経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

紙と鉄

2007-03-08 | 新聞・雑誌記事を読む
 本日の日経金融に、製紙業界が苦戦しているという記事が掲載されています。製紙業も鉄鋼、化学等と同じ素材産業の「練り物」系に属すると思いますが、絶好調の鉄鋼等と一体どこに違いがあるのでしょうか。

 日本の鉄鋼メーカーの場合、業界再編で集約が進んだということもありますが、やはり好調の最大の要因は、中国をはじめとする需要の急増と、高級鋼の分野での圧倒的な技術力にあるものと思われます。
 では、日本の製紙メーカーはどうなのか。以前に新聞社の方に聞いた話によると、高速・大量の印刷に耐え得る高品質の紙を作れるのは日本の製紙メーカーくらいしかないそうで、技術的には明らかに違うそうです。紙も練り物系なので、おそらくこの種の技術のキャッチアップは容易ではないでしょう。そうすると、問題はもう一方の需給面にありそうです。中国やインドで建築用鋼材等の需要は急増している一方で、紙の需要に大きな増加傾向は見られないということなのでしょうか。かつて中国を旅行したときの記憶では、駅やなんかで新聞を読んでいる人を殆ど見かけなかったのですが(10年近く行っていないので今はわかりませんが)、誰もが新聞や雑誌を読むような状況になる頃は、日本の製紙メーカーが大ブレイクということになっているのかもしれません。