「楽譜と旅する男」か…素敵だなぁ。なんとなくモーツァルトをイメージしちゃう。旅しなくても楽譜を読めるだけで、胸キュン。ホレちゃいますね。楽譜が読めない女の私としては。
「楽譜と旅する男」は、音楽関係、とりわけ楽譜の探索を専門にしている男。
戦前、ロンドン郊外のお屋敷で、孤独なご婦人が弾いていた聞きなれない旋律の曲や、ザルツブルクの二流の作曲家が恋する相手のために書いた曲や、戦時中、南方の島で聴いた民族音楽や、ルーマニアのお菓子売りが弾いていた曲や、中国・清朝末期の西太后のための京劇曲etc…とにかく、お客の容貌にこたえ、世界中を駆けずり回り、時には時空を超えて楽譜を探す。
全部で6話、収録されている。個人的に印象深かったのは、第1話。『曾祖叔母オパールの物語』。この中に、音楽関係専門の古本を取り扱っている本屋が出てくる。店頭に据えられた木箱の中の古い楽譜を、一人の男が漁っている記述があって、大昔に読んだマンガの一場面を思い出した。
竹宮恵子の『風と木の詩』だったか、主人公の音楽家志望の少年が、ノミの市の店先に無造作に置いてある楽譜が欲しくてたまらないけど、お金が無いので買えないシーンがあった。表紙も取れてしまって無いような汚い古い楽譜を、バサッと売るため店先に置いてあるものショックだったし、そういった私にはゴミとしか思えない楽譜を欲しがる、音楽家志望の少年も素晴らしいと思った。すごいな、ヨーロッパって!!
それから一番出来がいいと思うのは、第3話『城塞の亡霊』。水木しげるのマンガみたいな雰囲気。
戦時中、インドネシアの戦線に従軍していた男は、現地で聴いた音楽の一部が耳を離れず、戦争が終わり日本に帰国してきてからも、その曲を熱望し、楽譜を探していた。
あの恐怖の夜。米軍が爆弾を投下し、吹き飛ばされ気を失っていた男は、不思議な音楽を耳にし、目覚める。どうやら現地の人たちが歌っているようだ。よかった、これで助かったと思った男は、音のする方向へ進んでいったが、なにやら神聖な儀式をやっているようで…。
結果は、意外というかさもありなんというか、怖いけど納得の読後感。
それにしても、大昔のインドネシアの神聖な儀式に使った曲の楽譜が、オランダにあるとは! あの辺りは、昔オランダの植民地だったので、学者が奥地まで入って行って、いろいろ調べたりしたんだろうなぁ。
「楽譜と旅する男」は、音楽関係、とりわけ楽譜の探索を専門にしている男。
戦前、ロンドン郊外のお屋敷で、孤独なご婦人が弾いていた聞きなれない旋律の曲や、ザルツブルクの二流の作曲家が恋する相手のために書いた曲や、戦時中、南方の島で聴いた民族音楽や、ルーマニアのお菓子売りが弾いていた曲や、中国・清朝末期の西太后のための京劇曲etc…とにかく、お客の容貌にこたえ、世界中を駆けずり回り、時には時空を超えて楽譜を探す。
全部で6話、収録されている。個人的に印象深かったのは、第1話。『曾祖叔母オパールの物語』。この中に、音楽関係専門の古本を取り扱っている本屋が出てくる。店頭に据えられた木箱の中の古い楽譜を、一人の男が漁っている記述があって、大昔に読んだマンガの一場面を思い出した。
竹宮恵子の『風と木の詩』だったか、主人公の音楽家志望の少年が、ノミの市の店先に無造作に置いてある楽譜が欲しくてたまらないけど、お金が無いので買えないシーンがあった。表紙も取れてしまって無いような汚い古い楽譜を、バサッと売るため店先に置いてあるものショックだったし、そういった私にはゴミとしか思えない楽譜を欲しがる、音楽家志望の少年も素晴らしいと思った。すごいな、ヨーロッパって!!
それから一番出来がいいと思うのは、第3話『城塞の亡霊』。水木しげるのマンガみたいな雰囲気。
戦時中、インドネシアの戦線に従軍していた男は、現地で聴いた音楽の一部が耳を離れず、戦争が終わり日本に帰国してきてからも、その曲を熱望し、楽譜を探していた。
あの恐怖の夜。米軍が爆弾を投下し、吹き飛ばされ気を失っていた男は、不思議な音楽を耳にし、目覚める。どうやら現地の人たちが歌っているようだ。よかった、これで助かったと思った男は、音のする方向へ進んでいったが、なにやら神聖な儀式をやっているようで…。
結果は、意外というかさもありなんというか、怖いけど納得の読後感。
それにしても、大昔のインドネシアの神聖な儀式に使った曲の楽譜が、オランダにあるとは! あの辺りは、昔オランダの植民地だったので、学者が奥地まで入って行って、いろいろ調べたりしたんだろうなぁ。
