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ケイの読書日記

個人が書く書評

有栖川有栖「火村英生に捧げる犯罪」

2009-08-27 13:10:30 | Weblog
 2002年から2008年にかけて発表された8つの中短篇が収められている。

 作者も「あとがき」で書いている通り『火村英生に捧げる犯罪』とは華やかさがある題名だが、内容は…うーん…。
 タイトルだけ見ると、火村と連続殺人鬼との対決をイメージするが、実際の内容は、チンケな殺人犯が姑息な手段を使って…という内容なので、タイトル負けしているね。

 『あるいは四風荘殺人事件』が一番、有栖川有栖らしいかも。トリックのアイデアはとても良いが、しかし長い間使われず、忘れられていたような仕掛けが、音も立てずスムーズに動くだろうか? とは思う。
 新本格だから、まっ、いいか。

 私が一番読み応えあると思ったのは『雷雨の庭で』
 売れっ子放送作家が、パソコンのモニターを使って相棒の作家と打ち合わせをしていた。ちょうどその頃らしい。お隣のダンナが不審死したのは。
 しかも、そのお隣と売れっ子放送作家は、モメにモメていたのだ。

 犯人は一人に絞られた。問題はどうやって犯行を行なったか。
 なるほど、こういう状況になって、こういう対応をしたら、こういう結果になった、ということか。無理なく理解できる。
 さすがは有栖川有栖。
コメント (2)
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