水曜に新宿で見て来ました。
全国ロードショーな作品ばかり見てきたので(これも一応全国ロードショーだけど)、普段見ないような予告ばかり見られて新鮮でした。
ちょっと見てみたくなったのは韓国映画「トンマッコルへようこそ」。ちょっと「ククーシュカ」みたいな話だなと思いましたが(見てないけど)、韓国?の田舎の自然の美しさがいいなあと。そして、シン・ハギョンが出てたので。ちょっと好きなんだなああの人(笑)
あと、予告が上手いなあと思ったのは「フラガール」。南海キャンディーズのしずちゃんがジャージ姿でひたすらフラダンスしている映像の後、「ご安心ください。彼女は立派なフラガールになっています」というコピーが出る予告でした(笑)
さて本編の話です。
久々に映画観て泣きました。「スタンドアップ」以来か(笑)目が腫れるくらい泣きはらしてしまってちょっと恥ずかしかった・・・(笑)
邦題の「僕の大事なコレクション」、まあ仕方ないのかなと思っていたのですが、実際本編を見たら、やはりかなりハズしてるなあ、という印象でした(汗)
ここからネタバレです。かなり重大なネタバレを含みますが、伏字は使いませんので、これからご覧になる方は決して読まれませんように。
3人と一匹を乗せた車がどんどん人里離れて行くにつれ、少しずつ少しずつ、過去の中へというか、夢の中で入って行くかのような世界観?が好きだなと思いました。
最後にジョナサンがアメリカに帰ってきた時に、旅の間に出会った人々が違う姿で空港にいて・・・というのも、夢から覚めたような雰囲気で、好きだなあと思いましたね。
ユーラシア大陸北部の自然の美しさにも不思議な郷愁を感じました。実際にはプラハで撮影したそうですが。
旧ソ連圏には行ったことがありませんが(モスクワで乗り継ぎはしたけれど)、ウランバートルとかウルムチとか、北京なんかにも似たような雰囲気はあったなあと、懐かしく思いました。
レストランやホテルの殺風景でわびしい感じも、愛想がないのを通り越して怖いレストランのおばさんも(笑)
面白いなと思ったのは、日本人の私としは、異文化で経済的に格差もある異国にいるアメリカ人のジョナサンにも、アメリカに行ったことはないのに妙な誤解で憧れているアレックス(孫)にも共感するところがあるなあ、と感じたことです。普通のアメリカ人が見たらどう感じるのでしょうか?
ジョナサンにとってはオデッサも夢の中に入ったようなところだったと思いますが、次第に知らない土地に人里離れて行くアレックスたちもまた、夢の中、過去の中に入って行き、その中で静かに生まれていく3人の絆が、美しい自然とともに静かに心に染みました。
ホテルの部屋で電気が消えて真っ暗になったあと、それまで憎まれ口を叩いていた祖父アレックスが「あれはいい男だ。力になってやらねば」というシーンなんかじわっと来てしまいました。
またサミー・ディヴィス・Jr.Jr.がこの3人の緩衝役として効いてましたね。とにかくかわいいし(笑)動物のかわいさに頼る使い方は好きじゃないけど、この作品では重要な存在だったなと思います。
最後に犬嫌いだったジョナサンがJr.Jr.にキスして「お前と一緒にいられて楽しかったよ」なんて言っていたのもなけました。ってこのあたりは既にボロ泣きだったのですが(笑)
静かに夢の中に入って行くように、静かに過去の扉が開いて行き、その先には、思いもかけない過酷な過去の真実が待っていました。
それでも、その辛い過去も、Illuminated=照らし出され、明らかにされるという意味だけでなく、どこか肯定的に、明るく彩るという意味も含んでいるように感じました。
そのことが、ユダヤ人の迫害というシビアな題材を扱っていて、決して目を逸らしてはいないのに、むしろ人間的な暖かさを感じるような描き方につながっているのかなと思ったりしました。
