細川ガラシャ夫人は、聖女、賢女、才女、絶世の美女といわれ、小説や日本画の題材にもなっている。戦国大名・細川忠興の正室で、悲劇的な最期を迎えたことは知っていたが、私は、彼女がバテレン禁止令が出されたのに信仰を捨てなかったので、非業の死を迎えたとばかり勝手に思っていたが…違うんだ!!!
『関ヶ原の戦い』の時に、細川家は徳川方についたが、石田光成方が細川家を自分たちの陣営に引き入れようと、夫人を人質にするため居城を襲った。守兵も少なく、もはやこれまでと悟った夫人は、キリスト教徒なので自害できないから、家臣に命じて自分を殺させたらしい。
本当にドラマティックな最期ですなぁ。
で、この糸という女性は、細川ガラシャ夫人の侍女というか小間使い? 糸の目から見た、夫人の最後の日々を書いている、という設定。それが「そうろう文」なので、読みにくいったらありゃしない。しかし短編だし、芥川の底意地悪い文章があまりにも面白くて、ついつい最後まで読んでしまう。
夫人は美女ということになっているが、糸から見ると(つまり芥川が考えるに)さほどでもない。でもお世辞が大好きで、「二十歳くらいにしか見えません」という客とは何時間もおしゃべりする。
ラテン語の読み書きができる才女ということになっているが、お祈りを唱えても「のす、のす」としか聞こえず、侍女たちが笑いをこらえるのに必死だった。
聖母マリアのように慈悲深く優しい人ということになっているが、気に入らない侍女の事を「あの人はイソップ物語の〇〇のようだ」と悪口を言う。
敵が攻めてきたとき、まず侍女や使用人たちを逃がしたということになっているが、皆、一目散に散り散りに逃げ出したのが本当。一緒に死ぬことになっていた夫人の長男の奥方(つまりお嫁さん)が逃げ出したのが、後で大問題になり長男は家督を継げなかったとか。当たり前じゃん、常に化粧が濃いと文句を言ってくる姑に殉死するなんて、冗談じゃない!
こういった様々な内実が、面白おかしく書かれている。本当に底意地の悪い人だ。芥川龍之介は。
P.S. 細川ガラシャ夫人って、明智光秀の娘なんだってね。実際、賢い人だったんだろう。本能寺の変の後は、謀反人の娘ってことで大変だったろうなぁ。だからキリスト教に傾倒したのかな。
『関ヶ原の戦い』の時に、細川家は徳川方についたが、石田光成方が細川家を自分たちの陣営に引き入れようと、夫人を人質にするため居城を襲った。守兵も少なく、もはやこれまでと悟った夫人は、キリスト教徒なので自害できないから、家臣に命じて自分を殺させたらしい。
本当にドラマティックな最期ですなぁ。
で、この糸という女性は、細川ガラシャ夫人の侍女というか小間使い? 糸の目から見た、夫人の最後の日々を書いている、という設定。それが「そうろう文」なので、読みにくいったらありゃしない。しかし短編だし、芥川の底意地悪い文章があまりにも面白くて、ついつい最後まで読んでしまう。
夫人は美女ということになっているが、糸から見ると(つまり芥川が考えるに)さほどでもない。でもお世辞が大好きで、「二十歳くらいにしか見えません」という客とは何時間もおしゃべりする。
ラテン語の読み書きができる才女ということになっているが、お祈りを唱えても「のす、のす」としか聞こえず、侍女たちが笑いをこらえるのに必死だった。
聖母マリアのように慈悲深く優しい人ということになっているが、気に入らない侍女の事を「あの人はイソップ物語の〇〇のようだ」と悪口を言う。
敵が攻めてきたとき、まず侍女や使用人たちを逃がしたということになっているが、皆、一目散に散り散りに逃げ出したのが本当。一緒に死ぬことになっていた夫人の長男の奥方(つまりお嫁さん)が逃げ出したのが、後で大問題になり長男は家督を継げなかったとか。当たり前じゃん、常に化粧が濃いと文句を言ってくる姑に殉死するなんて、冗談じゃない!
こういった様々な内実が、面白おかしく書かれている。本当に底意地の悪い人だ。芥川龍之介は。
P.S. 細川ガラシャ夫人って、明智光秀の娘なんだってね。実際、賢い人だったんだろう。本能寺の変の後は、謀反人の娘ってことで大変だったろうなぁ。だからキリスト教に傾倒したのかな。
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