朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇)」第33回目の今日は、「和製ホラーの原点」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2010/02/post-59a8.html#more
怖い怖い「四谷怪談」について書きました。
さて、昨晩のNHK教育「知る楽」の「『怖い絵』で人間を読む」第4回も、お岩さんと同じくらい怖いサトゥルヌスについてでした。
撮影はそれまでの京都から鳴門へ移動。スタッフさんたちは前日の夜にロケバス(ものすごい機材の量なのです)で現地入りし、翌朝は最終回のドラマ作り。わたしは2日で3本も撮って、めちゃくちゃ疲れたので、その日は京都のホテルで泊まって、翌朝、急行バスで鳴門入り(あんがい近いのでびっくりしました)。
寒い京都に比べて、鳴門は暖かくて良かった。瀬戸内海が見えて嬉しいわたし。
しかし実はその朝、ひとりパニックに襲われていたのです。というのは、この8回分を年末の5日間で撮るという大強行軍なのですが、京都入りの前夜までわたしはテキスト書きで死に物狂いだったので、旅行準備がなかなかできず、あたふた衣服を詰めたのですが・・・
なんと7着しか持ってきていないのに気づいたのです!!うわあ、どうしよう、となったのが、これから鳴門行きのバスに乗るというころ。10時10分発のバスなので、デパートもあいていなくて、京都駅をうろつきまわった末、ユニクロでセーターをやっと手に入れました。あ~あ、なんてことでしょう。めげました。。。
それはいいとして、鳴門国際美術館は写真もオーケーなので、昨日のテレビではやっとわたしの顔も明るく撮れていて、ほっとしました。
なにしろ京都ではほんものの名画なので、熱を持たない特別のライトを使いました。絵を傷めないようにということですが、そうなると人間の顔によけいな影が出て、ものすごく写りが悪くなってしまうのです。
某女優さんは、同じシチュエーションで、「こんなライトならわたしはやりません!」と拒否したというほどなのです。女優じゃないわたしはそうも言えず、ひどい顔に写っているなあ、と3回目までは正直すごく嫌でした。
それがやっと今回からはふつうのライトになったので、顔の造作は今さらどうにもできませんけど、少なくともいつものわたしに近い顔になって、やれやれ、という感じです。照明の力というのは大きいんですね~
でももちろん主役はゴヤの絵です。迫力でしたね!
「我が子を喰らうサトゥルヌス」については『怖い絵』に、傑作「一八〇八年五月三日」(番組ナレーションで一部読み上げられました)は『怖い絵3』に詳しく書きました♪
☆「知る楽」のテキストはこちら(クリックするとアマゾンへゆけます) 2刷になりました。ありがとうございます♪
⇒
☆「THEハプスブルク」展へいらっしゃる前にはぜひ拙著で予習もお願いします。肖像画に描かれた人々の運命を知ると、絵はきっとまた新たな魅力を増すはずです。
⇒
☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、11刷になりました♪
☆最新刊「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
☆「怖い絵3」♪ シリーズ完結篇です。5刷中♪
☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
☆「危険な世界史」(角川書店) 3刷になりました♪
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html
☆「怖い絵2」、8刷中。
☆「怖い絵」15刷中。
怖い怖い「四谷怪談」について書きました。
さて、昨晩のNHK教育「知る楽」の「『怖い絵』で人間を読む」第4回も、お岩さんと同じくらい怖いサトゥルヌスについてでした。
撮影はそれまでの京都から鳴門へ移動。スタッフさんたちは前日の夜にロケバス(ものすごい機材の量なのです)で現地入りし、翌朝は最終回のドラマ作り。わたしは2日で3本も撮って、めちゃくちゃ疲れたので、その日は京都のホテルで泊まって、翌朝、急行バスで鳴門入り(あんがい近いのでびっくりしました)。
