ケイの読書日記

個人が書く書評

エラリィ・クイン「スペイン岬の秘密」

2006-03-23 17:13:37 | Weblog
大好きな本・読んだ本


 日本の新本格派にとっては神様、エラリィ・クインの国名シリーズ最終作。


 悪名高いジゴロの死体は、海に向かってテラスの椅子に腰掛けていた。黒い帽子をかぶり、黒いマントを肩から掛け、ステッキを手にし、あとは全くの裸で!!
 なぜ犯人は、被害者の服を脱がせなければならなかったのか?


 論理的であろう、読者に対してフェアであろうという意欲はすごく強く伝わってきますが、実際、論理的かどうかは……ちょっとギモン。

 これは、国名シリーズ最終作だからでしょうか?初期の作品だったら、もっとデキが良い?

 それに、名探偵エラリィ・クインってこんなキャラだったっけ?すごーく昔「エジプト十字架の謎」を読んだことがあるけど、イメージが違っているような…。

 
 ただ、この作品の中でティラーという欧亜混血の召使がでてきますが、そのキャラが秀逸。なんか、古畑任三郎の西園寺君を思い出してしまった。
 作者のエラリィ・クインも、書いているうちに気に入ったんでしょう。ただの脇役からしゃしゃり出てきて、名探偵のエラリィ・クインを喰ってしまっているような感さえします。

 この作品の陰の主役はティラーですね。
コメント
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