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中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」

2008年08月12日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン」、第123回の今日は「梯子を外したナポレオン3世」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2008/08/post_6877.html#more
 フランツ・ヨーゼフ(美女エリザベート皇妃の夫君、と言った方がわかりやすい?)の弟マクシミリアンが遠くメキシコで処刑されたエピソードについて書きました。

 悲劇的だが愚かな野心家とも言える、このマクシミリアンについては、実は今日発売のわたしの最新刊でも詳しく書きましたので、是非お読みください。

 「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)です♪

 今朝の朝日新聞と日経新聞に広告が載りましたから、目にしてくださった方も多いことと思います。

 取り上げた名画はーー

①デューラー「マクシミリアン一世」
②プラディーリャ「狂女フアナ」
③ティツィアーノ「カール五世騎馬像」
④ティツィアーノ「軍服姿のフェリペ皇太子」
⑤エル・グレコ「オルガス伯の埋葬」
⑥ベラスケス「ラス・メニーナス」
⑦アルチンボルト「ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ二世」
⑧メンツェル「フリードリヒ大王のフルート・コンサート」
⑨ヴィジェ=ルブラン「マリー・アントワネットと子どもたち」
⑩ローレンス「ローマ王」
⑪ヴィンターハルタ「エリザベート皇妃」
⑫マネ「マクシミリアンの処刑」

 この他にも、画家の自画像・関連図・写真などが多数、オールカラーで入っています。デューラーの自画像といえば、自らをイエス・キリストに擬したのが有名ですけど、今回はちょっとびっくりですよ~!彼は何というか、あらゆる意味で「凄い」です。

 「ラス・メニーナス」は「怖い絵2」でも取り上げましたが、あちらは「怖い」がキーワード、こちらは視点が違うので読み比べてくださいね。

 エリザベートのデスマスクも入れています。死後すぐ石膏で型を取って永遠化するという感覚は、日本人にはよくわかりませんね。中学校の音楽室にベートーヴェンのデスマスクが飾ってありましたが、見るたび「趣味悪いな~」と思いましたもん。じゃあ、どうして自分の本に挿入したんだ?!って、突っ込まないでくださいね。

 「危険な世界史」が出たばかりでの新刊ですが、実は前者は春に、これは夏に、という予定でした。いろいろありまして、ほとんど同時発売になってしまいました。良い流れになってほしいです。

 それにしても、ちと働きすぎかなあ、と思います。夏休みはゆっくり本をいっぱい読んで、映画をたくさん見たいです。


☆最新刊「ハプスブルク家 12の物語」(光文社新書)
  12枚の名画でハプスブルク家の歴史を読み解く、というのがコンセプトです。どうぞよろしく♪ 

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)


☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
2年分の世界史レッスン(100エピソード)の書籍化です♪

山之口洋氏の紹介記事(「本の旅人8月号」)から一部抜粋ーー
「偉人とは猛毒であり、大量の凡人という水に薄まっているからこそ、人類に致命的な害をもたらさないのである。それどころか薬になることもある」
「本書に書かれた偉人たちは、立場も性格も、貧富の程度も、目指すところもさまざまながら、全員に共通するのは、われら凡人をはるかに超えた欲望の大きさだ。(・・・)強烈な欲望に身体ごと持ってゆかれてしまったのが彼らだ」
「だがその微量の毒があってこそ、人類全体という仮想的な脳に、新たな創造のひらめきが起こる。もし凡人だけだったら、世界は平和になるかもしれないが、新たな創造は激減し、人類の歩みは停滞するだろう」

危険な世界史

☆「怖い絵2」、紀伊国屋新宿南口店の美術コーナーに、大きさ16倍という巨大な「怖い絵2」が飾ってありますので、見てくださいね!

怖い絵2


☆『怖い絵』、9刷になりました。ありがとうございます♪

怖い絵
怖い絵
posted with amazlet on 07.07.14
中野京子 朝日出版社 (2007/07/18)


 コメントのシステムが変わったらしく、数字を入れなくてはならないようです。その時、文字を半角にして数字を入れないとうまく機能しません(実はわたしも全角で一生懸命何度もやって失敗しました)。お手数ですが、どうぞよろしく!