寒い京都に比べて、鳴門は暖かくて良かった。瀬戸内海が見えて嬉しいわたし。
しかし実はその朝、ひとりパニックに襲われていたのです。というのは、この8回分を年末の5日間で撮るという大強行軍なのですが、京都入りの前夜までわたしはテキスト書きで死に物狂いだったので、旅行準備がなかなかできず、あたふた衣服を詰めたのですが・・・
なんと7着しか持ってきていないのに気づいたのです!!うわあ、どうしよう、となったのが、これから鳴門行きのバスに乗るというころ。10時10分発のバスなので、デパートもあいていなくて、京都駅をうろつきまわった末、ユニクロでセーターをやっと手に入れました。あ~あ、なんてことでしょう。めげました。。。
それはいいとして、鳴門国際美術館は写真もオーケーなので、昨日のテレビではやっとわたしの顔も明るく撮れていて、ほっとしました。
なにしろ京都ではほんものの名画なので、熱を持たない特別のライトを使いました。絵を傷めないようにということですが、そうなると人間の顔によけいな影が出て、ものすごく写りが悪くなってしまうのです。
某女優さんは、同じシチュエーションで、「こんなライトならわたしはやりません!」と拒否したというほどなのです。女優じゃないわたしはそうも言えず、ひどい顔に写っているなあ、と3回目までは正直すごく嫌でした。
それがやっと今回からはふつうのライトになったので、顔の造作は今さらどうにもできませんけど、少なくともいつものわたしに近い顔になって、やれやれ、という感じです。照明の力というのは大きいんですね~
でももちろん主役はゴヤの絵です。迫力でしたね!
「我が子を喰らうサトゥルヌス」については『怖い絵』に、傑作「一八〇八年五月三日」(番組ナレーションで一部読み上げられました)は『怖い絵3』に詳しく書きました♪
☆「知る楽」のテキストはこちら(クリックするとアマゾンへゆけます) 2刷になりました。ありがとうございます♪
⇒
☆「THEハプスブルク」展へいらっしゃる前にはぜひ拙著で予習もお願いします。肖像画に描かれた人々の運命を知ると、絵はきっとまた新たな魅力を増すはずです。
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☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、11刷になりました♪
☆最新刊「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
☆「怖い絵3」♪ シリーズ完結篇です。5刷中♪
☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
☆「危険な世界史」(角川書店) 3刷になりました♪
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html
☆「怖い絵2」、8刷中。
☆「怖い絵」15刷中。
>中野さんの言う「怖さ」って,そのまま授業での「なぜ」につながるのではないかと
⇒そうなんです!!まさにそう感じてもらえたらいいなあ、と思っています。「なぜ」がなければこの世の何ひとつ、面白くありませんもの。短い授業時間で困難とは思いますけど、生徒さんたちひとりひとりにそれぞれの「なぜ」を植えつけてくださいね!
自己紹介が遅れました。私は大塚国際美術館と同じ島(?)にある教育大学出身で,大学の授業で何度か美術館に行きました。圧巻ですよね!現在は他大学に進学して院生をしながら高校の非常勤講師で世界史を教えています。
世界史は,生徒にとって時間的にも空間的にも遠くて,具体的なイメージをもってその時代の特色を理解させることの難しさを日々痛感しています。また,それゆえに教師がつい何もかもしゃべってしまい,生徒の探究心を削いでいる。
そんなふうに思う私だから思うのかもしれませんが,中野さんの言う「怖さ」って,そのまま授業での「なぜ」につながるのではないかと。ドガの『エトワール,または舞台の踊り子」にしろ,『マリー・アントワネット最後の肖像』にしろ,そこには何が,どのように描かれているかを問うていくと,「舞台そでには普通踊り子しかいないはずなのに…」「マリー・アントワネットってもっときれいじゃなかったかな」という疑問に行きつきます。じゃあこの絵を取り巻く当時の社会や出来事はどんなだったのだろうと。
