ケイの読書日記

個人が書く書評

地曳いく子 「若見えの呪い」 集英社文庫

2021-03-19 13:46:42 | その他
 著者の地曳いく子さんは、私でも知っているほど有名なスタイリスト。本も何冊か出している。1959年生まれのようだが、自分の事をバブル世代と何度も書いている。1958年生まれの私からすれば、バブル世代ってもう少し年下なんじゃないかと思うけど。
 とにかく、この本は自分と同世代に向けて発信している。当たり前か。

 日本は「可愛いは正義」文化だから、女はいつまでも若作りから解放されない。だから、フランスの「大人の女性は素晴らしい」文化にシフトすべき、という主張を繰り返すいく子さん。
 しかしね。いく子さん。あなたが十代二十代の頃、若さを至高の価値あるものとして、年配の女性を見て平気で「ああはなりたくない」「BBA」と言ってたんじゃないだろうか?

 バブル期で景気のすごく良かった時代、女性たちはブランド物をどんどん買ってたけど、さすがに今はそういった時代ではなくて、いく子さんもZARAを愛用しているようだ。(ZARAは価格は安いが若者向けで、ほとんどのおばさんには着こなせないけど、いく子さんは着こなしているんだ。さすがです!)服はZARAでも、靴はルブタンを履いている。昔から、着るものはともかく靴をきめるとオシャレに見えるって言うものね。

 意外に感じたのは、いく子さんは「古着はアリ」派だということ。私も古着肯定派だけど、小説家の群ようこさんが「古い人間が古着を着ると、ますます古ぼけて見える」みたいな事を書いていたので、やっぱり古着は若い人の特権で、年を取ったら止めた方が良いのかな?と思っていた。でも有名スタイリストのいく子さんがアリというなら、アリかも…?!と思い直した。
 まあ、何を着ようが悪口を言われるだけで、お巡りさんに捕まる訳じゃないんだから、堂々と着ればいいんだ。でもそれがなかなか難しい。今はコロナの影響で古着は敬遠しているが、買いに行きたいなぁ。
コメント
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