本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

日本語あれこれ5

2011-10-17 13:56:35 | Weblog
 なによりも、語彙が豊富であれば、文章にふくらみがでます。
 和語の「つよい」に対し、熟語には強大、強固、強靭、頑丈などがあるでしょう。「まじめ」という和語の類似には誠実、忠実、実直、律儀、几帳面がありますし、「はっきり」の別の表現には明快、鮮明、明白、明瞭、明晰等々があります。
 また、(すこし、すくない、わずか)という和語は量的程度が大雑把です。そこで(ほんの、ごく、ほとんど、きわめて、まったく)といった語で補強することになります。漢字の場合は、僅少、最少、些少といった一熟語で量的な感覚がつかめます。

 従って、漢字の視覚効果を考えると大いに活用したいところですが、多すぎると文章が難解になり、目にもやさしくありません。一般には、文章全体に漢字の含有率は30%が望ましいとされています。

 なお、ある調査のデータによると90%の読解力に必要な日本語の単語数は1万語弱とあり、英語はせいぜい3千語とありました。このデータだけでは納得できないかもしれませんが、日本国際教育支援協会と国債交流基金が主催する日本語能力試験1級の語彙数は1万語とされています。
 また、英検TOEICに出てくる95%のボキャブラリーは3,714語といわれています。納得できますね。
 ちょっと道草をしますが、新聞に「3万語が頭から離れない」という見出しの英語教材の広告が時々掲載されています。そんなに覚える必要はありませんね。

 最新のOECDの調査によると15歳生徒の日本の読解力は先進国の中で8位でした。前回の15位から改善されていますが、それでも物足りないと感じる方もいるでしょう。しかし、今、話したとおり90%の読解力に必要な日本語の単語数は英語の3倍以上です。8位は良としましょう。


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