原作者は主人公と同じ名前の、ジョナサン・サフラン・フォア、1977年生まれの若い人だと知って納得。実際には戦争もホロコーストも体験していない世代の、それでも自分の祖先にあったことを知りたい、受け止めたい、という気持ちが結実したような物語だと思いました。これは、戦争を体験していない世代の日本人である自分の気持ちともしっくり来るように思いました。
ジョナサンのものを集めるという行為。「忘れてしまうのが怖いんだ」というジョナサンが物を「取っておく」のは、その一瞬一瞬を愛しているからなのだなと思いました。ポテトを床に落として食べられなかったことも、子供に悪戯でタイヤの空気を抜かれたことも。
その同じ行為を、アウグスティーネの姉(名前出てこなかったですよね?)は、より重い意味でやっていました。彼女の行為を見ることで、ジョナサンの一見滑稽で奇妙な行為の意味が明らかになるのも心に染みました。
終盤、「万一のために」の箱をジョナサンが渡されるあたりから、ほぼジョナサンと同じタイミングで泣き始め(笑)そのまま最後までかなり泣いてしまいました。
「指輪が呼び寄せた」というあたりのアウグスティーネの姉の解釈は、現代に生きる若い世代のユダヤ人の解釈だなあ、なんて風にも思えました。過去の真実を見つめ、その真実を今の自分、未来につなげるというような明るい解釈に思えて。
イライジャ・ウッド演じるジョナサンは、ずっと表情に乏しい静かなキャラクターですが、そのせいか最後にアレックス(孫)に「ジョンフェン!」と呼ばれて微笑むところでグッと来てしまいました。
祖父の墓にブロド川の土をかけながら微笑むところも・・・この旅でのジョナサンの成長も感じさせました。イライジャの演技力ですよね~。
しかし、字幕では途中からアレックス(孫)は普通に「ジョナサン」と呼んでいましたが、私にはずっと「ジョンフェン」に聞えたのですが・・・気のせい?
アレックス(孫)役の人は実際にウクライナを亡命して来た人で、現在はアメリカでミュージシャンをやっているそうですが、軽くていい加減なようでいて実は暖かい人柄なキャラクターがとてもぴったりで、良かったです。
そして祖父アレックスがサングラスを外すと泣きそうな表情なのがたまらんなあと思っていましたが、あの寂しそうな笑顔のまま逝ってしまうなんて・・・
祖父アレックスの死は衝撃でしたが・・・その死の理由ははっきりとは理解できませんが、その静かな死に顔と、しずかにそばにたたずむ孫アレックスの姿も心に染みました。
最後に、祖父アレックスの墓の前で座り込むサミー・ディヴィス・Jr.Jr.、明るくじゃれ合いながら走って行くアレックス(孫)と弟とJr.Jr.、その静かで明るいラストも良かったです。直前のジョナサンの祖父の墓のシーンとの対比も良かったですね。
最後まで見てから、あらためて前の方のシーンを見ると色々と思うところが違うんだろうなあ。また見てみたいような気も・・・
色々と謎もあるのですが。祖父アレックスは自分がユダヤ人だということは隠していたようなのに、なぜ一家はユダヤ人の人探しをしていたのか。父アレックスは祖父アレックスの過去を知っていたのか、とか。
原作では映画と色々と設定が違うところもあるそうで、読んでみようかなあと思いました。
とにかく、じんわりと心に染みる素敵な作品でした。
というわけで今年見た映画の順位。
1.ナルニア国物語第一章ライオンと魔女/2.ロード・オブ・ウォー / 3.僕の大事なコレクション / 4.スタンドアップ / 5. ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス /6.キングコング / 7.ハリーポッターと炎のゴブレット / 8.V・フォー・ヴェンデッタ / 9.DOOM / 10.プロデューサーズ / 11.PROMISE / 12.フライトプラン
良かったんだけどロード・オブ・ウォーより下に・・・ロード・オブ・ウォーそんなに良かったのか!? 自分の記憶に自信がありません・・・(汗)
