経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

実行すること

2006-09-06 | イベント・セミナー
 最近、社内セミナーの講師でお声掛けをいただくことが多くなっています。内容的には、特許制度などの実務的な解説ものより、特許業務をどうやって収益に結び付けていくかとか、特許業務に取り組むモチベーションをどうやって高めていくか、といった内容のリクエストをいただくことがほとんどです。
 そうした機会にお話をさせていただく骨子は、業種によって多少の違いはありますが、
■ 特許業務の目指すところは特許の世界の勝ち負けではなくて、最終的なビジネスの成果(業績)であること。
■ 事業会社なのだから、「特許で稼ぐ」のではなく、「事業で稼ぐ」のを「特許がサポートする」(=事業に役立つように「特許制度を利用する」)、と発想すべきであること。
■ よって、事業をサポートできると予想される出願はガンガンやるべきだし、事業との関連性が見えにくい出願は控えるべきであること(基礎研究の世界はちょっと別ですが)。
といったところです。こういうシナリオに、セミナーの時間に合わせて肉付けをしていくわけですが、考えてみれば、どのポイントも当たり前といえば当たり前の話ばかりです。「こうあるべき」と考えるところまではそんなに難しい話ではなく、実は一番たいへんなことは、それを現実に実行することなのだと思います。知財戦略に限らず、ビジネスにおいて勝負の分かれ目になるのは、「構想できるか」どうかではなく、「実行することができるかどうか」にかかっていることが多いのではないでしょうか。
 そういうことを考えると、セミナーで数時間話をして何ができるのか、と少々虚しく感じることもあるのですが、「実行する」ことをどうやって進めるかということを考えると、これは現場の一つ一つの具体的な場面での積み重ねを続けていくことしかありません。そうすると、現場の一つでも多くの場面でふとその発想を思い起こしていただけることがあるように、お聞きいただいた方に少しでも印象に残るメッセージを発せられるようなセミナーにすることが、社内セミナーの講師を務める者のミッションであるように思います。


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