経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

情報発信

2007-12-06 | 知財業界
 先日の弁理士会の知財コンサルティングに関する会員研修に、コンサルティングファームから参加いただいたパネリストの方が、コンサルティングビジネスの顧客獲得には「情報発信」が重要である、と指摘されていました。
 情報発信というと、我々の業界では、やれ法改正がどうした判例がどうしたといった専門知識に関するものがほとんどです。同業者間での情報収集としては有難いものですが、こういった情報発信で果たして顧客に訴求することができるのでしょうか。田坂広志氏の「これから何が起こるのか」では、顧客が専門家に真に求めているものは「知識」ではなく「智恵」である、と説明されていますが、顧客に訴求する情報提供とは、顧客の悩みに役立つ「智恵」に関するものだと思います。例えば、
■単に独占権云々の原則論ではなく、特許の経営への実質的な効果をどのように考えればいいのか?
■特許出願への協力を仰ぐために忙しい発明者をどうやって動機付ければいいのか?
■研究・事業・知財の三位一体は「べき」論としてはわかるけど、実際どういう仕組みにすれば一体になっていくのか?
といった顧客の悩みに対して、説得力のある仮説を提示することができないか。それも、どこかからもってきたもっともらしい言葉を躍らせたものではなく、自ら考え抜いたことを自分の言葉で綴ったものとして。なかなか見かけることがないですが、これをやっていかないと知財コンサルティングを実践する場はなかなかめぐってこないと思います。

これから何が起こるのか

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