一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

放送の公共性と外資規制論 (フジテレビvsライブドア その4)

2005-02-28 | M&A
週末のテレビも依然としてフジテレビvsライブドア問題で盛り上がっていた。

気になったのが、「放送の公益性と外資規制」という論点。


放送法2条1項3項の2では
 「放送事業者」とは、電波法 の規定により放送局(中略)
 の免許を受けた者、(中略)をいう。
とされていて、

電波法第5条では
 左の各号の一に該当する者には、無線局の免許を与えない。
  一  日本の国籍を有しない人
  二  外国政府又はその代表者
  三  外国の法人又は団体
  四  法人又は団体であつて、前三号に掲げる者がその代
     表者であるもの又はこれらの者がその役員の三分の
     一以上若しくは議決権の三分の一以上を占めるもの。
とされている。

つまり、外国人株主が1/3以上の会社はそもそも放送局の免許が下りないということが、外資規制の中身。

今回はライブドアがリーマン・ブラザーズから資金調達したことを理由に、外資規制の枠にかけられないか(広げられないか)という議論なのだろう。


しかし、これはかなり議論の必要な問題だと思う。


そもそも電波法は間接保有(外国人が100%支配している日本法人)を規制していないのであるから、まずは間接保有の規制をしたいらしい。
そうなると、間接支配は100%じゃなきゃいいのか、電波法基準だと代表者が外国人(=日産はダメ)、役員またはの1/3が外国人というのもダメとなりそうだが、間接支配1/3基準を延々と遡ると、相当の数の「外国人株主」が発生する可能性がある。
また、投資信託経由の外国人投資はどうなるとかの議論も必要。

さらに、転換社債を持っているだけでダメといするなら、理論的には外国人役員や従業員のストックオプションもカウント対象になることになる。
それと上の間接支配ルールをいっぺんに適用した瞬間に、放送局は外国人比率を数えることだけで忙殺されてしまう。


それに免許を与えた場合でも、表現の自由(放送法1条2項)が全面的にまかりとおるわけではなく、当然公共性の制約はある。
放送事業者は、放送番組の適正を図るため、放送番組審議機関に番組基準及び放送番組の編集に関する基本計画を定めて諮問しなければならなかったり、 審議機関が意見を述べることもできる。(3条の4)
また、放送法に違反した場合、放送局免許の取り消しまでできる(電波法76条)


つまり、審議会や総務大臣がちゃんと仕事をすれば、放送事業の公益性は現在の枠組みでも守れるはずなのだ。


結局、外資規制基準見直し論は、「思いつき」か「牽制球」の域を出ていないと思われるので、以後の議論(もし続けば)では無視することにしよう。


* これ以前の記事は以下を参照
その1
その2
その3
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

24 シーズン3 ようやく見終わる(ネタバレ注意)

2005-02-27 | キネマ
ようやく見終わりました。

残念ながら1,2ほどの面白さ(ワクワク感)はなかった。

ヒットしてスポンサーがついたせいか、だんだん大掛かりにはなったけど、その分つじつまを合わせるのに苦労している感じがした。


************以下、ネタバレが山ほどあるので、注意*************





今回は大きく言うと、サラザール兄弟が出てくる前半とサンダースが出てくる後半に分かれてしまい、ストーリーに断絶ができてしまった。

それから今回のお得意は、捕まえて尋問や尾行してみたら「実は黒幕は・・・」、とか「〇〇を人質にとる(とられてる)」という展開。
何らかの形でつかまって尋問や拷問を受けたり人質になったりしたのがざっと数えて10人もいる。2時間に一人、だれかがつかまっている計算だ。


「実は黒幕は・・・」とか「本当に悪い奴は・・・」というのは、この手の話にはつきものだけど、次から次へと「実はこっちがボスキャラです」というのは、ちょっとやりすぎではないか。
* それに、サンダースの黒幕(スポンサー)は結局わからずじまいだし。


とにかく展開を早くして、どんでん返しを多く、仕掛けを派手に、というのが行き過ぎたんじゃないだろうか。

なので不自然(荒唐無稽)な点がいっぱい出てくる。

CTUのシステムは電話回線から簡単にハッキングされてしまう
デルタフォースは簡単にやられて犯人を取り逃がす
飛行中の航空機がすべて監視下にあるのに、アマドールは民間機に乗ってメキシコからLAに帰ってくる
サンダースの部下は一体何人いるんだ、というくらい都合よく登場する
(機関銃を撃ちまくるヘリがなぜ誰にもつかまらずにいるのか?また、病院を監視しているのはわからなくはないが、感染してるかしてないかわからなかったミッシェルが出てきたとたんに都合よく拉致できるものだろうか?)

