きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

自民党の癌は族議員の存在

2009-08-02 15:01:49 | Weblog
自民党の癌は族議員の存在     (009.08.02.)

政党の中で、族議員と言うのが存在するのは、自民党だけである。この存在は最初からあったわけではない、自民党と言う政権政を握った政党が半世紀以上も続いている中で、行政側の議員が執行側の官僚と結びついて、国が行う権益を欲しいままにし、コントロールする国会議員を族議員と呼んでいる。

自民党政権は、総裁が総理になって、政治を行うのであるが、行う内容に付いて与党議員の協力や賛同を得ないと議会の運営がスムースに行かないから、先ず政権与党内での根回しが必要である。従って、総理と言えども党の幹事長の同意は絶対に必要であり、幹事長の意見は与党内意見の調整によって成されるから、党内支配を握っている族議員グループの意見は即行政の内容にまで係わってくる支配勢力である。

族議員と言うのも、農林族・厚生族・国土交通族・文教族・防衛族・郵政族・外交族等々各省庁の権益別に存在し、其の権益に付随して口利き議員として其の存在を示している。

彼らは、属する権益に関する執行上の便益を官僚に図り、官僚は法律上の便益を図って貰う馴れ合いによって結びつき、民間業者へは利益供与を与える事で、族議員は、選挙の時の後援者に、官僚は仕事上の業績アップに、民間業者は、利益の享受に夫々預かる構図を形成しているのである。

特に国土交通省のダム建設問題や道路建設問題などは公共工事の金額が多額であるだけに、国民の為と言う前に建設業者や、地域の政治家の口利きに寄るものが多く、税金の無駄使いの代表に上がっているところである。

この様な行政をめぐる、裏側の利権の構造が、族議員によって、捻じ曲げられる事が、自民党には避けられない問題で、選挙時に於けるマニフェストで公約しても実行されない構造になっている。

本日のテレビでも天下りや渡りの禁止は、32年も前に福田赳夫総理時代から叫ばれていた事が未だに実行されていない。

また、今回の自民党のマニフェストにも「天下り斡旋の禁止」と書かれているが、現に先月の28日に国交省の元次官が天下りしている、しかし国交省は「斡旋はしていない」と言っている、天下りした法人側に聞いても「斡旋は依頼していない」と言っている。両者とも「斡旋に付いては拒否している」が今までの実態が、歴代次官が天下りしている事は、慣例に従って自動的に行われて来ている。
この違いは、「天下りの禁止」と「天下り斡旋の禁止」の違いで、自民党のマニフェストには、たしかに、「天下り斡旋の禁止」と書かれている。

「天下り」は許すが「斡旋」はしないと言うだけのもので、「禁止」の文字は「斡旋」に掛かるだけで「天下り」は100%素通りを認めている事になるのだ。官僚の作る骨抜き文書この様なものである。
要するに自民党には族議員の存在がある限り全ては中央官僚の権益に手を付ける改革は出来ない政党であることを銘記すべきである。
(えびなたろう)