ニューヨークではミュージカルにはまった。最初に観たものは「コーラスライン」その後「グランドホテル」、「キャッツ」、「美女と野獣」、「タイタニック」。最初に観た以前にもニューヨークに何度か訪れていたのに観劇しなかった。もったいないことをした。
「タイタニック」の場合、初演の1997年4月23日にたまたま居合わせた。かみさんは調子を崩していたので私だけ安売りチケットを買ってに入った。
大抵のミュージカルは陽気なストーリーだが、題材が沈没船の事件だけに鬱々として、またもの悲しいストーリーだ。
ところでこのミュージカルは途中で幕が下りてしまった。なんでも装置か何かが不具合になり、それ以上は続けられないということで中止になった。初演にはこんなことがままあるのか、観客は騒ぎもせずにぞろぞろと出て行く。代替チケットをくれることもない。憮然とした。
元気になったかみさんは翌日に観に行った。私はタイムスクェアをぶらぶらしていたが、思いついて劇場に行き、チケットの半券を示して内に入りたいと頼んだ。前日に中止になったことは当然わかっていたことだからOKとなった。もちろん立ち見だけれど。
前日に観たところからうまくストーリーは繋がらなかったが、滞りなく結末を迎えた。
眼を真っ赤にして出てきたかみさんは、館内にいる私を見てびっくりこいた。