経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

大変革・構造改革の本質

2007-12-07 | 書籍を読む
 「市場と法」を読んでいます。知財にはあまり関係ありませんが、社会常識として知っておいたほうがよさそうなテーマが盛り沢山で、まぁ読んでおいたほうがよい本ではないかと思います。
 ライブドア事件等にかかわった松尾前検事総長の話として、次のようなことが書かれています。

 「300年のスパンで歴史を振り返れば、今、日本社会で起きていることは明治維新以来の大変革ではないか。・・・(中略)・・・21世紀を迎え、我が国はもう一つ上のステージに向かわなければならない。新たなステージはいうまでもなく、国の保護政策を離れ、個人や企業が独りで歩き出すということ。構造改革の本質はここにある。社会の透明、公正なルールに基づく『弱肉強食社会』でなければならない。そこでは自由な競争は歓迎されるが、違反者に対しては厳しい制裁が下る。・・・(攻略)・・・」

 経済社会の中で活動する以上は、我々知財人もこの「大変革」と「構造改革の本質」を理解し、十分に意識しておかなければならないと思います。
 国の保護を離れ、自己責任が徹底されるということは、自らの商圏を保護する手段も自分で築いていかなければならない。それは出願件数を増やすという単純な話ではなく、規制緩和が進む環境下で、自らのポジションをどのように作っていくかという戦略が求められるものである。
 また、知財の分野では普通は検察が動くわけではなく事件として顕在化しているわけではないものの、市場において「ルールを守る」ことが様々な形でより厳しく問われることになる。「知的財産権」というツールも自ずと力を増していくはずであり、企業はこのツールを有効に活用できるかどうかが問われることになるはずである。
 といったことを、考えさせられました。


市場と法 いま何が起きているのか
三宅 伸吾
日経BP社

このアイテムの詳細を見る