経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

手元資金を「技術・知的財産」に活用する

2007-01-11 | 新聞・雑誌記事を読む
 昨日、松下電器が発表した中期経営計画に関する記事の中で、こんな件を見つけました。
 松下は手元資金が豊富で(最新の四季報によると1兆6,000億円以上)、その使い道がかねてより課題となっているそうです。この課題について、昨日の中期経営計画発表の席では、
「株主還元や技術・知的財産、M&Aに活用する」
と説明されたそうです。
 「研究開発に投資する」ではなく、「技術・知的財産に活用する」であるところに目が行きました。この文脈からは、優れた技術さえ開発すればよいというのではなく、権利化が可能な技術のストックを増やしていこうという意図が読み取れます。「研究開発」ではなく「知的財産」である意味をそのように理解していいのか、もしどこかの時点から「知的財産」と説明するようになったのであれば、例えば、研究開発投資の判断基準にも変化が生じたのか、興味のあるところです。一方で、大手電機メーカーはどこも特許出願の件数を大幅に減らしていると言われていますが、一見矛盾しそうなこの点なども、ちょっと突っ込んでみたくなるところです。