生徒の,絵の怖さへの嗅覚が育てばいいなぁ,なんて思っています。
私の順番は、まずテレビを見て、それからテキストを読んでいます。
テキストの「音声を消したホラー映画」の例えは、とてもよくわかりました。
私も、先生がおっしゃるように、「大いなる何もの」かの存在を信じます。
その「何もの」かが、ゴヤという天才画家の手を借りて、後世の私たちに伝えたかったもの。
私たちは、その「何もの」かの真意を、しっかりと受け取らなければならないと思いました。
ゴヤの絶筆、「ボルドーのミルク売り娘」についての記述も、とても印象に残りました。
番組の主旨から外れますが、この絵でエンディングでもよかったかなぁーと思ったくらいです。
ぜひぜひいらしてください!巨大美術書の中へ入り込むようにすばらしいです。レンブラントの自画像がずらっと並んでいたりして、壮観ですよ。
loroさん
ご訪問ありがとうございます♪
テキストの件、ほんとにごめんなさい。NHK出版の担当者さんもこのコメント欄を読んでくださっていて、謝ってらっしゃいました。明日からまた書店に並ぶはずですので、どうぞお手にしてくださいましね。
みるくさん
夜にテレビで大アップになると怖いですよね~。この撮影のときも、すぐ後ろにこの絵があると、本物じゃなくてもちょっとビビりました。。。
うさこママさん
「オール」も読んでくださり、嬉しいです♪
今ちょうど10回なので、あと10回分ないと書籍の分量にならないかなあ。でも来年は出せるといいなと思っています。
しずかさん
皆さん、最初は本物じゃないし、と軽く思うのですが(かく言うわたしもそうでした)、行けば絶対楽しめます!音楽も、コンサートが一番にきまっていますが、だからといってCDを聴かない人はいませんものね。
どうぞ一度いらしてみてくださいね!
こんなところがあったのですか!?
ヨーロッパの有名な美術館はほとんど廻って来たのですが、日本でたとえコピーでも実物大の名画に触れ合えるのはいいことですね。
機会があったら鳴門まで行ってみたいです。
大塚美術館の「ゴヤの家」の再現は、この美術館でなければあり得ないし、ろうそくの光での撮影はとても効果的でしたね。ぜひ、行って見たいです。
さっき、今夜ハイビジョンで放映される「フィリペ2世とエル・エスコリアル」の予告を見ましたが、我が家はデジタルTVを買ったばかりで、ハイビジョン放送が見れるのは来週からなので残念です。再放送されるのを期待しています。
やはり、サトゥルヌスの絵は怖くて直視できませんでした(苦笑)
恐怖と共に、慟哭のような悲しみも感じました。
他のゴヤの絵も迫力満点ですね!
大強行軍、お疲れ様でした。
放映の裏側はいろいろ大変なのですね。
鳴門の素晴らしい景色を満喫されて、よかったですね♪
本放送ではなく、2月21日(日)の夜に再放送する予定が組まれているのを番組表で偶然見つけて「ハプスブルク」という言葉に惹かれて番組を見ることにしました。
番組を見る前は、なぜプロスペロ王子の絵が「怖い」のかなと思っていましたが、なるほど、そういう視点で読み解くと中野さんのおっしゃるように恐怖を感じますよね。
今回のサトゥルヌスは、見た瞬間「怖い」と感じられる絵ですが、一番怖いのは「消された」部分ですね。
「そんな」ことになっていたとは・・・。
今この絵を見ても描かれていないので、余計に想像力をかき立てられます。
テキストを買って勉強しようと思ったのですが、在庫切れになっていて入手出来ません。とっても残念です。
テレビの方は最終回まで本放送で拝見します。
マリー・アントワネットとエリザベートの回も再放送してもらいたいところです。
ところで私は鳴門に大塚国際美術館というそのような美術館がある事は全然知らなかったので、是非とも行ってみたいと思いました。本物を観ることは、もちろん素晴らしいですが、コピーでもそれが本物の実物大とかで展示されてるというところが驚きだし、素晴らしいです。
海外までいけなかったりするものにとっては、疑似体験が出来る素晴らしい美術館ですね♪