全国ロードショーな作品ばかり見てきたので(これも一応全国ロードショーだけど)、普段見ないような予告ばかり見られて新鮮でした。
ちょっと見てみたくなったのは韓国映画「トンマッコルへようこそ」。ちょっと「ククーシュカ」みたいな話だなと思いましたが(見てないけど)、韓国?の田舎の自然の美しさがいいなあと。そして、シン・ハギョンが出てたので。ちょっと好きなんだなああの人(笑)
あと、予告が上手いなあと思ったのは「フラガール」。南海キャンディーズのしずちゃんがジャージ姿でひたすらフラダンスしている映像の後、「ご安心ください。彼女は立派なフラガールになっています」というコピーが出る予告でした(笑)
さて本編の話です。
久々に映画観て泣きました。「スタンドアップ」以来か(笑)目が腫れるくらい泣きはらしてしまってちょっと恥ずかしかった・・・(笑)
邦題の「僕の大事なコレクション」、まあ仕方ないのかなと思っていたのですが、実際本編を見たら、やはりかなりハズしてるなあ、という印象でした(汗)
ここからネタバレです。かなり重大なネタバレを含みますが、伏字は使いませんので、これからご覧になる方は決して読まれませんように。
3人と一匹を乗せた車がどんどん人里離れて行くにつれ、少しずつ少しずつ、過去の中へというか、夢の中で入って行くかのような世界観?が好きだなと思いました。
最後にジョナサンがアメリカに帰ってきた時に、旅の間に出会った人々が違う姿で空港にいて・・・というのも、夢から覚めたような雰囲気で、好きだなあと思いましたね。
ユーラシア大陸北部の自然の美しさにも不思議な郷愁を感じました。実際にはプラハで撮影したそうですが。
旧ソ連圏には行ったことがありませんが(モスクワで乗り継ぎはしたけれど)、ウランバートルとかウルムチとか、北京なんかにも似たような雰囲気はあったなあと、懐かしく思いました。
レストランやホテルの殺風景でわびしい感じも、愛想がないのを通り越して怖いレストランのおばさんも(笑)
面白いなと思ったのは、日本人の私としは、異文化で経済的に格差もある異国にいるアメリカ人のジョナサンにも、アメリカに行ったことはないのに妙な誤解で憧れているアレックス(孫)にも共感するところがあるなあ、と感じたことです。普通のアメリカ人が見たらどう感じるのでしょうか?
ジョナサンにとってはオデッサも夢の中に入ったようなところだったと思いますが、次第に知らない土地に人里離れて行くアレックスたちもまた、夢の中、過去の中に入って行き、その中で静かに生まれていく3人の絆が、美しい自然とともに静かに心に染みました。
ホテルの部屋で電気が消えて真っ暗になったあと、それまで憎まれ口を叩いていた祖父アレックスが「あれはいい男だ。力になってやらねば」というシーンなんかじわっと来てしまいました。
またサミー・ディヴィス・Jr.Jr.がこの3人の緩衝役として効いてましたね。とにかくかわいいし(笑)動物のかわいさに頼る使い方は好きじゃないけど、この作品では重要な存在だったなと思います。
最後に犬嫌いだったジョナサンがJr.Jr.にキスして「お前と一緒にいられて楽しかったよ」なんて言っていたのもなけました。ってこのあたりは既にボロ泣きだったのですが(笑)
静かに夢の中に入って行くように、静かに過去の扉が開いて行き、その先には、思いもかけない過酷な過去の真実が待っていました。
それでも、その辛い過去も、Illuminated=照らし出され、明らかにされるという意味だけでなく、どこか肯定的に、明るく彩るという意味も含んでいるように感じました。
そのことが、ユダヤ人の迫害というシビアな題材を扱っていて、決して目を逸らしてはいないのに、むしろ人間的な暖かさを感じるような描き方につながっているのかなと思ったりしました。