で、そもそもCTU自体、権限ってやたら大きい(街中の監視カメラにアクセスできたり、デルタフォースや空軍まで顎で使ったり)んだけど、その割にスタッフが少なかったり、給料が安いなんてぼやいてたり、家族が入ってこれるくらいセキュリティが甘かったり、上司になるほど絵に描いたように官僚的になったり(このへんの葛藤は安直)と現実味がなくなってきている。


シーズン4に向けて、スタッフ総入れ替え、というような最後の2時間の展開だったが、つぎは原点に戻ってがんばってほしい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手取川「吉田蔵」純米酒

2005-02-26 | 飲んだり食べたり
獺祭を飲みきってしまったので、つぎの日本酒を補充。
今回は手取川「吉田蔵」純米酒従来の蔵を2つにわけ、若い杜氏の蔵が吉田蔵。
吉田行成杜氏は昭和42年生まれ、酒造10年目という若手。会社名が吉田酒造といいうのでその一族なのだろうか。

まあ、そんなことは知らずに、昔飲んでおいしかった記憶があること、精米歩合50%の純米酒の割には安かった(税込み2,100円)こと、「コクのあるタイプ」といううたい文句、ラベルが雰囲気があったに引かれて買った。

HPには「コクがあるけど切れが良くしかも若干の華やかな吟香が鼻をくすぐります。」とある。

一昨日常温で飲んだ際には、石川県の酒だけあってベースはやはり淡麗辛口系で、そこに香りがあるが、コクというよりなんとなく味が開ききっていないひっかかりがあるかんじがしていた。
しかし、しばらく置いておくと、徐々に味がなじんできて、奥行きを期待させた。

そこで今日はぬる燗にしてみたところ、期待通り、旨みが柔らかく立ち上がってきて、立体感のある味わいを楽しむ事ができた。
ベースは淡麗系なので、最初に味がぱっと開いて、きれいに収束していく。

杜氏の若さが関係しているのだろうか、獺祭の「悪女の深情け」系の味わいとは違うが、なかなかおいしい。


しばらく常温で置いておくと、熟成が進むかもしれないな。


などと言いながら、結局今週は(も)毎日飲んでしまった・・・反省
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勝負どころのおさえかた (フジテレビvsライブドア その3)

2005-02-25 | M&A
昨日書いたようにライブドアの新株発行差止仮処分訴訟の提起自体は応援したい。

ただ、仮処分は新株発行の差し止めであって、フジテレビのTOBの差し止めではない。
したがって、今回の第三者割り当てのインパクトがフジテレビのTOBに好影響を与えたり、ライブドアの株価に悪影響を与える事は排除できない。

となると、新株発行差し止め訴訟のほかに、フジテレビのTOBを阻止すべく、アクションをとる必要がある。
「訴訟の場で自らの正しさを証明したい」などとナイーブなことだけを言っている場合ではない。


フジテレビの行為の不当性をうまく世間にアピールし、TOBによる買い集めを阻止するとともに、自らの買い集めを容易にする、とか
ニッポン放送株の買い集めはグリーンメイラーではないことをアピールすべく、具体的な提携案とかニッポン放送の経営改善策を提案するとか
「大人気ないのはフジテレビのほうで、ライブドアってまともじゃないか」と世論を味方にするような動きをしたほうがいいと思う。

今までheelキャラで売ってきた分、自分の好き勝手を言えてきたが、今回は世論工作が大事だと思う。


フジサンケイグループが何を守ろうとしていて、それは守る価値があるものなのか、
また、守る手法は適正なのか。
ニッポン放送は、ライブドアの子会社になることによってについて、どのような提携、付加価値アップができるのか(「インターネットと放送の融合」などというお題目ではなく)。

このへんをうまくアピールできるかどうかが、今回のM&A合戦のポイントになるような気がする。
ITバブルに上手く乗った若造がただ欲しいから勢い任せに買おうとしているだけじゃないか、と思われたら分が悪くなってしまう(ひょっとしたら本当にそうなのかもしれないけど・・・)。


今までライブドアは、高い時価総額を背景に自分より小さい企業を株式交換で吸収するという、余裕のある勝負をしてきたわけだが、今回の戦いは、リーマンブラザーズに対するCB発行&貸株という、いわば兵站を伸ばしきった勝負をしているわけなので、時間との勝負も大きな要素となる。


堀江社長の経営手腕が問われているわけだ。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こうなったらとことんやってほしい(フジテレビvsライブドア その2)

2005-02-24 | M&A
* 「その1」はこちら

ライブドアのニッポン放送株取得に対抗するためにニッポン放送がフジテレビに新株予約権発行をおこなった。
新株予約権の目的(発行する最大株式数)は4,720万株、新株予約権の行使価格はTOB価格と同じ5,950円、これにより調達する資金は最大2,967億円になる。
(新株予約権の対価(オプション料)等の詳細は省略)
調達資金の使途は「新株予約権の行使は、新株予約権者の判断によるため、現時点において払込みの金額および時期を資金計画に織り込むことは困難であります。したがって、具体的な金額については、行使による払込みのなされた時点の状況に応じて決定いたします。」
としている。

これに対し、ライブドアは新株発行差止請求仮処分を提起するとのこと。

僕の意見は「その1」のとおり、筋を通してきっちりとやってほしい、というものなので、ライブドアは新株発行差止請求をやってるのには賛成。

(一方で、僕は堀江社長自体は人間的に魅力があるとは思っていないことは、さらに前に言ったとおり)


