2016年12月19日(月) 時差ぼけと生物時計
先だって、当ブログの、アメリカ合衆国に関する下記記事、
アメリカ合衆国 1 (2016/11/29)
で、世界やアメリカの時間帯について触れたところだ。
本稿は、その延長上の余談であるが、時間帯をまたがって移動した場合の、「時差ぼけ」と「生物時計」について取り上げている。
○ 時差ボケ
時差ぼけは、英語では、jet lag と言うようだ。まさに、ジェット旅客機に乗って、短時間内に時間帯をまたがって移動すると、 体内の生物時計との間で時間ずれ(lag)が生じ、時差ボケの症状が出ることとなる。
時差ぼけは、これまで、筆者も、何度か体験している。数日から3週間くらいの間、スイスやドイツに滞在する出張旅行等が多かったのだが、症状としては
・目まいがし、吐きたいような気分になる
・夜中に突然目が覚めたり、日中に睡魔に襲われる
・ボーっとして頭が重い
・胃が重く食欲がない
などで、立派な疾患(時差症候群、非同期症候群)と言われている。(一刻も早く治したい!時差ぼけに効果的な5つの解消方法 )
特に旅行初期の頃は、現地到着後、1週間ほどは不快で、やむを得ず、ホテルに着いてから、しばらく寝たこともある。モスクワ経由で、現地の夕刻に到着する便の場合はまだいいのだが、アンカレッジ経由で、現地の午前に到着する場合は、かなり辛い思いをした。徹夜で麻雀をやった時とは異なる辛さだろうか。
そして、漸く現地に慣れて体調が戻ったと思った頃に、帰国となり、またまた、時差ボケである。でも、アウェイの往路に比べて、日本に帰る復路の方が、症状が軽かったのは、勝手の知ったホームで、家族等が待っているせいだろうか。
又、1人旅の時に比べて、グループとして大勢で欧米を回った時や、夫婦で北米を旅行した時は、余り時差ぼけを感じなかったのは、納得がいくところで、精神的な要因も関係するように思われる。
殆ど時差のないオーストラリアに行った時は、身体的な疲れはあるものの、時差ボケの無い快適な旅であった。
○ 生物時計
人体の頭部には、生物時計(biological clock 体内時計とも)と呼ぶ部位があるようだ。下図のように、視交叉上核という場所に、その中核があるという。(図はネット画像)
生物時計は、人間だけでなく、通常の動植物一般に備わっているようだ。
身体のリズムは、日照に反応するのが基本と言われ、日が昇って明るくなると活動的になり、日が沈んで暗くなると、休息・睡眠となる。
光を感知する目の網膜からの信号で、生物時計が調整され、ほぼ24時間周期の、概日リズム(circadian rhythm)が保たれているようだ。
不規則な生活や不眠症などから、このリズムが崩れると、下図のように体内の各部が不具合となり疾患につながるという。(不眠と生活習慣病 | 体内時計.jp)
現代社会では、照明で夜も明るく、コンビニなど、24時間営業等もあり、深夜放送も多く、生活のリズムは乱れがちだ。日勤と夜勤を逆転して勤務する職業等もある。
最近では、生物時計の仕組みについての研究が進められているようで、先だってのニュースでは、24時間周期の変化の要因が、遺伝子レベルで、解明されたという。 人体の基本にかかわる先端分野であろうか(体内時計が生理機能リズムを生み出すにはRNA編集酵素ADAR2が必要)。