原作者は主人公と同じ名前の、ジョナサン・サフラン・フォア、1977年生まれの若い人だと知って納得。実際には戦争もホロコーストも体験していない世代の、それでも自分の祖先にあったことを知りたい、受け止めたい、という気持ちが結実したような物語だと思いました。これは、戦争を体験していない世代の日本人である自分の気持ちともしっくり来るように思いました。
ジョナサンのものを集めるという行為。「忘れてしまうのが怖いんだ」というジョナサンが物を「取っておく」のは、その一瞬一瞬を愛しているからなのだなと思いました。ポテトを床に落として食べられなかったことも、子供に悪戯でタイヤの空気を抜かれたことも。
その同じ行為を、アウグスティーネの姉(名前出てこなかったですよね?)は、より重い意味でやっていました。彼女の行為を見ることで、ジョナサンの一見滑稽で奇妙な行為の意味が明らかになるのも心に染みました。
終盤、「万一のために」の箱をジョナサンが渡されるあたりから、ほぼジョナサンと同じタイミングで泣き始め(笑)そのまま最後までかなり泣いてしまいました。
「指輪が呼び寄せた」というあたりのアウグスティーネの姉の解釈は、現代に生きる若い世代のユダヤ人の解釈だなあ、なんて風にも思えました。過去の真実を見つめ、その真実を今の自分、未来につなげるというような明るい解釈に思えて。
イライジャ・ウッド演じるジョナサンは、ずっと表情に乏しい静かなキャラクターですが、そのせいか最後にアレックス(孫)に「ジョンフェン!」と呼ばれて微笑むところでグッと来てしまいました。
祖父の墓にブロド川の土をかけながら微笑むところも・・・この旅でのジョナサンの成長も感じさせました。イライジャの演技力ですよね~。
しかし、字幕では途中からアレックス(孫)は普通に「ジョナサン」と呼んでいましたが、私にはずっと「ジョンフェン」に聞えたのですが・・・気のせい?
アレックス(孫)役の人は実際にウクライナを亡命して来た人で、現在はアメリカでミュージシャンをやっているそうですが、軽くていい加減なようでいて実は暖かい人柄なキャラクターがとてもぴったりで、良かったです。
そして祖父アレックスがサングラスを外すと泣きそうな表情なのがたまらんなあと思っていましたが、あの寂しそうな笑顔のまま逝ってしまうなんて・・・
祖父アレックスの死は衝撃でしたが・・・その死の理由ははっきりとは理解できませんが、その静かな死に顔と、しずかにそばにたたずむ孫アレックスの姿も心に染みました。
最後に、祖父アレックスの墓の前で座り込むサミー・ディヴィス・Jr.Jr.、明るくじゃれ合いながら走って行くアレックス(孫)と弟とJr.Jr.、その静かで明るいラストも良かったです。直前のジョナサンの祖父の墓のシーンとの対比も良かったですね。
最後まで見てから、あらためて前の方のシーンを見ると色々と思うところが違うんだろうなあ。また見てみたいような気も・・・
色々と謎もあるのですが。祖父アレックスは自分がユダヤ人だということは隠していたようなのに、なぜ一家はユダヤ人の人探しをしていたのか。父アレックスは祖父アレックスの過去を知っていたのか、とか。
原作では映画と色々と設定が違うところもあるそうで、読んでみようかなあと思いました。
とにかく、じんわりと心に染みる素敵な作品でした。
というわけで今年見た映画の順位。
1.ナルニア国物語第一章ライオンと魔女/2.ロード・オブ・ウォー / 3.僕の大事なコレクション / 4.スタンドアップ / 5. ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス /6.キングコング / 7.ハリーポッターと炎のゴブレット / 8.V・フォー・ヴェンデッタ / 9.DOOM / 10.プロデューサーズ / 11.PROMISE / 12.フライトプラン
良かったんだけどロード・オブ・ウォーより下に・・・ロード・オブ・ウォーそんなに良かったのか!? 自分の記憶に自信がありません・・・(汗)