東北地方の代表的な方言に「おしょすい」がある。「わぁ、おしょすい」と身をよじれば、お小水と勘違いされて「トイレはあちらよ」と言われかねないが、「恥ずかしい」という意味である。形容詞の証拠に「おしょすかろう」、「おしょすかった」、「おしょすければ」などと活用する。「お」は丁寧語だから省略するときもある。なお、「笑止」が語源という。
最近はさすがにすたれたと思うが、幼いころの方言に「もんこ」があった。なにやら得体の知れない化け物のようなものだった。駄々をこねて泣くと、父に「もんこ来るぞ」と脅かされ、泣きやんだものだ。年配者にとって「おしょすい」ような懐かしいような方言である。
この「もんこ」はどうやら蒙古が訛ったものらしい。「来るぞ」には不意に現れるという怖さが込められていた。文永、弘安の時代、博多湾に来襲した元寇の恐ろしさが人づてにじわじわと北上し、魔物となって東北の地に根付いてしまったようだ。つまり、七百年余前の出来事が、時をへだてて東北の幼い子供たちを脅しつけていたのである。
最近はさすがにすたれたと思うが、幼いころの方言に「もんこ」があった。なにやら得体の知れない化け物のようなものだった。駄々をこねて泣くと、父に「もんこ来るぞ」と脅かされ、泣きやんだものだ。年配者にとって「おしょすい」ような懐かしいような方言である。
この「もんこ」はどうやら蒙古が訛ったものらしい。「来るぞ」には不意に現れるという怖さが込められていた。文永、弘安の時代、博多湾に来襲した元寇の恐ろしさが人づてにじわじわと北上し、魔物となって東北の地に根付いてしまったようだ。つまり、七百年余前の出来事が、時をへだてて東北の幼い子供たちを脅しつけていたのである。
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