以前にも触れたが、「人間の典型となる主人公を作り上げた作家はすごい」といったような話がある。この話は司馬遼太郎のエッセーで知ったので、司馬さんの独創に由来するものかと思っていた。
さて、典型となる主人公は二人いる。ひとりは「ハムレット型」です。なるほど、内向的、神経質な性格の人を「あいつはハムレット型だ」といいますもの。
もうひとりは「ドン・キホーテ型」です。外向的、行動派、いや、それ以上の猪突猛進的タイプの人で「あやつはまるでドン・キホーテだ」と冷笑される。
最近、外山滋比古のエッセー本に「ツルゲネフが、ハムレットをドン・キホーテと対照的性格であると言った」云々とあった。
イワン・ツルゲネフは、この二人を「人間の典型」として説いたかどうかは知らないが、両極にある人物像として認識していたと思う。
とにかく、「人間の典型」論の典拠は、ツルゲネフの本にあったようだ。
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