朝日新聞社刊「木々高太郎全集2」の中に入っている短編。この「死の乳母」が、日本で最初のホームズ贋作という、日本推理小説史上、記念すべき作品のようだ。
名のある旧家に仕えていた実直な使用人が、呼び戻されて坊ちゃまの看病をするが、坊ちゃまはみるみる悪くなり亡くなるという事件が、2回続けて起こる。3番目の坊ちゃまの看病に行く前に、当の乳母がホームズに相談に来る所から、物語は始まる。
お約束のお家騒動で、予期した結末に、可もなく不可もなく、という出来だが変にひねってないところが良い。
忠実に、自分が解釈したホームズ像を描いていて、好感が持てる。
コナン・ドイルとシャーロック・ホームズに対する敬意が感じられる。
現在のホームズ贋作って、斬新すぎる。革新的なホームズ解釈は、私には必要ないです。
実はこの「死の乳母」は、エキゾチックな8短篇の中の一つ。
木々高太郎は、ヨーロッパやソ連に、昭和7年前後に留学しており、その時の経験がベースになっている。第1次大戦から第2次大戦の間の、つかの間の平和な時代。私が一番行ってみたい時代。
木原敏江の名作マンガ『摩利と新吾』を思い出すなぁ。
木々高太郎としても人生最良の時期だったろう。日本人の、ヨーロッパ人に対する憧れは大きかったが、ヨーロッパ人の黄色人種に対する差別は、とても激しかったに違いない。
小説の中に出てくる「矮小な黄色い顔」「まるで黄疸にかかっている病人のよう」「白人が黄色い矮小な自分を、温かい眼、同種族を遇する眼で見たことがない」「自分のような醜い人種」などなど、嫌になちゃうなぁ。
ここまでコンプレックスを持ってるわけ?!
でも、夏目漱石もロンドン留学中、自分の小柄な体格が嫌で、精神を病んだみたいだ。女の人に見下されるように感じるのかなぁ。
名のある旧家に仕えていた実直な使用人が、呼び戻されて坊ちゃまの看病をするが、坊ちゃまはみるみる悪くなり亡くなるという事件が、2回続けて起こる。3番目の坊ちゃまの看病に行く前に、当の乳母がホームズに相談に来る所から、物語は始まる。
お約束のお家騒動で、予期した結末に、可もなく不可もなく、という出来だが変にひねってないところが良い。
忠実に、自分が解釈したホームズ像を描いていて、好感が持てる。
コナン・ドイルとシャーロック・ホームズに対する敬意が感じられる。
現在のホームズ贋作って、斬新すぎる。革新的なホームズ解釈は、私には必要ないです。
実はこの「死の乳母」は、エキゾチックな8短篇の中の一つ。
木々高太郎は、ヨーロッパやソ連に、昭和7年前後に留学しており、その時の経験がベースになっている。第1次大戦から第2次大戦の間の、つかの間の平和な時代。私が一番行ってみたい時代。
木原敏江の名作マンガ『摩利と新吾』を思い出すなぁ。
木々高太郎としても人生最良の時期だったろう。日本人の、ヨーロッパ人に対する憧れは大きかったが、ヨーロッパ人の黄色人種に対する差別は、とても激しかったに違いない。
小説の中に出てくる「矮小な黄色い顔」「まるで黄疸にかかっている病人のよう」「白人が黄色い矮小な自分を、温かい眼、同種族を遇する眼で見たことがない」「自分のような醜い人種」などなど、嫌になちゃうなぁ。
ここまでコンプレックスを持ってるわけ?!
でも、夏目漱石もロンドン留学中、自分の小柄な体格が嫌で、精神を病んだみたいだ。女の人に見下されるように感じるのかなぁ。