本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

鉄道の旅

2017-01-18 09:21:52 | Weblog
 もう40年余も前になるが、その春に1か月ほど鉄道旅行でヨーロッパの国々を巡った。行く先々で大学ノートにメモを取っていた。帰国後に紀行文として原稿用紙にまとめると260枚ほどになった。

 いろいろなエピソードはあるのだが、今回は鉄道の旅のメリットを書いてみたい。
 言うまでもなく空の旅は点と点を味気なくダイレクトに結ぶ。電車は点と点を鉄路という線で移動し、かつ、ユーレイルパスがあれば、気ままにいくつもの駅で乗り降りできる。なんたって、コンパートメントは手足を伸ばせるし、横にもなれる。車窓の景色もオツなものだ。

 駅には駅の良さがある。早朝に到着しても営業中のレストランがあって目覚めのコーヒーが飲める。もちろん洗面所もあるから歯磨きもできたし、こっそり靴下も洗えた。当時、小さな駅ではコインロッカーはないが、荷物預り所はあった。そこに預ければ手ぶらで街を放つき歩ける。鉄道駅は空港と違って中心街に近い。

 それに駅の周辺には料金の安いホテルが多い。言わば駅前旅館である。盗難などの心配を思うと、駅で夜明かしするより低価格でもホテルは安全である。それでもホテル代を節約するなら車中泊という手もある。
 車中泊と言えば、ジェノバ駅で1時42分発マルセイユ行き2400号列車に乗り換えた。5月の朝まだき、寝ぼけまなこにモナコ付近の紺碧の地中海が飛び込んできた。素晴らしい。これが鉄道の旅だ。 

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