近所のスーパーは毎日万引きがあるという。話を知人から聞いた。
このスーパーは、万引きGメンを常駐させているわけではなく、ときどき頼んで検挙してもらっているらしい。
Gメンは若い女性であったり、年寄りの男性であったり、さまざまだという。
この前は一日で5、6人が捕まって、交番からそのたびにお巡りさんがきて、
面倒くさくなったお巡りさんがスーパーで見張りをしたそうだ。
テレビで時々万引き特集をやっているが、仕方なしに万引きをした、という事情ではなく、どうも癖というか、習慣というかなんというか警察の厄介になることや恥だということをよく理解したうえで、やっているように思える。
お店の人が叱って、諄々と説明をしているが、そんなことはよ~~く分かっているらしく、うなだれて聞いている。
ペルーで経験したことは、経済的に困っていない人でも、「そこ」に物があれば自然と手が出る文化ということだった。おそらく、そうでもしないと生きるのが難しい環境だったのだろうと思う。
インカの時代から「盗むな」ということが言われているし、ペルーという国を盗んだのはスペイン人だ。
もちろん盗みは犯罪だということもよく理解しているが、「そこ」にあるものがボールペンでももっていくし、
仮に借りたとしても、返さない。借りることはもらうことと同義語でもある。だからなのか、スペイン語には借りるの反対語が存在しない。
こんなところから、ドロボーに入られても警察から、
「盗まれる側が悪い」
ということになる。
生きる環境が難しくなると、そうならざるを得ない。
友人がアメリカに駐在し、いきなりドロボーに入られた。すぐ警察に訴えると、件の言葉をポリスから言われたと、昔話してくれた。
盗む方が悪いのか、盗まれる方がバカなのか、どうも社会環境できまるようだが、
普通に生きている人にとっては、盗む方が悪いに決まっている社会であってほしいと願うが、
いつまでも続くとは限らないような気がする