中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

『ブルボン王朝 12の物語』プレゼント&ヴィクトリアンつるつるヌード

2010年06月22日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
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 さて、先週、ハリウッド用照明のことを書きましたが、それで思い出しました。ハリウッドの映画スターのヌードは、たいていシミひとつシワ一本ないんですよね。ヨーロッパ映画とだいぶ違います。

 ドイツ映画「クララ・シューマン」をちょっと見てください。シミだらけシワだらけ、肌は生白いところと陽に焼けたところの差がありすぎ、毛穴ぼつぼつで、その汚さというか、リアルさにのけぞります(美男美女のベッドシーンという設定なのに)

 なぜのけぞるかと言えば、ハリウッド映画の修正ヌードに眼が慣れすぎているからでしょう。功罪半ばするかも。。。

 ヴィクトリア朝時代、イギリスではハリウッド映画もかくやのツルピカ肌のヌードが絵画にあふれましたが、当時の著名な美術評論家ジョン・ラスキンは、そういうのばかり見慣れてしまい、現実の女性の裸体を見たことがなかったため、結婚して奥様の身体にヘアーがあるのを知り、大ショックを受けたそうです(けっきょく離婚)。

 これは有名なエピソードなのでご存知の方は多いでしょう。昔、この話を読んだわたしは、嘘でしょう、と思いました。面白おかしく書いているのだろう、と。

 でも今ではほんとだったような気がしています。頭でっかちになると、リアルは怖くなるということはありえますもんね。人形に萌えする現代の若者のように。



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いま書店に出ている「ダ・ヴィンチ」7月号の77ページ(あ、スリーセブンだ♪)に、本書に関するわたしのインタビュー記事が載りましたので、ごらんください♪

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偶然ながらこの本の紹介も「ダ・ヴィンチ」7月号81ページに載りました♪

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
確かに… (山岸浅葱)
2010-06-22 23:34:54
ヌードといえば、好きな女優の1人でもあるジュリアン・ムーアがブルガリか何かのモデルでセミヌードのポスターを良くデパートだったり雑誌で見かけるけど、シミひとつなく綺麗に写ってます。でも彼女は外国人特有のシミが身体にかなりあるのを私は知っています。シミを無いことにしてしまう技術に脱帽です。私もめっちゃ細くて綺麗に細工してくれるなら、ヌードでも何でも是非撮ってもらいたいものです。
それから、その美術評論家の話は最高ですね。本当にそんな人っているんですね。

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Unknown (山岸浅葱さんへ(kyoko))
2010-06-24 21:37:13
 ファッション誌の写真は肌ばかりでなく、身体も削って?細くしたというので、モデルにクレームつけられていましたよね!まったく油断も隙もあったもんじゃありません。でも素人はそうやって撮ってほしいかも。うふふ。
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読みました (もも)
2010-06-25 10:41:46
中野先生の本、早く新刊出ないかといつも楽しみにしています!先日、BSハイビジョンも拝見し、ますます中野先生の本に夢中です。ブルボン…も読みましたよ!ハプスブルク…も読み直しました。怖い絵も。

ヌードですが…私自身はルーベンスのパリスの審判の女神(あんなに綺麗ではありませんが)や、マリーのマルセイユ上陸のニンフたちと言ったところで、あの時代なら、美しかったかも!(笑)しれません。個人的に、ヌードではありませんが、エリザベートやシャロットの乙女に憧れます。
話が変わりますが、精神科病院で勉強する機会がありまして、ホガースの精神病院にてを見て、いかに精神疾患(当時は精神疾患ばかりではありませんが)のある方の処遇が悪かったか…ということもわかりました。今はちがいますね、全く。放蕩児一代記のお話があればぜひ読んでみたいです。
長くなりましたが、これからも中野先生の本そしてテレビ出演など楽しみにしています。

いろいろ感想などお手紙で送りたいと思うのですが、宛先は出版社でも届けていただけるのでしょうか?

では、これからますます暑くなりますので、どうぞ、お体ご自愛くださいませ。
もも
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やっと・・・ (トクちゃん)
2010-06-25 19:07:11
今日はW杯デンマーク戦の応援で、日本寝不足注意報!?
やっと我が地元紙・神戸新聞の夕刊に京子さんの「名画に見る 男のファッション」始まりました!しかもカラーで・・・ナポレオンの赤いマントも京子さんの笑顔も輝いています!!
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古代の裸でも (真奈美)
2010-06-26 10:07:45
 うぐいすみつるという海外体験の豊かなマンガ家が描いてましたが、友人間で体毛についてもめたことがあり、アメリカ人たちが処理すべきだと言うのに対し、ヨーロッパ勢は、あるものをないようにするほうが不自然だと反論していたそうです。この点ではアメリカ人のほうが日本人に近いのも不思議。 
 しかしヨーロッパでも、美術品の中では体毛なんて描かれませんよね、肉体美が賛美されていた時代でも、ムキムキ筋肉に胸毛なんてないし。
 『○○の文化史』はあれこれありますが、『体毛の文化史』が出てもおかしくありません。・・・読んでて胸焼けしそうですが。
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Unknown (mika)
2010-06-28 01:02:26
体毛に関する皆さんの話、とても興味深いです。
私見ですが、体毛を処理するか否かは「体臭」をどう感じるのかの違いかなー、と感じます。
腋やアンダーに毛が密集していたらどうしても臭いはきつくなりますからねえ。
フランス人やイタリア人は日本人ほどそういう臭いにうるさくない、逆にセクシーと感じるとか聞きますし。
ラテン系は男性・女性ともにワイルドさが魅力の一つですから、多少体毛が濃いのはいいのかもしれないですね。
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Unknown (みなさま(kyoko))
2010-06-29 20:32:21
ももさん
 今は解放病棟がかなり多くなり、昔に比べてずいぶん改善されたとはいえますね。
 「放蕩児一代記」ですが、ホガース自身の創作連作画なので、いわゆる小説の形にはなっていないんですよ(ちょっと残念)。

トクちゃんさん
 神戸新聞についてのお知らせ、ありがとうございます。少し遅れての連載開始なんですね。でも良かった♪

真奈美さん
 確かにヨーロッパ系の人たちは、ノースリーブで堂々と腋毛を見せていたりしますね。ついでながらデベソも隠さないので、ほほ~と感心してしまいました。「やーい、やーい、おまえの母さん、デベソ」という悪口は通じませんね!

mikaさん
 匂いと官能の関係は、文化的にずいぶん違いがありますね!

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