのでしょう?」
 「当時の貴族女性の結婚観とは?」
 「美への執着がすごかったとか。なぜそれほどまでに執着したのでしょう?」
 「ヨーゼフに望まれての結婚でしたが、妻としては幸せだったのでしょうか?」 「ゾフィは「鬼姑」だったとか?」
 「長女ばかりでなく、世継ぎのルドルフも失いましたね?」
 「エリザベートの悲劇的な生涯は今なお多くの女性をひきつけています。その魅力とは?」
 「宝塚月組公演へのメッセージを」

 実をいえば、わたくし的にはこの作品はミュージカル・ベスト3のひとつです(あとの2つは「ジーザス・クライスト・スーパースター」「ミス・サイゴン」)。音楽がすばらしいし、脚本がまたうまい。特に「トート」という抽象的なのに魅力的な登場人物を造型したのが成功の鍵だったのではないでしょうか。みなさんも是非いちど、ごらんになってください。

 そしてわたしもいつかエリザベートの伝記を書いてみたいなあ、と思っているところです♪


☆今後の講演など

 5月23日(土) JTBカルチャー新宿で、「怖い絵」関連のレクチャー(朝日カルチャーセンターでの講義とは別ヴァージョンです)。⇒ http://jtbculture.com/search/detail.php?seq=3&ge=1&se=

 6月12日(金)は銀座の国際フォーラムで、日本呼吸器学会の基調講演。これはお医者様の学会員のみの参加になります。⇒ http://www.jrs.or.jp/jrs49/convocation.html

☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
おとなのための「オペラ」入門 (講談社+アルファ文庫 D 61-1)

☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。<愛のフェア>本の一冊ですので、帯の写真は松山ケンイチさん♪「女の恋は 激しく、哀しい」がキャッチコピーです。

歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫 な 50-1)


☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、6刷になりました♪

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html

危険な世界史

☆「怖い絵2」、5刷中。
月刊誌『美術の窓』最新号で紹介されました。ごらんください。

怖い絵2


☆『怖い絵』、11刷になりました。ありがとうございます♪ 「ほぼ日」での紹介。再録⇒ http://www.1101.com/editor/2007-11-13.html

怖い絵
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中野京子 朝日出版社 (2007/07/18)



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おとなのための「オペラ」入門ーー新刊♪

2009年04月21日 | 
 講談社+α文庫からオペラの本が出ました。

 『おとなのためのオペラ入門』!

 実はこれは以前さえら書房から中・高校生向けに書いた「オペラでたのしむ名作文学」の文庫化です。初めてオペラを見る中学生の男の子が、大学生のお姉さんにいろいろ教えてもらう、という設定を、新入社員男子が先輩女史に教えを乞うという形に書き換え、全体に「おとなっぽく」?いたしました。

 でも「全くの初心者」「生まれて初めてオペラを見る人」向けなのは変わりません。もともと原本も、なぜか子どもより大人の読者が多かったので、楽しんでもらえるんじゃないかな~と思っています。

 音楽より原作から入ってみよう、というコンセプトなので、とりあげた作品も、

 「チェネレントラ(シンデレラ)」(ロッシーニ)
 「椿姫」(ヴェルディ)
 「ホフマン物語」(オッフェンバック)
 「ファウスト」(グノー)
 「カルメン」(ビゼー)

 と、思いっきり偏っています。いろんなミニ情報も入れましたので、読み物として気楽にたのしみながら、オペラへの関心を持ってもらえたらと願っています。

 偶然ですが、6月には東京の第二国で「チェネレントラ」が上演されます。そのパンフレットにもエッセーを書きましたので、そちらとあわせて読んでいただけたら幸せです。

 ロッシーニの弾むような音楽は、まさしく世の憂さを晴らしてくれますので、オペラにも足をお運びくださいね!

 ひでかずさんのご紹介はこちら⇒ http://www33.ocn.ne.jp/~hidekazu/page033.html
 
おとなのための「オペラ」入門 (講談社+アルファ文庫 D 61-1)
☆今後の講演など

 5月23日(土) JTBカルチャー新宿で、「怖い絵」関連のレクチャー(朝日カルチャーセンターでの講義とは別ヴァージョンです)。⇒ http://jtbculture.com/search/detail.php?seq=3&ge=1&se=

 6月12日(金)は銀座の国際フォーラムで、日本呼吸器学会の基調講演。これはお医者様の学会員のみの参加になります。⇒ http://www.jrs.or.jp/jrs49/convocation.html


☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。<愛のフェア>本の一冊ですので、帯の写真は松山ケンイチさん♪「女の恋は 激しく、哀しい」がキャッチコピーです。

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☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、6刷になりました♪

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html

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☆「怖い絵2」、5刷中。
月刊誌『美術の窓』最新号で紹介されました。ごらんください。

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☆『怖い絵』、11刷になりました。ありがとうございます♪ 「ほぼ日」での紹介。再録⇒ http://www.1101.com/editor/2007-11-13.html

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ヴィスコンティに恋したゼッフィレッリ(世界史レッスン<映画篇>)

2009年04月14日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第13回は、「ヴェネチア解放の混乱の中で」 ⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2009/04/post-d8ef.html#more
 ヴィスコンティの「夏の嵐」の背景になった、ヴェネチア独立運動について書きました。19世紀半ばまでこの水の都は、ハプスブルク家の所領だったのです。