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6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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びっくりですか!? (ナジュラスター)
2008-08-12 19:00:08
 先生、残暑お見舞い申し上げます。

 面白そうですね! ぜひ購読してみたいと思います。
 ただ、執筆のお仕事に精力的に取り組まれいる由、どうかお体もおいといになって、とも思ったのですが、ご自身で触れられていましたね(笑)
 どうぞ、ゆっくりと英気を養ってください。

 あと、「梯子を外される」と聞いて、
「上屋抽梯」という計略の名前が浮かんできました。
 よく似た言葉だからなのは無論ですが、それよりもこの計略の論じるところがマクシミリアンに通じるところがあるな…と思ったので。

 「…毒に遇うとは、位当たらざればなり。」
 (相手はその人の欲望や人物を見透かして、餌を用意して誘っているのだ。)もしその餌に飛びついて毒に中ったとしても、それは自分が悪いのだ(超意訳)。

 まして、実父が誰かはともかく(こらこら…)、実母には違いないあのゾフィが必死に諌止してくれたのにと思うと、なおさらそんな気がします。

 …とはいうものの、彼の末路を読み、どこか同情も禁じ得ませんでした。

 ああ、やっぱり「知らんふり」されたのですね(哀)
返信する
すみません… (ナジュラスター)
2008-08-12 19:08:01
「て」が抜けています。
どうぞ補完してお読みになってください。
返信する
なるほど・・・ (真奈美)
2008-08-12 19:33:13
 ナポ3とハシゴというタイトルで、あぁあれね~とピンときました。他人事として見ればたいへん劇的な展開ではありますね。フランツ・ヨーゼフという人にもほんとは劇的要素はたっぷりなのに、周囲にヘンで華やかな人が多すぎて、物語としてはワリくってると思います(ここいらもアウグストゥスと共通・・・)。
 私のブログのコメントで『ハプスブルク~』の情報も得ていたので今日も書店で探したのですけど発見できずじまい。ほんとに「光文社新書」でよかったのかな、『本が好き!』にも広告出てなかったしな?と思いましたけど、予定が早まったと伺って納得しました。
返信する
Unknown (ナジュラスターさん&真奈美さんへ(kyoko))
2008-08-12 21:03:53
ナジュラスターさんへ
 中国の兵法ですね。戦争状態のときは、誰も信じられないってことかしら。。。人がよいと生き残れませんね。やっぱりマクシミリアンはどこか甘かったのでしょう。父親に似たのか、似なかったのか???

真奈美さんへ
 え~、まだ書店にないなんて、ショック!
 即日売り切れというなら嬉しいですけど。
 
返信する
はじめまして。 (もも)
2008-08-20 15:50:15
中野先生はじめまして。ももと申します。怖い絵に出会ってしばらくしたら、2も出ているではありませんか!2も興味深く読ませていただきました。最近は危険な世界史を読み終え、現在はハプスブルグ家12の物語を読んでいます!中野ワールドにはまってます!以前勝手に自分のブログで、怖い絵2を紹介させていただきました。勝手に紹介したことお詫びします。かなり昔、高校では日本史を選択しましたが、絵画が好きで(詳しくはありません)世界史を絵でみていくのって楽しいなぁ、と思っています!ヨーロッパの不衛生さは、学生時代に英語の教科書にチェンバーポットがなんとか…って書いていたなぁって思い出したり。話がそれました。読み終えたら感想を書きたいと思います。いきなりのコメント失礼しました。


ちなみに私の行った書店では残り1冊でした!買えて良かったです!


もも
返信する
Unknown (ももさんへ(kyoko))
2008-08-20 17:34:03
 次々読んでくださり、ありがとうございます、嬉しいです♪
 「怖い絵2」について書かれたブログも、よろしければぜひトラックバックしてください。他のみなさんにも読んでいただきたいです。どうぞよろしく!
返信する

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