浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「垂訓」

2024-05-01 23:57:33 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より


          第五章 心の曇りをとるための反省

     反省してはじめてわからせていただいた母親の愛

先の続き・・・

もし、羽があれば鳥のように飛んでいって、
土下座してでも母にお詫びをしたいという
気持ちが湧き上がってきました。
しかし、そうもまいりませんから、
山を下り家に帰り着くと、
すぐに電話させてもらいました。

電話の向こうで「もしもし」という
母のなつかしい声を聞いたとたんに、
心は幼な子に帰っていました。
私は子供の頃、母を「おかちゃん」
と呼んでいたのですが、電話で母の声を聞くと、
「おかちゃん、堪忍してや、堪忍してや」
と言ったまま、受話器を持って
ワンワン泣いてお詫びしていました。
母親の愛とはありがたいものです。



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「垂訓」

2024-05-01 00:11:56 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より


        第五章 心の曇りをとるための反省

    反省してはじめてわからせていただいた母親の愛


先の続き・・・

私のついた嘘を取り沙汰して善悪の理非を正すより、
母親の愛のほうが偉大であったとわかりました。
間違いを犯した時に叱って云い聞かせる厳しい
父性愛とは違って、
お母さんの愛というのは、
たとえ口では小言を言ったとしても、
赦しの心でやさしく包んでくれます。

煩悩を戒め、降魔の剣で厳しく断ち切ってくださる
忿怒相(怒りの表情)の不動明王に対して、
衆生の悩み苦しみの声を聞いて救ってくださる
ご慈愛深い観世音菩薩のような役割です。
その神様のような観音様のような
愛を持ったこの世でたった一人の母に対して、

私は嘘をついて畑に行かず遊びに行ってしまったうえに、
粗相をしでかして大怪我をし、親に心配をかけている。
七歳の当時のその自己の心と行いの姿を
よく見つめ直した時に、「ああ、本当に申し訳ないことをした。
お母さんの愛を裏切って幼い頃から
嘘をついてきた私をどうぞ赦してください!」と、
泣いて泣いてお詫びさせていただきました。

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