きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

消費者庁の駆け込み発足

2009-08-12 11:13:41 | Weblog
消費者庁の駆け込み発足       (009.08.12.)

政府は10日の事務次官会議で、消費者庁と消費者委員会を9月1日に発足させる政令を決め、11日午前の閣議で正式に決定した。
そして、初代消費者庁長官に元内閣府次官の内田俊一氏(60)を、消費者委員会委員長に弁護士の住田裕子氏の就任を決めている。

問題は、何故今、政権交代が行われるかも知れないと言うこの時期に駆け込みで政令を決定し選挙の終わったすぐ後の9月1日に発足させると言う事は常識では考えられない。

消費者庁については、消費者の為の苦情の窓口で、各省庁夫々にまたがる消費者の苦情の処理が遅れたり、対応の不徹底等が多分に消費者に被害を与えている事に対応するものである。

中国製冷凍ギョーザ事件では、保険所や自治体などから、厚生労働省への連絡不十分が被害の拡大を生じた事。
また、農林水産省が汚染米の処理で、内部告発を受けていながら不正を見逃し、立ち入り検査も検査を事前に連絡して調査するなど、業界に甘いチェックしか出来なかった事は、官業の癒着構造が厳しく消費者団体から指摘されているところである。

従って、今回の発足に対して従来の業界よりの姿勢では、国民の期待に応える事は出来ないと、人事問題に付いても、民主党なりの対応を考えて居た様だが、早々と現政権の内に発足させようとした事や、幹部人事についても官僚OBを充てることで、従来型の主導権を握ろうとしている事に反発している。

無論消費者団体も強い反発を示しているが、民主党の仙谷由人(人権・消費者調査会長)は「政権を取れば、全面的に見直す」と述べている。

国民の期待は消費者庁の発足によって、食品の被害ばかりでなく、薬品被害・保険金の不払い・エレベーター事故等々で、消費者の立場で素早い的確な処置が取れることを期待するもので。
政府はもちろん、地方自治体についても今迄以上の意識改革が必要であると思います。

それにしても、野党や消費者団体から、新政権が決まってから、消費者庁の発足を望んでいたが、現与党は駆け込みで、発足を強行する意図は常識では考えられない現政権の異常差を感じざるを得ません。
(えびなたろう)