昨夜は「知る楽」第三回目でした。
スペイン・ハプスブルク家の落日に、数奇な運命を負って生まれてきた王女マルガリータ、王子プロスペロについてお話しました。
名だたる名品が大画面いっぱいにくりひろげられたので、きっと堪能していただけたのではないでしょうか。
冒頭のカルロス一世(=カール五世)とフェリペ二世の肖像は、イタリア人画家ティツィアーノです(昔の小説にはよく「ティツィアン」と表記されていました)。宮廷画家なので理想化はしているのですけど、恐ろしいばかりの人物把握ぶりですね!
マルガリータ、プロスペロ、フェリペ四世は、スペインが誇るベラスケス。ゴヤは「ベラスケス、レンブラント、そして自然が自分の教師」と言っていました。
画面にはプラド美術館で「ラス・メニーナス」の前に人だかりがしているシーンがありました。この大傑作は門外不出なので、マドリッドへ行きたい!と思った人も多いのでは。
おとなになってからのマルガリータを描いたのは、ヤン・トーマスといってあまり有名な画家ではありません。でも彼女が幸せそうに微笑んでいるので、わたしはけっこう好きな絵です。
お家断絶の幕を閉じた最後の王、カルロス二世を描いたのは(一見ベラスケス・タッチですけど彼はこのころもう亡くなっていますから)、カレーニョ・ミランダという宮廷画家です。
血族結婚くり返しの果てに滅んでいったスペイン・ハプスブルク家については、『怖い絵2』と『ハプスブル家12の物語』で詳しく取り上げたので、ぜひお読みください。導入の絵は、前者が「カルロス二世」、後者が『ラス・メニーナス』です。
プロスペロ王子の子ども服については『怖い絵3』で書きました。
来週はいよいよ、誰が見ても、何の説明もいらず、掛け値なしに怖い、ゴヤの「我が子を食らうサトゥルヌス」です。お楽しみに!
☆「知る楽」のテキストはこちら(クリックするとアマゾンへゆけます) 2刷になりました。ありがとうございます♪
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![探究この世界 2010年2-3月 (NHK知る楽/月)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51FEld71gHL._SL160_.jpg)
☆「THEハプスブルク」展へいらっしゃる前にはぜひ拙著で予習もお願いします。肖像画に描かれた人々の運命を知ると、絵はきっとまた新たな魅力を増すはずです。
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☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、11刷になりました♪
![名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/317DmprK0ZL._SL160_.jpg)
☆最新刊「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
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☆「怖い絵3」♪ シリーズ完結篇です。4刷中♪
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☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
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☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
![歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫 な 50-1)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41jKxECSsfL._SL160_.jpg)
☆「危険な世界史」(角川書店) 3刷になりました♪
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html
![危険な世界史](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41OcgjypoCL._SL160_.jpg)
☆「怖い絵2」、8刷中。
![怖い絵2](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51DISobTrZL._SL160_.jpg)
☆「怖い絵」14刷中。
スペイン・ハプスブルク家の落日に、数奇な運命を負って生まれてきた王女マルガリータ、王子プロスペロについてお話しました。
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おとなになってからのマルガリータを描いたのは、ヤン・トーマスといってあまり有名な画家ではありません。でも彼女が幸せそうに微笑んでいるので、わたしはけっこう好きな絵です。
お家断絶の幕を閉じた最後の王、カルロス二世を描いたのは(一見ベラスケス・タッチですけど彼はこのころもう亡くなっていますから)、カレーニョ・ミランダという宮廷画家です。
血族結婚くり返しの果てに滅んでいったスペイン・ハプスブルク家については、『怖い絵2』と『ハプスブル家12の物語』で詳しく取り上げたので、ぜひお読みください。導入の絵は、前者が「カルロス二世」、後者が『ラス・メニーナス』です。
プロスペロ王子の子ども服については『怖い絵3』で書きました。
来週はいよいよ、誰が見ても、何の説明もいらず、掛け値なしに怖い、ゴヤの「我が子を食らうサトゥルヌス」です。お楽しみに!
