経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

やはり知財ビジネスの基本は人間が働くコツコツ系か

2009-06-19 | 知財業界
 以前のエントリで‘知財ビジネス’を、①人間が働くビジネス、②お金が働くビジネス、③仕組が働くビジネス、に分類してみたりしましたが、②に分類したJDC信託について、こんな記事が出ていました。顧客からの知財に投資するために預かったお金を自社の借金の返済に流用した、ってことですから、金融機関としてはまずあり得ない話で、これは殆ど致命的ともなりかねない印象です。そういえば、JDC信託の決算が大変だというエントリを書いたこともありましたが、要するに既に破綻状態にあったのを、信託財産を流用して繋いでいたということのようです。それにしても、民事再生となったiPBは主要サービスの営業権が譲渡されたようで、カテゴリ②のメインプレイヤーはいずれも大変なことになってしまいました。個別企業の問題といえばそれまでかもしれませんが、知財とお金はあまり相性がよくないのか・・・やっぱり、知財ビジネスの基本は人間が働くコツコツ系、ってことでしょうか。
 その一方で、大新聞にこんなアバウトなコラムがあったりして(「第一線で活躍している経済人、学者」が書かれているそうですが・・・)、変に期待を煽るような記事はもういいので、メディアには厳しい事実を含めた現状分析を期待したいものです。


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2 コメント

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Unknown (LM)
2009-06-23 01:39:39
マスコミに正しい現状分析を望むのは難しい世の中ですね。
知財部門と間接的に関わる仕事をしているのですが、先日、彼らが、先生ご指摘のアバウトなコラムを引用して「これからは知財だ!」とか価値創造というアドバルーンを揚げいてました。こちらからすれば、もういい加減にしろ...と思うのですが。
しかし、期待を煽る相手は、経営陣など知財部門以外だと思うのですが、結果的に知財関係者のみしか、あのようなコラムに反応しないというのは、一歩引いた立場から見ると寂しいというか哀れというか、(当社の)知財部門の数年先が想像できます。
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Unknown (土生)
2009-06-23 02:47:25
LM様

コメント有難うございます。
大企業の知財部の方などと話をしていると、(少々おこがましい言い方ですが)問題を的確に捉えて努力されている方が少なくないと思うのですが、多様な解決策を集約していくと、最終的には当たり障りのないキャッチフレーズだけが残ってしまい、それがまた誤解を生んでしまうということがあるようにも感じられます。
次のエントリにも書きましたが、根拠のない煽りに踊らされることなく、経営層や他部門にも認められる‘成果’を追求していきたいものです。
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