で、新株発行差止請求の要件は
① 会社が法令または定款に違反し
または
② 著しく不公正な方法で新株を発行
した場合に認められる(商法280条の10)

まずは法令違反。この場合、新株が「特に有利な発行価額による発行」(商法280条の2第2項)といえるかどうかが問題になる。

そもそも会社が株主全員でなく特定の株主や第三者に対して株式を発行する場合には、既存株主の権利を保護しなければいけない。
たとえば、時価が100円で1万株の株式を発行済みの会社が株式を第三者にさらに1万株、しかも50円で発行してしまうと、株価は、(発行前の時価総額(100万円)に払い込まれた資本金(50万円)を足して発行後の2万株で割った)75円になってしまう。

商法では、このように特に有利な発行価額で新株を第三者に割り当てる場合は、株主総会の特別決議が必要とされている。

逆にいうと、今回はニッポン放送の取締役会だけで決めたので、「特に有利な発行価額」=割安ではない、というのがニッポン放送の主張ということになる。

ただ、何をもって「特に有利な発行価額」とするかは難しく、通常であれば時価を基準とするのだが、今回のように株価が高騰している場合は、そうした異常な株価の影響を受けない段階の市場価格を基準とすべき(具体的には過去6ヶ月間の平均株価の90%以上、という証券業協会の自主基準に沿っていれば有利な発行価額とはいえない)というのが判例のようだ。

この点からは、今回の新株発行価額はTOB価格と同じなので、一応の合理性はありそう。


つぎに、新株発行が「著しく不公正な方法」にあたるかどうか。

この「著しく不公正な方法」というのは、上で述べた発行価格が適正であったとしても資金調達の必要性がなければならないとされている。
要するに無駄に株式を水増しするのはダメ、ということ(=新規投資をしないということは配当可能利益も増えないので既存株主の取り分が減る)。

裁判例は、新株発行の主要な目的が資金調達でなく乗っ取り防止である場合は不公正発行に当たる(「主要目的ルール」)としているが、実際に不当目的が動機だったとはめったに認定しない。

これは、従来の株式買占めが、会社の支配権取得が真の目的でなく、会社関係者による株式の高値買取をねらったもの(いわゆるグリーンメイラー)がほとんどだったので、裁判所も会社の対抗措置を容認せざるを得なかったからで、買占め側が真に支配権獲得を目的とする株式取得を行っている時点で会社側が第三者割り当ての方法による新株発行を行えば原則として不公正な方法にあたる、というという学説が有力(江頭憲二郎「株式会社法・有限会社法 三訂版」p583~)

一方これに対して、資金調達の目的さえあれば不公正な発行に当たらない、という学説もある。
これの代表が河本一郎神戸大学名誉教授。
面白いのは、河本名誉教授は、今回ライブドアがニッポン放送株を大量に買い付けて問題になった東京証券取引所時間外取引システムが「市場内取引」であり、TOB規制にあたらない、とお墨付きを与えたひとりだ、ということ。ちょい皮肉。


さて、今回の新株引き受け権割り当ては明らかに乗っ取り対策である。
ニッポン放送も資金使途は未定、と言っている。

発行予定株式数が現在の発行済み株式総数より多い、つまり資本を倍にしますということ。
これは現在の3,200万株のうちフジテレビがTOBで買える目処が立っている25%以外を全部ライブドアに買われてしまったとしても(その場合ライブドアは2,400万株)、ライブドアに株主総会で特別決議に拒否権を行使させないように持ち株比率を1/3未満にしてしまおう(2,400÷1/3=7,200に対して3,200+4,700=7,900)という逆算なのだろう。

堀江社長もたいがい大人気ないが、ここまで大規模に新株発行するのも相当大人気ないと思う。

要はニッポン放送は、ライブドアはグリーンメイラーだと決め付けての一勝負に出たわけだ。
そうなら大人気ないなんて言っていられない。


しかしフジテレビは(実際にはそこまでは行使しないだろうけど)最大3,000億円をつぎ込んでも、ニッポン放送をグループにとどめておく必要性について、自分の株主に説明がつくのだろうか?

現に、今日はフジテレビの株価も下落している。


こうなったら「大人気ない」の元祖である堀江社長には、とことんやってもらいたい。



(余談)
堀江社長は「カネがで買えないものはない」という主義の人なんだから、「命がけで」なんて言わずにもっと功利的に立ち回るほうが「らしい」とも言える。

具体的には
①株価の下落に応じてニッポン放送株をさらに買い増して、フジテレビ側を(新株割当権を実際に行使しなきゃ、と)慌てさせると同時に株価の取得簿価を下げる(ナンピン買い)。
②そして、取得簿価がニッポン放送のTOB価格近くまで下がったら、自分の持ち株をTOBに応じてフジテレビに買わせて損切りして手仕舞いする。
③売却代金でリーマンに割り当てた転換社債を買入償還して(ここも若干損が出るだろうけど買入償還条項がないってことはないだろう)そちらも手仕舞いする。
④同時に下がったライブドア株を会社で自己株取得をして株価維持をはかる。
⑤株価が上がったら個人保有株を担保にまた資金調達をして、今度は株価の下がったフジテレビにTOBをかける
とか、それくらい大暴れして欲しいものだ。
(これは、ライブドアの株主の立場は全然考えていませんけどね)


