大阪の公立中学校で、国語と図書館を担当し、児童・生徒に読書の喜びを教えるべく精力的に取り組んでいる若林千鶴さんが、また新しい本を翻訳しました。
今回は絵本「バラ咲くじゅうたんのあるところ」(ルクサナ・カーン作、ロナルド・ハイムラー絵。草炎社刊)。コルチャック賞受賞作家の、静かな感動を呼ぶ作品です。
ーーアフガニスタン難民キャンプに住む主人公の少年は、父を戦争で失い、遊びたい盛りなのに、母と小さな妹の精神的支えとなって懸命に生きている。彼のささやかな夢は、じゅうたん織りの職人になることで、今その訓練を受けている。ひんぱんに爆撃があり、食べるものに事欠く毎日の中で、じゅうたんを織っているときだけが幸せを感じるときだった--
少年の、色に対する感性が興味深い。
ふつうの子どもなら好まないはずの「黒」を「敵から守ってくれる、夜の闇の色」と見なすし、「茶」は決してじゅうたんの糸には使わない、なぜなら難民キャンプはどこも「汚い茶色」であふれていて嫌だからと・・・
一番好きな色は「赤」だと言う。美しいバラの花の色というだけではない。赤は「正義を守るために、戦争で死んでいった人たちの血の色」だからと・・・
平和な社会を当たり前と思って育つ子どもたちは、この少年の、色彩への感性をどう思うだろう。
今回は絵本「バラ咲くじゅうたんのあるところ」(ルクサナ・カーン作、ロナルド・ハイムラー絵。草炎社刊)。コルチャック賞受賞作家の、静かな感動を呼ぶ作品です。
ーーアフガニスタン難民キャンプに住む主人公の少年は、父を戦争で失い、遊びたい盛りなのに、母と小さな妹の精神的支えとなって懸命に生きている。彼のささやかな夢は、じゅうたん織りの職人になることで、今その訓練を受けている。ひんぱんに爆撃があり、食べるものに事欠く毎日の中で、じゅうたんを織っているときだけが幸せを感じるときだった--
少年の、色に対する感性が興味深い。
ふつうの子どもなら好まないはずの「黒」を「敵から守ってくれる、夜の闇の色」と見なすし、「茶」は決してじゅうたんの糸には使わない、なぜなら難民キャンプはどこも「汚い茶色」であふれていて嫌だからと・・・
一番好きな色は「赤」だと言う。美しいバラの花の色というだけではない。赤は「正義を守るために、戦争で死んでいった人たちの血の色」だからと・・・
平和な社会を当たり前と思って育つ子どもたちは、この少年の、色彩への感性をどう思うだろう。
ユーゴ紛争を体験したクロアチアの
子供の多くは、絵を描くときに、
黒を多用するようです。
また、弾圧を受けたユダヤ人の子供の
描く絵も、黒を多用することが多い
ようです(こちらはチェコのユダヤ教会
で見てきました)。やはり、環境が、
こういった感覚をつくりあげていくのですね。。
いま、なにを読んでもつまらなく思っていたところ……別分野に目を転じるのもイイカセしれませんね。