一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『K氏の大阪弁ブンガク論』

2019-02-28 | 乱読日記
内容的にはみんなのミシマガジンのコラムとして連載していた当時に読んでいた。

大阪弁で描かれた小説を大阪人が論評するので、東京者としては脇から面白がって眺めているしかない。

読み物としては、著者と津村記久子の対談の『大阪的』の方が腹におちる部分は多い。

あちこちで「大阪弁の身体性」が言及されるにつけ、自分自身の日常で使っている言葉が仕事とTwitter的なノリの言葉に二分されて、つまらなくなっていることに反省しきり。

★3

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『紙の月』

2019-02-27 | 乱読日記
横領をした銀行の契約社員の女性を軸にした人生とお金についての話。

実は日常の積み重ねのちょっとした延長として横領という行為に手を染め、それがエスカレートしていくプロセスの描き方が上手い。

目隠ししてジェットコースターに乗って、上り坂をゆっくり登りながら、どこまで上るのか、いつ破綻がくるのかという不安感を味わえる。

★4

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『舟を編む』

2019-02-26 | 乱読日記
2012年の本屋大賞で、既に映画化もされているのに、今頃初めて読んだのだが、人気になっただけのことはある。

辞書の編集のやり方とか言葉へのこだわりなどは思ってたよりさらっとしていたが、こういう語り口の青春小説(に入るんだと思う)って久しく読んでいなかったので新鮮だった。

★4

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『兄弟の血』

2019-02-25 | 乱読日記
『熊と踊れ』の続編。

登場人物の全員が怒りを抱えて生きている、その怒りの中心にある「家族」前作以上に重くのしかかる。こういう重い話は嫌いではない。

大胆な犯罪の構想やスピード感には相変わらずの冴えを見せているが、最後ちょっと辻褄あわせ感が出たのが残念。

★3.5

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『地下道の鳩: ジョン・ル・カレ回想録』

2019-02-24 | 乱読日記
ジョン・ル・カレの自伝。小説同様人や人生に対するシニカルな見方に小さなユーモアが加わってとても面白い。

スパイとして(正式に認めたのははじめてらしい)、またスパイ小説の大家としての経験や交友関係の広さとともに、歳をとっても現地でのリサーチを欠かさない姿勢(そのきっかけの出来事も書いてある)にも感嘆する。

★4

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『ちいさな独裁者』

2019-02-23 | キネマ

敗戦直前のドイツ軍からの脱走兵が、偶然見つけた将校の制服を着て成りすまし、他の脱走兵や敗残兵から自らの部隊を編成して、後方の街を舞台に私設裁判まで行なうようになった、という実話を基にした映画。

実話をもとにしていると言われなければにわかには信じがたい話だし、ストーリーの展開も強引に思えるが、階級章を盲信する兵卒、自分に都合がよければ多少怪しかろうと利用する他の将校などがからみあい、こういう輩を生み出したことが描かれる。
そして、本人の小心さとその裏返しとしての残酷さのエスカレートしていくところが本作の見どころ。

エンドロールの映像もぜひ見てほしい。


本筋とは違うが、主人公たちの行き過ぎた残虐行為に、利用したはずの他の部隊の将校が「それはドイツ的でない!」と批判する場面が印象的。戦時中の日本軍にはそういう規範意識のようなものはなかったのだろうか、とふと思った。

★4

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『ジュリアン』

2019-02-22 | キネマ

ここからが今年分。

妻に対するDVを子供の視点を中心に描いた映画。

本人は悪いことをしていると思ってないので、回りが少しでも遠慮・譲歩するとひどいことになってしまう、という救いのない日常をそのまま描いている。
回収されない伏線のようなエピソードがいくつかあるが、ドキュメンタリータッチの作品と思って観た方がいいと思う。

★3

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『トレインスポッティング』

2019-02-21 | キネマ

何を今さらなんだが、話題になった当時見そびれていたのを、amazon primeで見つけたので。

映像や音楽など、当時としては相当斬新だったろうなと今さらのように思う。

今や歴史的作品の仲間入りをしているが、Brexit騒動における若者の失業の話などを聞くと、状況としては今も似たようなものなのかもしれない。

★4

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『百円の恋』

2019-02-20 | キネマ

これも昨年。
『万引き家族』で安藤サクラを知ってから観た。

芸達者というか役者根性というか、さすが。

★4

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『レヴェナント:蘇えりし者』

2019-02-18 | キネマ

これも遅ればせながら昨年飛行機で観たんだが、こちらはそれでもけっこう面白かった。

凄惨なストーリーと美しい大自然の映像が印象的。スクリーンで観たらもっと大迫力だったんだろうと、そこが残念。

★3.5

 

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『ウィンド・リバー』

2019-02-17 | キネマ

ワイオミング州のネイティブ・アメリカン居留地をとりまく貧困・犯罪の連鎖とそこから脱出することの難しさ、がサイドストーリー。

自然管理局の職員として地元にとどまりネイティブアメリカンの妻と結婚した主人公と派遣されてきたFBIの白人女性捜査官という設定がうまい。

雪に閉ざされた土地と救いのないストーリーがリンクして印象的。

★4

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『ゲティ家の身代金』

2019-02-16 | キネマ

例によってしばらくごぶさたしてしまったが、昨年観たやつも含め映画の感想を。

これは昨年飛行機で観た。

大富豪の子供の誘拐劇と一族の軋轢を描いているんだが、ちょっとストーリーに追われている感じだった。

ただ、飛行機のモニターだといまいち入り込めないので、そこは割り引かれているかもしれない。

★3

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