* この記事は一度アップロードしたものを推敲のため削除して新規投稿しなおしたため、以前の記事のURLには該当する記事はなくなっています。ご迷惑をおかけした方がいらっしゃると思いますが、ここにお詫び申し上げます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雅子さまと愛子さま

2005-02-23 | よしなしごと
「皇太子ご一家がスキーに」という話題がテレビで取り上げられていた。

愛子さまと雅子さまのスキーの映像を見たら、雅子さまが愛子さまに「宮様、宮様」と声をかけていた。

自分の子供にも「宮様」と言わなければいけないのだろうか。
それとも、公式発表用ビデオだから?
(この辺ですでに「さま、さま」とつけることに疲れているようじゃ、全然ダメだな・・・)


では、雅子さまは皇太子を普段でも「殿下」と呼んでいるのだろうか。


ちなみに、学習院の授業で皇族にあてる場合には教師は「宮様」と呼びかけるらしい。
たしかに苗字がないもんね。



似たような世界が医者や弁護士でもある。
呼びかける方は「先生」と言うし、医者・弁護士同士でも「先生」と呼びかける。
なので、医者同士、弁護士同士が話していると「先生」「先生」と呼び合うので、ちょっと妙。

同業の寄り合いでは誰が誰に話しかけているのか混乱するんじゃないかと余計な心配までしてしまう。

一般人は「先生」などと呼ばれると馬鹿にされているとしか思えないけどね・・・
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

堤義明とマイケル・ダグラス (銀のスプーンの不幸について)

2005-02-23 | よしなしごと
堤義明が東京地検特捜部の事情聴取を受けたというニュースが盛んに流れている。
まさに「溺れる犬は石もて打て」というくらいたたかれている。

一連の名義株騒動での辞任記者会見の様子が流されていたが、その中で
「上場企業ということに私自信無知なところがあり・・・」という発言があった。

おいおい、上場しといてそりゃないだろ、と思ったが、
そもそも堤義明にとって西武鉄道という上場企業は「与えられた物」であって、自ら上場を勝ち取ったものではないから、上の発言は正直な気持ちなのかもしれない。

そういえばこの前猪瀬直樹が「ミカドの肖像」の取材インタビューの際の堤義明の発言について書いていた。
そこでは堤義明は
「先代の教えは、事業にはまず第一にカネを借りること、そして、つぎに土地を買うこと、でした。土地を買う、これが終われば99%事業はできたということですね。私の仕事は、おやじのやった99%のうえにペンキを塗る作業です」
「夫を亡くした女性がアパートを経営するようなもの」
という発言をしている(2/20朝日新聞11面)

一時は西武グループの総帥として時代を代表する企業家ともてはやされていたが、本人の意識は違ったのかも知れない。

そう考えると、5連覇を逃した直後の西武ライオンズの森監督に「やりたければどうぞ」と言ったメンタリティも理解できる気がする。


結局、与えられてしまったものから逃れられないことのつらさ、というのがあるのだろう。
それは、与えられたものが立派なもの(断りきれないほど十分に魅力的なもの)であればあるほど、「与えられた」ということが重圧になってしまうのかもしれない。
(与えられた事のない身としては想像するしかないが)



それで思い出したのがマイケル・ダグラス。

名優カーク・ダグラスの息子として生まれたが、映画界で有名になったのは、父から映画化権を譲り受けて共同プロデューサーとして製作した「カッコーの巣の上で」でアカデミー作品賞を含む主要5部門を独占したこと。
もともと「カッコーの巣の上で」はケン・ケイシーのベストセラー小説で、大ヒット間違い無し、というものだったから、「親のおかげ」と陰口をたたかれたとか。
結局その後「ウォール街」でアカデミー主演男優賞をとるものの、私生活では離婚トラブルやセックス中毒(どんな中毒なんだろう?ちょっとなってみたい気もするが(笑))などで話題になり、配役も、金持ちだけどトラブルに巻き込まれるちょっと間抜けな(脇が甘い)役がはまり役立ったりする。
マイケルダグラスは今では中毒からも立ち直り、キャサリン・ゼタ・ジョーンズと結婚したりと独り立ちしたようだが(って言ってももう還暦だから当然か)。


いずれにしても、銀のスプーンをくわえて生まれてくるのも楽ではないのかもしれない。



ミカドの肖像―プリンスホテルの謎

小学館

このアイテムの詳細を見る
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不機嫌なジーン

2005-02-22 | 乱読日記
今日は早めに帰宅したら、「不機嫌なジーン」というドラマをやっていた。
番組改変期に散々予告を見せられていたが、要は「男には浮気する遺伝子がある」ということに悩む女医だか女性研究者が主人公の恋愛コメディ。

おおかた竹内久美子女史の著書にヒントを得た脚本家の作なのだろう。

ちょうど新年からの半身浴用課題図書になっているスティーブン・ピンカー「人間の本性を考える」の導入部のテーマ:生物学は遺伝子・人間の本性に関わることになってくると必ず政治的立場からの発言が学問の発展を阻害してきた-を思い出す。

