恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より
第四章 「思い変え」こそ幸せの扉を開ける鍵
◆人間は環境の中よりも思いの中で生きている◆
先の続き・・・
人間は環境の中に生きていると思っていますが、実は思いの中に生きているのです。
思いをいだく心は目には見えませんが、
形の世界である環境以上に幸不幸を左右する力を持っています。
人間の幸不幸を左右しているのは、環境のように見えますが、実際は思いです。
ところが、私たちはこの思いをなかなか自由自在にコントロールできません。
逆に思いに振り回されます。
その結果、環境に支配され、束縛されてしまいます。
本来は心のほうが手綱を握りコントロールの主人にならなくてはいけません。
本当は幸福な環境だとか不幸せな環境などというものはないのです。
恵まれた環境とか恵まれない環境というのはあります。
けれども、環境にかかわらず感謝できるか否かの違いが最終的には幸不幸を決定づけます。
感謝できれば幸せと感じ、感謝できなければ不幸せと感じます。
思いが幸せならば幸せであり、思いが不幸ならば不幸ということです。
当たり前と言えば当たり前ですが、どういう条件の下にあっても、
一定して心に幸せの思いを持ち続けることができるかどうかということになれば、
これは非常に難しいものです。
このことは、どなたでもご自分の人生を振り返ればおわかりかと思います。
いい時もわるい時もあったはずです。
景気によって商売が儲かって大喜びしたり、人に騙されて損をして悔しがったり、
子供の心が間違ったほうに向かないかと取越し苦労したり、子供の結婚が決まりほっとしたり、
転勤先の新たな生活に不安をいだいたり、事業の失敗によってと法に暮れたり、
近親者の死によって悲しみに暮れたりと、
まったく私たちの心をよぎる感情は環境や境遇の変化につれて天候のように移り変わります。
それは思いの中に生きなくてはならない人間の宿命です。
喜怒哀楽の感情があるのは自然です。
しかし、その感情からどれだけ自由になっていられるか。
とらわれる度合いが大きいほど、その時々の環境や境遇に支配された心によって、
私たちの人生もまた翻弄されていきます。
~ 感謝・合掌 ~