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毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html
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☆「怖い絵2」、8刷中。
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☆「怖い絵」14刷中。
ここ1年、日本にやってきた可愛いマルガリータちゃんの絵を思い出し、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を聴いても泣けます♪
私もマルガリータちゃんの新婚時代?!の夫レオプルト1世と対になっている絵の優しい表情、好きです。昨夜友人からは「平民で良かった・・・」と感想メールが。
近いうちに実家の父と京都へ行って来ます。
「怖い絵」で親孝行が来ます。
来週も楽しみです・・・絶対怖いこと間違いないけど・・・!
カルロス2世の絵を見ていて、目元の感じが、ダウン症の症状と似ているような気がしたのですが・・・。
怖い絵シリーズ、これから読んでみようと思っています。
次回も楽しみにしております。
プラド美術館に行ったのですが
あまり時間に余裕がなく、駆け足で
見た記憶があります。
絵はたっぷり時間をとって
鑑賞するべきものですね。
その時もっと絵に対する知識が
あったら良かったのに・・・
思うこの頃です。
「怖い絵」ももちろん読みましたが、先生の話を聴くとより引き込まれますね。
以降の回もとても楽しみです。
なんとも苦しくなってしまいます。ただ、フェリペ4世がベラスケスを気に入り、宮廷画家において、数々の残された作品を観られるということには、ただただありがたく、幸せに思うけれど…。
世界史の授業を思い返すと、神聖ローマ帝国やハプスブルク帝国が登場したり、カール5世とカルロス1世が同一人物という辺りで、混乱してしまい、分らなくなった気がします。
「怖い絵」や「危険な世界史」を副読本として使ったら、頭に入りやすく、もっと歴史に興味がわいたのに……、と思ってしまいました。特に「危険な世界史」には、短くて印象的なエピソードが沢山盛り込まれているので、人物や事件、出来事を印象付ける味付けになって、効果的なのでは、と世界史の先生達に提案したい気がしています。
マルガリータやプロスペロを見ると、ほんと「泣けます」よね~
お父様と美術展めぐりだなんて素敵ですね!!
hosさん
ご訪問、ありがとうございます♪
プラドは名品揃いなので、案外、見逃してしまう絵ってあるんですよね。カルロス二世はだいぶ前に、ゴヤの「巨人」(弟子の作らしいですが)といっしょに来日したんですよ。やはり異彩を放っていました。
「怖い絵」シリーズ、ぜひお読みくださいまし!
kikiさん
日本人にとって「異国の王」というのは盲点かもしれませんね。イギリス王室もドイツ系ですしね。
次回のゴヤもお楽しみください♪
しずかさん
プラドやルーヴルは巨大すぎ、作品が多すぎて、こってりフランス料理フルコースという感じですから、胃にもたれますよね。ウィーン美術史美術館くらいの規模で、しかも名品ばかりというのがちょうどいいかも!
sukemaro君
いやあ、さすがに20年たつと変わるでしょ。でもお世辞にしても嬉しいわん。sukemaro
君「優」、間違いなし、ですね!
山岸浅葱さん
戦争やれば連戦連敗、狩猟狂いに女狂いの無能王でしたが、祖父フェリペ二世の血をひいて、審美眼はなかなかだったんですよね。よくぞベラスケスを見出した、という感じです。
うさこママさん
友人情報ですが、誰かのブログで実際に高校の授業で「怖い絵」や「危険な世界史」を使っている、と書いてあったそうで嬉しいな、と思っていたところです。
歴史は年号で教えられても、とうてい覚えられるものじゃありませんよね。授業時間数が足りないので、そうなってしまうのかもしれませんが。
「知る楽」の第4回が、かなりのスペースを使って採り上げられていました。
なんと、「サトゥルヌス」の絵を背景に語る、中野京子先生の写真付きです!
一地方紙の単独記事かもしれませんが、これでまた多くの方がご覧になると思います。
妹にも「怖い絵」を薦めているのですが、かつて兵庫県立美術館に勤務しているときに、
ちょっと霊的な体験をしたことがある?とかで、ビビッて気乗り薄のようです。
さっそく京博の担当者さんに頼んで、取り寄せてもらうことにしました。嬉しいな☆
兵庫県立美術館といえば、去年、わたしも講演をしましたが。。。怪奇現象はとりあえずなくて、ホッ。