ちょうど最近読んだ部分で関連するところがあった。

1970年代後半から「社会生物学」という動物の行動に関する研究を自然淘汰についての考えでまとめあげ、それらを昆虫、魚、鳥などの社会的動物から人間にまで適用し、人間の行動の普遍性の一部は、自然淘汰によって形成された人間の本性から来ているのではないか、という仮説などから、生物学と社会学、哲学を結びつけようという試みがあった。

この社会生物学は「ナチスの大量虐殺の背景となった優性理論」「決定論者」だ、という非難の嵐に巻き込まれることになる。
しかしこれらの批判は、実は学問的根拠があるわけではなく、単なる政治的な攻撃だったことが次第に明らかになる。

「利己的な遺伝子」で有名なリチャード・ドーキンスも批判を受けた中の一人で、彼が「浮気遺伝子」について根拠のない批判をされているくだりがある。

少し長いが引用すると


・・・たとえば彼は、哺乳類のオスはメスに比べて性的パートナーをたくさん求める傾向にある、という考察のあと、一パラグラフを人間の社会にあて、そのなかで次のように書いている。

この驚くべき多様性は、人間の生活様式がおもに遺伝子ではなく文化によって決定されていることを示している。しかしそうは言っても、進化論的根拠によって予測できるように、人間の男が一般的に不特定多数を性の相手にする傾向を持ち、女が単婚を求める傾向を持っている可能性はある。個々の社会で、この二つの傾向のどちらが勝つかは、文化的環境の詳細によって決まる。それは、さまざまな動物種において、それが生態系の詳細によって決まるのと同じである。

(中略)数学者が使う厳密な意味においては、「決定論的なシステム」とは、諸状態が先行の状態によって、確率的にではなく、絶対的な確度をもって引き起こされるシステムである。ドーキンスにせよだれにせよ、まともな生物学者は、人間の行動が決定論的だと提言しようなどとは夢にも思わない---それは、人間は機会あるごとに不特定多数との性行為や、攻撃的な行動や、利己的な行動に走るはずだ、というのと変わらない。
(前掲書上巻P217,8)



結局、何でも遺伝子のせいにしちゃいけないってこと、当然ながら。
ただ、こういう理屈は妙に説得力をもってしまうところが問題(浮気の話ならまだいいけど、「優性思想」につながるとね)。

<今日のまとめ>
その1
もっともらしい理屈も、論理的に検証したほうがいい、といいこと
(例)「英雄色を好む」といっても、色を好む者がすべて英雄だとは限らない

その2
こう考えると、石田純一の「不倫は文化だ」という発言はけっこう的を得ているのかもしれない。



人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上)

NHK出版

このアイテムの詳細を見る


遺伝子が解く!愛と性の「なぜ」

文藝春秋

このアイテムの詳細を見る


浮気人類進化論―きびしい社会といいかげんな社会

文芸春秋

このアイテムの詳細を見る


BC!な話―あなたの知らない精子競争

新潮社

このアイテムの詳細を見る


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

偶然とカオス

2005-02-21 | 乱読日記
前の記事の続きです
科学の世界も、ゲーデルの不確定性原理(証明不能な命題があることが証明されてしまった)や観測問題(光の速度で動くものの位置を観測で特定することはできない)とかから、ニュートン力学の「これが絶対正しい!」の世界から確率論とかカオス、フラクタル、エントロピーなどの世界に入って行った

ということを素人にもわかりやすく、かつ面白く書いているのが「偶然とカオス」
ただ、残念ながらamazonでは在庫切れ。

ロス・アラモス研究所に集まった天才たちのキャラクターなども生き生きと描かれている。

印象に残ったのは、エントロピー理論についてのくだり。

たとえば100度の熱湯と10度の冷水を同量まぜると、55度になることの説明として、分子の配置は理論的には、1箇所に100度の塊が出来るという配置もありうるのだけれど、分子の運動はランダムなので(ひょっとすると一瞬はそういう分布になっていることもあるかもしれないが)結局は確率的に一番ありうる(運動の激しい分子とゆるやかな分子がまんべんなく入り混じる)配置でいる確率が高い。その状態が55度となるというわけ。

このようにエントロピー増大の法則というのは、「素粒子の配置は確率的に高い状態になっていく」ということだ、と説明してから、
ビッグバンは、その直後からはエントロピー増大の法則で説明できるが、ビッグバン自体は説明できない、という。

つまり、宇宙の一番最初に「一番ありえない状態」がなぜもたらされたのか、ということだ。
著者は、それは宗教の問題になってしまう、とちょっと達観して(少しアイロニカルに)言っている。

理論物理学者でありながらこういうスタンスをとれる著者のものの考え方は好きだ。


偶然とカオス

岩波書店

このアイテムの詳細を見る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モンテカルロ法、ラッファー・カーブ、または厳密さということ