 さて、イタリアのヴィスコンティ家だが、シャルルマーニュの子孫で、かつてはミラノの支配者という超のつく名門。ルキノ・ヴィスコンティ自身、伯爵の称号を持つ。もちろんそれだけではどうってことはないが、彼はオペラの演出や映画の監督として、40歳ですでに「伝説の人」と化していた。

 彼についてはたくさん本が出ているが、以前も紹介した「ゼッフィレッリ自伝」(創元ライブラリ)がめちゃくちゃ面白いのでぜひ読んでほしい。

 これは彼を恋し、彼に愛され、最後は離反することになったゼッフィレッリが、愛憎半ばする筆致で語ったものなので、ヴィスコンティの生の姿があぶりだされている。男同士の恋愛の複雑さは、男女の恋愛のそれをはるかに凌ぐ感じで圧倒されてしまう。

 まるで小説のようなのだ。一方は名門出身のエレガントな中年、他方は下層から這い上がろうとする野心満々の若者。どちらも美貌で卓越した才能の持ち主だ。

 若者が伯爵を初めてその目で見たのは、舞台稽古中だった。裏方として臨時雇いされた彼は、演出する伯爵が猛烈な癇癪を起こして口汚く罵っている姿にゆきあう。そしてその「掛け値なしの癇癪に心躍った」。恋に落ちた瞬間である。

 そこからどうやって自分をアピールし、目をとめてもらうか、ベッドに入れてもらうか、愛し続けてもらうかが赤裸々に語られる。凄い、の一言だ!


☆今後の講演など

 5月23日(土) JTBカルチャー新宿で、「怖い絵」関連のレクチャー(朝日カルチャーセンターでの講義とは別ヴァージョンです)。⇒ http://jtbculture.com/search/detail.php?seq=3&ge=1&se=

 6月12日(金)は銀座の国際フォーラムで、日本呼吸器学会の基調講演。これはお医者様の学会員のみの参加になります。⇒ http://www.jrs.or.jp/jrs49/convocation.html

☆「恋の嵐」プレゼント中♪⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2009/03/post-f3dc.html

☆☆4月に講談社+α文庫でオペラ本が出ます。『おとなのためのオペラ入門』!詳しくはまた近づいてから。
おとなのための「オペラ」入門 (講談社+アルファ文庫 D 61-1)

☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。<愛のフェア>本の一冊ですので、帯の写真は松山ケンイチさん♪「女の恋は 激しく、哀しい」がキャッチコピーです。

歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫 な 50-1)


☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、6刷になりました♪

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html

危険な世界史

☆「怖い絵2」、5刷中。
月刊誌『美術の窓』最新号で紹介されました。ごらんください。

怖い絵2


☆『怖い絵』、11刷になりました。ありがとうございます♪ 「ほぼ日」での紹介。再録⇒ http://www.1101.com/editor/2007-11-13.html

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「怖い絵3』脱稿♪

2009年04月07日 | 
 やったあ、ばんざい!
 ようやく『怖い絵3』を脱稿しました。これで無事5月下旬刊行となります♪

 今回は時間がかかりました。なにしろ連載が増えた(月刊『母の友』(福音館)でDVD・ビデオ評、『ベルばらkidsプラザ』の「世界史レッスン<映画篇>」、集英社ブログ『レンザブロー』で「王妃たちの光と闇」、5月からの某雑誌(詳しくは開始後))ため、前みたいに集中できなかったのです。

 先月のテレビ出演のときには、急遽作ってもらった表紙だけをご披露しました。ごらんくださった方もいらっしゃると思いますが、フュースリの『夢魔』を使っています。

 「1」は女性で赤、「2」は男性で黄、「3」は魔物で、なんとピンクです。意外な効果が上がっています。さすが奥定さんの装丁は冴えていますよ~

 校正がくるまでのひとときが、短いリラックスタイム。
 というわけで、DVDで「おくりびと」を見て、泣きました。ダビングしておいた「SASUKE」を見て燃えました(わたしが唯一見るスポーツ番組)

 ところで先週のプランタンでのレクチャーですが、キャンセル待ちで受講できなかった方が何人かいらしたようです。朝日カルチャーとJTBの方はまだ空きがあるとのことですので、そちらへいらしてくださると嬉しいです♪

☆今後の講演など

 4月9日(木)は朝日カルチャー新宿にて、「怖い絵」関連のレクチャー。⇒ http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=38551&userflg=0

 5月23日(土)はJTBカルチャー新宿で、同じく「怖い絵」。でも朝日とは別ヴァージョンの予定です。⇒ http://jtbculture.com/search/detail.php?seq=3&ge=1&se=

 6月12日(金)は銀座の国際フォーラムで、日本呼吸器学会の基調講演。これはお医者様の学会員のみの参加になります。⇒ http://www.jrs.or.jp/jrs49/convocation.html

☆「恋の嵐」プレゼント中♪⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2009/03/post-f3dc.html

☆☆4月に講談社+α文庫でオペラ本が出ます。『おとなのためのオペラ入門』!詳しくはまた近づいてから。

☆「怖い絵3」 シリーズ完結篇です♪
怖い絵3


☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。<愛のフェア>本の一冊ですので、帯の写真は松山ケンイチさん♪「女の恋は 激しく、哀しい」がキャッチコピーです。

歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫 な 50-1)


☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、6刷になりました♪

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html

危険な世界史

☆「怖い絵2」、5刷中。
月刊誌『美術の窓』最新号で紹介されました。ごらんください。

怖い絵2


☆『怖い絵』、11刷になりました。ありがとうございます♪ 「ほぼ日」での紹介。再録⇒ http://www.1101.com/editor/2007-11-13.html

怖い絵
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