経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

NEO

2007-12-19 | 知的財産と投資
 JASDAQの新市場NEOについて、詳しいご説明を伺う機会がありました。新興市場のJASDAQにさらに新興企業向けのマーケットって、どんどんアーリーステージの企業に対象を広げていくのかなと思っていたのですが(上場第1号の企業をみるとそうでもなさそうなのでますます疑問に思っていたのですが)、しっかりと話をお聞きすると、従来の価値基準とはちょっと違う、基本的な設計思想の異なる市場であるということがよくわかりました。要すれば、単に実績数値や成長ステージで切るというのではなく、企業の志向として「継続性・収益性」と「成長性」のいずれを重視するかが、JASDAQとNEOのいずれの市場を選ぶかの基準になるとのことです。従って、NEOでは過去の実績を重視するというよりは、将来に向けての事業計画とその進捗状況の開示を重視する制度設計になっています。上場企業自身が3ヵ年分の事業計画を数字で開示するとのことで、これは相当画期的なことだと思いますが(上場企業にとっては計画を達成することが相当なプレッシャーになりそうですが)、投資家と上場企業の間にこれまでとはちょっと違った緊張感を生む市場ということになりそうです(勿論、コンセプトどおりの企業が上場し、制度が当初の目的どおりに運営されていくことが前提になりますが)。
 NEOへの上場申請には「技術説明資料」の提出が求められるとのことですが、そこでは成長ドライバーとなる新技術の内容に加えて、事業家の状況、市場性などの説明が求められるとのことです。単に技術の価値だけでなく、市場における競争環境とその中での優位性を示すシナリオが求められるので、特許が有効な事業形態であれば成長シナリオの中で特許に関する情報開示が重要になってくる可能性もありそうです。