一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「原田の耳かき」

2006-10-10 | よしなしごと
このまえの耳掻きについてのエントリを書いて以来気になっていた「原田の耳かき」を連休中に入手しました。

久しぶりの巣鴨とげ抜き地蔵商店街は「おばあちゃんの原宿」そのものでした。
子どもの頃近くに住んでいて、4の日の縁日には自転車を飛ばして露天を楽しみにしていた身としては、今やどこの商店も露天も衣料品と健康食品だらけという意味で「原宿」化されてしまったとげ抜き地蔵商店街を見るのは寂しくもありました。

昔は子供向けの型抜きとか紙芝居(これは近所の公園にも来ていました)、カラーヒヨコ(雛の鑑別で雄と判定されたヒヨコを愛玩用に売るんだけど、大概すぐ死んでしまう。でも、一羽近所でそのまま立派なオンドリになったのがいて、毎朝ときの声をあげていたのはそれはそれで迷惑でしたw)とかの子供向けだけでなく、マムシの軟膏売り(麻の袋にマムシを入れているかのように語りながら見せない)とか七味唐辛子を調合する店とか、キセル職人とか、あとは露天の代名詞のバナナの叩き売りや蝦蟇の油売りも見たことがあります(あ、これは別の縁日だったかな?)
いやほんと、巣鴨・大塚界隈は、深川とか入谷のような「生粋の江戸っ子」と名乗るにははばかられますが、昔ながらの怪しい下町情緒が溢れてました(いまだに都電が残ってるくらいですからね^^)。


で、本題の「原田の耳かき」。
とげ抜き地蔵尊の境内入って左側にお店を構えています。
先代は最初は境内に入れずに、外の露天から始めたそうです。

今の店主は20代後半の若い人。
接客と調整を一人でして、しかもけっこうお客がいるので、のんびりと待つことになります。

サンプルの耳掻きを試用しつつ、調整中の先客とのやり取りを聞きながら、大きさとか当たりの柔らかさ自分はどういうのがいいのかな、などと考えているうちに順番がきます。

基本的には目の前にあるサンプル(両側に掻き手のあるもの、片側のもの、短いもの、子供用)などから選んだ上で微調整してもらいます。
私は実家用にも1本頼んだので、それは手元の加工用の素材から5分くらいで削りだしてもらいました。

先代の「馬木の耳かき」の頃から量販品より掻く部分が大きいのが特徴だそうです。
一般的にお年よりは大きくて柔らかめ、若者堅めがお勧めだそうです。

素材は普通の竹と煤竹。煤竹の方が持ちがよく、薄く加工出来るので柔らかさを出しやすいとか。

で、購入したのがこれ



ちゃんと「とげ抜き地蔵尊」と書いてあります(東急ハンズにも売ってるみたいですけどw)

能書きはこちらをご参照ください。

今回購入したのは、ちょと小さ目なもの。



「原田の耳かき」という刻印をしてくれます(焼印じゃなくてゴム印なのがちょいと残念)
これがあれば、いつで再調整してくれるそうです。



横から見ると



この、先端部分の薄さがポイントです。


実際に使ってみると、先端部が自然にしなって掻こうとするので、今までの耳かきにはない独特の感触があります。
今までは手先でコントロールしていたものが、耳掻きの先端部分にもう一つ関接があるような感じです。
また、「しなる」ことであたりがやわらかく、細かい動きを伝えてくれるため、壁を無理やりこそげ落としたりせず、耳の中の状態(耳垢の固まり具合、剥がしやすさなど)をきっちりとフィードバックしてくれます。
自動車雑誌で言う「路面の状況がステアリングにダイレクトに伝わってくる」というやつですね。


なかなか満足のいく買い物でした(強いて言えば店主?のお兄さんが昔のとげ抜き地蔵のことを知らなかったのが残念、という程度)。

あとは、しばらく耳垢をためてから耳かきを楽しみたいと思います(汚ねぇ・・・w)
コメント (2)
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