2005-02-20 | 乱読日記
昨晩ブログを見ていて、「モンテカルロ法」という言葉に久しぶりに行き当たった。

これはカジノについての法律ではない。

シュミレーションをランダムに繰り返すことで、近似値を求める手法のことを言う。
先のブログでは身近な話を引き合いに出しているが、僕の聞いたのは格付け会社の人か誰かだったと思う。
「何だそれ?」とインターネットで検索した記憶がある。

企業の倒産リスクなどを、何通り(何万通り)も変数を動かしてその結果企業業績がどうなるかをシミュレーションし、倒産の確率を出すんだそうな。
昔は計算があまりに複雑なので、経済への適用は実用的でない、とされていたが、乱数発生方法の改良やコンピューターの能力の飛躍的向上でそれが可能になってきた由。

今回改めてネットで検索してみると、為替分析の世界では「リバーシブル・ジャンプ・マルコフ・チェーン・モンテカルロ法」なるものまであるようだ。

まるで「三菱東京UFJ銀行」みたいだ。

* ちなみに「マルコフ・チェーン」というのは確率論での有名な理論らしいです。

まあ、格付け機関とかリスク分析を専門的にやる会社ならいいんだろうけど、最近パソコンレベルでもいろんなことができるようになったので、「本当に大丈夫か?」というような無責任な指示のもと、不毛な作業が繰り広げられることも多い。
雇用拡大といえば聞こえがいいが、必要以上の慎重さは意思決定の迅速さを阻害しているだけ。

物事を一歩引いて俯瞰的に見てみるというのは大事だけど、交渉相手との関係も含めて自分が客観的に今どういう状況にいるかというのは、厳密にはわかりっこない。だから、「絶対に大丈夫」などということはありえない。

逆に言えば、だから商売が成り立つわけだ。


そこで思い出したのがラッファー・カーブ
レーガノミクス、サプライサイド・エコノミクスの代名詞のように言われたラッファー教授がレストランの紙ナプキンに描いた、というエピソードで有名。

これを知ったのは「誰がケインズを殺したか」という本。これは、表題は軽いけど、ケインズ以降のアメリカの経済政策とそのバックボーンとなった経済理論をわかりやすく書いてある。
もう10年前の出版なのでサプライサイド経済学(とそれへの批判)までだけど、今は文庫も出ている(表紙のデザインはいまいちですが)のでお買い得。

ラッファー・カーブというのは、横軸に所得税率、縦軸に納税額をとって、山型のカーブを描いている。
所得税率はゼロなら当然納税額はゼロ、税率が上がるに連れて税収もあがるが、あるところから効率の税率は勤労意欲を阻害するようになり、税収が下がりだす。そして、税率=100%になると誰も働かなくなるので税収は0になる、ということ。

だから、減税をすれば税収はあがる、という主張につながるらしいのだけど、誰も今の税収がピークを過ぎて右下がりのゾーンにあることを証明していない。

結局政策決定というのは、けっこういい加減になされてしまうという例としてあげられている。


そこまでいい加減に決める(実際の政策論議は当然それだけではないのだろうが)のも問題だけど、神経質すぎてもいいことはない。
そこの加減が難しい。
(ここのところ加減が難しいという結論ばっかりだな・・・)

科学の世界だって、ゲーデルの不確定性原理(証明不能な命題があることが証明されてしまった)や観測問題(光の速度で動くものの位置を観測で特定することはできない)とかから、ニュートン力学の「これが絶対正しい!」の世界から確率論とかカオス、フラクタル、エントロピーなどの世界に入っているわけで、日常生活や仕事で、あんまり厳密にやってもね・・・


************************

長くなったので続きはこちら


誰がケインズを殺したか―物語で読む現代経済学

日本経済新聞社

このアイテムの詳細を見る

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シャープ サイクロン掃除機(EC-AT2)の動画

2005-02-19 | 買い物
例の掃除機の動画です。
カップの中でゴミが回っているところをとってみました。

下から真中にかけて円錐状になっている固まりがゴミです


ちょっとピンぼけなのと、解像度がいまいちなので、今度掃除するときにうまく撮れたら差し替えてみます。

<強→弱→優しさモード>の順に動かしているので、音の雰囲気はわかると思います。

※ 3/21使用レポートをアップしました。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

結局シャープにしました(掃除機)

2005-02-18 | 買い物
色々悩んだあげく、結局シャープ EC-AT2にした。

これは最下位機種。
ポイントはコンパクトで、デザインがおしゃれで、なおかつ安かったこと。

マイナスイオン放出機能がついてたり、パワーブラシがついてたりすると8,000円くらい高くなる。
でも、フローリングが主なので、不要。

シャープで大型のもあったけど、26,000円くらいするし、けっこう大きい。
電気店で見ると、メンテナンスが面倒くさそうだった(サイクロンで紙フィルターがない分、スポンジのような最終フィルターがあり、ごみを溜めるところと最終フィルターの間のよごれが気になりそう)。
それに、吸込仕事率はダイソンと同じ200Wなので、そんなに非力でもないだろう、と。

