なにか大きな事故などが起こると、その方面の専門家が、かならず説明してくれる。
こんなことを研究している人がいるんだ、と世の中の広さを実感する。
もう忘れてしまったが、電車の事故のとき、事故原因の可能性を細部にわたって説明していたひとがいた。
外国の出来事も、その国の専門家へのインタビューがある。
ペルーがマスコミにのったとき、知り合いのペルーの研究者がテレビに出ていた。
風邪をひいて、夕べは早くベッドに入ったが、眠れるわけもないので、本を読んだ。
井沢式「日本史入門」だ。
日本史の基礎知識がないが、この本は知識がない人向けに書かれている。
読みやすく、理解し易い。
森鴎外は、いままでただ一人 諡号(シゴウ)を研究した人だ、と知った。医者で、小説家ていどのことしか知らなかったが、
もっと驚いたのは、たった一人の研究者だった、ということだ。
諡号とは天皇陛下がなくなった場合に、つけるおくりな。明治以降はそのまま年号が
諡号となっているが、それまでは学者たちが集まって、生前の業績にふさわしい名をおくることになっていた。
天皇陛下の諡号ならもっと多くの研究者がいてもおかしくはないが、
研究者は森鴎外一人というのが、不思議な気がする。
井沢式日本史入門では、鴎外の研究を元に、
天智天皇と天武天皇の考察をしている。
おもしろかったし、読んでいると、本当だろうなと納得もいく。
友人の一人に仏教を研究している男がいる。
仏教といっても幅がありすぎるが、サンスクリット語から中国語に翻訳した鳩摩羅什の弟子の一人、竺道生(ジク ドウショウ)を研究している。
友人が、博士号を取得する際、その論文をペルーまでわざわざ送ってくれて、それを読ませてもらった。
分厚い本だったが、学問というのは、大変なものだなと思った。
幸い首尾よく博士号をそれによって獲得した。
他に竺道生を研究している人はいないので、このことでは世界で1番になる。