お値段は消費税・送料込みで14,679円。

これなら万が一はずしてもダメージは少ない。
なにしろダイソンの1/4。
とりあえずこれで試してみて、もし大型のが必要ならこれを「小掃除」用にという手もある。


到着したので早速開封してみる。

写真のようにコンパクトに立てて収納できるのがうれしい。
写真はわかりやすくと横から取ったものだが、正面から見るとけっこうおしゃれ。

使ってみる。

価格.comの掲示板などでも言われていたが、図体の割に音は勇ましい。
本体が軽いので取り回しが楽。
カップのついている取っ手部分も重いとは感じられない。

フローリングだと吸引力の差はあまりよくわからない。
ただ、ブラシはきちんと床に密着している感じがする(新品だから当然と言えば当然か)

おもしろいのは、だんだんカップにゴミが溜まっていくのが見えるところ。
回転しているうちはわからないが、止めて見ると「おお~とれたとれた」と実感できる。

じゅうたんに使うと、一気にゴミが増えていく。
小型で、かつ電動でないノズルでも十分と言う感じだ。


ひととおり終わると、カップにたまったゴミが目障りなので、ゴミをすててカップを水洗いしたくなる。
このあたり、メンテナンス好きにはたまらない
実際、そのほうが清潔だし。

今のところ、考えられる欠点は
① 2輪なので、急な方向転換をすると本体が横転したり裏返しになったりする
  (裏返しでも動くのだが、ちょっとかわいそうな感じがしてしまう)
② カップが小さいので、大掃除のときには途中でゴミを捨てないといけない
というくらい。

こまめに掃除をするには、掃除機としての機能は十分だし、「やる気を出させる」という機能もあるので最適の1台ではなかろうか。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

<動画はこちら

3/21使用レポートをアップしました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「悪徳」と「インチキ」

2005-02-17 | よしなしごと
ふと思ったのだが、世の中で「悪徳〇〇」と言われる人々(職業)と「インチキ〇〇」と言われる人々(職業)は、排他的な関係にあるのではないか?

つまり職業によって、悪い奴を「悪徳〇〇」と呼ぶか「インチキ〇〇」と呼ぶかが違う

たとえば
悪徳医師、悪徳弁護士、悪徳金融機関、悪徳証券会社、悪徳不動産屋、悪徳サラ金、悪徳代議士・・・

一方で
インチキ画廊、インチキ商品(メーカー)、インチキ食品、インチキ技術者、インチキベンチャー、インチキ広告、インチキブローカー・・・

で、不思議とインチキと悪徳は区別されていませんか?


では、あなたは悪徳派?インチキ派?


ちなみに僕は「悪徳系」との付き合いのほうが多いです
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天ツバ (フジテレビvsライブドア)

2005-02-16 | M&A
フジテレビとライブドアのニッポン放送の買収合戦が過熱しているが、フジテレビのニュースではほとんどこのことに触れられていない。

NHK対朝日新聞の場合は、お互いに相手を攻撃する立場であるし、「公平なマスコミ」の立場を守るために主張しないと格好悪い、という部分もあるのだろう。

ただ、最近はNHKと朝日新聞(テレビ朝日)も、もっぱらフジvsライブドアのことを取り上げている。


やはり、自分のことは触れたくないらしい。


で、フジテレビ。


今回初めて知ったのだがフジテレビとニッポン放送は株を持ち合っている。
じゃあ、そもそも「フジサンケイグループ」って何なんだろう、本来グループの持ち株会社または中核会社があるはずなんだけどなぁ、と思って調べたら、
もともとは、ニッポン放送がグループの中核会社でフジテレビの筆頭株主だったようだ。
そのニッポン放送の筆頭株主が鹿内家だった。

ところが鹿内家の専制的経営に反発したニッポン放送・フジテレビの経営陣が鹿内家の追い落としを画策し、資本面でもニッポン放送の第三者割り当て増資をするなど影響力を排除してきた。
結果鹿内家は持ち株を手放したが、今度は(流動性が増したので当然と言えば当然だが)
村上ファンドに買われてしまい、あわてて(?)フジテレビも株を買い増した。

そして次のステップとしてフジテレビをグループの中核に据えようとして持ち株関係の整理をすべくTOBをかけたら、ライブドアに対抗されたということのようだ。


一方でライブドア

これは東京証券取引所の時間外取引(ToSTNeT)を使うのがフェアでないという議論だが、そもそもToSTNeTは持ち合い解消や投資信託などの大量の売買注文を時間内にさばくのが難しい、けど一方で5%以上の大株主が1%以上売買した場合は大量保有報告の変更届を提出しなければいけない、ということで、ポジション変更をしようというときに出来高の少ない銘柄を時間内で細々と売っていると、先回りされて売り浴びせられるので、主に機関投資家同士の取引を円滑にしよう、という目的だったように思う。

だとすると、当初からある程度の相対(あいたい)性は覚悟の上だったんじゃなかろうか?

逆にこれができないとすると、5%ルールに縛られていると「買うのは簡単だけど売るのは難しい」ということになってしまう。これでは株式市場が魅力的ではなくなる。


でもやっぱり「時間外だけど市場内取引」というのはきたない、というのであれば(確かにそんな気もする)、そもそもの問題は、流動性の低い株式の上場を認めていること自体にあるのではないか。


現在の東証の上場基準だと、特定の大株主保有比率が80%以下なら上場できる(来年度から70%以下に引き下げ)。そもそも20~30%しか流動性がない株式を上場させることがいいのか、特に2/3以上大株主が支配していれば、少数株主はほとんどなにもできない。

だから、いっそのこと上場基準を66%とか50%にして、支配株主ができたら上場廃止、というのがわかりやすいのではないか。

そうすると、証券会社やベンチャーキャピタルから、上場のときに40%も50%も売り出さざるを得なくなると値崩れするからいやだ、と抵抗されるだろうが、そもそも希少性をあおらないと売れないような株式を上場させるのがいいのか(こういうしくみがライブドアを生んだわけだから)、という反論もあろう。


結局ここでも市場の活性化と取引の適正化の判断の問題になる。


こう考えてみるとみると、いろいろ議論が整理できる。

<その1>
フジテレビ・ニッポン放送側は「カネに物を言わせて」とか「行き過ぎた資本の論理」などとライブドアを非難できる立場にはない。

だって、資本の論理で鹿内家を排除したわけだから


<その2>
ライブドアの取引手法への非難は結局株式の流動性⇒上場基準の問題に帰着するので、非難する前によく考えた方がいい


結局みんな「天ツバ」で自分に戻ってくる、ということだ。


こうなると、ライブドアはシステムの矛盾の申し子というわけだけど、商売において、価値観の差を利用して裁定取引をするというのは基本なわけだから、それ自体は非難できるものではないということになる。

ただ、黙っていればいいのに堀江社長は原理主義的発言をするもんだから、彼自身が尊敬されるかどうかは別問題だけど・・・
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ほていさん 

2005-02-15 | 飲んだり食べたり
今日は会議漬け。

今朝は9時から会議で、
その後来週締結予定の契約の社内打合せを弁当つきで昼休みまで
そのまま午後は5時間半ずっと缶詰で先方との契約交渉というデスマッチ状態
今日は結局この案件に8時間ぶっ通しでかかずらわっていたことになりますね


苦あれば楽ありということで
夜は昔の仕事仲間と遅めの新年会


場所は月島の「ほていさん」

3年くらい前に初めて行って以来、3,4回目。
最近は大人気で予約も取りづらいらしい。

料理はおきまりのコースのみ

つきだし2品 もずくと胡麻豆腐
大き目の小鉢にたっぷりとはいっている。

お刺身 マグロ(トロ)、カンパチ、ホタテ、ウニ、トリガイ、シャコ、タコ
ボリュームたっぷりでしかも物がいい。特にウニはかなりの上物

鮟鱇鍋
最初に鍋の具の上にアン肝が山盛りに盛り付けられていて、それをつまんで味見をさせてくれる。
まず、これが絶品。
あまりに美味しいので、火にかけてからもふたを取ってツマミ食いをしてしまう
煮立ったらアン肝を惜しげもなく崩して煮込んで出来上がり。
スープに溶け込み、具にからんだだアン肝のコクと甘味がポイント
幸せな気分で身体ばかりか心もあたたまる。

雑炊とお新香

で、しめて税込み5,250円はとってもお得だと思う。
大人気もうなずける。



そのあと、このメンバーで10年くらい前によく行った「岸田屋」を覗く。
この前今日の面子の1人が顔を出したらおかみさん(昔はおねえさんだった)覚えていてくれて
「Yさん元気?」と訊かれた(Yというのは巨体に愛嬌があるが髪の毛少ない顔が乗っている、ルックスでインパクトがあるうえに当時一番通いつめていた)ということで、既に暖簾を中に取り込んでいたが、Yもいたので勝手口から挨拶だけする。

この元おねえさんはとても愛想が良くて親切で、でもちょっとおっちょこちょいなところのある人(こう書くとサザエさんみたいだな)

昔はビールを頼むと必ず「ドライでいい?」と訊いてくる。でも、店にはスーパードライ(当時大人気)しか置いてないので選択の余地はない。
客も先刻承知なのだが、ある日「う~ん、一番絞りない?」と突っ込むと「ごめんね~ドライしかないんだ」といいながら、次に店に行ったときは、一番絞りも置いてくれるようになった。
というような、嬉しくもあり、ちょっと悪い事をしちゃったかな、という思い出もある。

岸田屋はもともと酒屋で、立ち飲みコーナーのつまみが人気になって居酒屋が本業になってしまった、という生い立ち。
ここの煮込みは「美味しんぼ」でも取り上げられたとか。
そのため(僕らを始めとして)遠くからくる客も増えたけど、基本は地元のお客さんで十分繁盛しているお店です。
(そういえば昔行くと必ずいたビートたけしにそっくりのオヤジはまだ元気で通っているのかなぁ・・・)


最近は月島商店街もきれいになり、オシャレな感じの店や高層マンションも増えたけど、岸田屋の店構えは昔と変わらず。
何かほっとする。



昼間のハイテンションが夜の幸せで十分ほぐされて、幸せな気持ちで家路につくことができました
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする