一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『絶対に死ぬ私たちがこれだけは知っておきたい健康の話 』

2018-08-11 | 乱読日記

ノウハウ本というよりは、養生、生活習慣が大事だという、理屈では分かっていることを心にきざみ込んでくる金言がちりばめられていて、背筋が改まる。(いつまでもつかはわからないけど・・・)

「これを食べれば/飲めば」とか「この器具を使えば」という健康法を一蹴しているのも爽快。

曰く

生活習慣に面白みを追い求めてはいけない。

本書における「健康」は、「死んでしまうまでの間、この世をけっこう楽しんで生きられるココロとカラダの『いい塩梅』の状態を目指すこと。なんとなく選択しつづけた不健康によって、楽しんで生きられるココロとカラダを手放さなければならなくなるのは、たいへん不本意なことではないでしょうか。

物事を継続するときに大切な考え方がありまして、一度中断したからといって、そこで全部やめてしまう必要はないのです。三日坊主を一日あけて続けたら、ずっと続けているのと同じことです。・・・いったん中断しても再度すんなり始められる人のほうが、ただただ実直に続ける人より、実生活では強いと感じます。

 ★3.5

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『となりのイスラム』

2018-08-07 | 乱読日記
イスラム教・イスラム教徒について語るときには、現代西欧社会のものさしで測るか、または事実の羅列になってしまうことが多いが、本書は彼らがどういうものさしを持っているか、を、著者の研究や実体験をもとに平易に書いた本。

こういう本は大事。

★3

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『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』

2018-08-04 | 乱読日記

職場が居心地のよい場所だと感じている人は、意外に少ないのではないかと思っています。
だからこそ、仕事は必ずしも楽しいことではないけれど、そこで居心地よく働けることは大事であり、その結果として楽しみがついてくる可能性はある。

以上は本書からの引用。
これは皆思っているけど、「モチベーション」とか「チームワーク」とかいう掛け声や目標にかき消されて言えない人が多いのではないかと思う。
そもそも目標になるということは、自然発生しないからなんだけど、いちど目標に掲げられると、今度は達成度で評価されることになるので、「ふり」をするのが自己目的になってしまう。
逆に、単に「居心地がいい」と感じている人は、制度のスポット的な恩恵に属しているか、開き直っているか、ノーカンな人が多いように思う。

本書は「好きな日に出勤できる」「出退勤時間は自由」「嫌いな作業はやらなくてよい」など型破りな制度でしかも作業効率をあげ、離職率も減らしたことで話題になった、小さな水産加工会社の社長が書いた本だが、この現実を直視する姿勢を貫いた先に現在があるということが大事なのだと思う。

何か原理的・教条的なものからスタートしたわけでも、「○○メソッド」を売り込もうとしているわけでもないところが大事だし、この「制度」がすべての会社にあてはまると主張しているわけでもない。
本書の紹介を見ると、ほかにも東日本大震災で罹災、二重債務などのマスコミが好みそうなところが多いが、一番大事なのは、この現実的な目線だと思う。

経営者が勝手に妄想することで規制をして、従業員を縛るルールを作るのではなく、あくまでも従業員を信頼したうえでルールを作り、問題があれば、自分たちで軌道修正していくということです。はじめから信用されず、疑いの目で見られていては気持ちよい職場にはなりませんし、ルールもうまく機能していきません。
もちろん想像もしない問題が起きたり、トラブルが発生したりすることもあるでしょう。でもそれはその時に考えればいいのです。
そして実際に起きた問題にどう対処するのかを、従業員とともに考えるのです。そうやって成長していくことができるのが人間なのです。

PDCAサイクルの重要性はいたるところで説かれますが、性悪説に立つPDCAサイクルが規制だらけの負のスパイラルになる例は枚挙にいとまがないのに、そのことに注意喚起する人は少ないですね。
それをやると、コンサルや官庁が飯の食い上げになるからでしょうか。

 ★3.5

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『日帰り旅行は電車に乗って 関西編』

2018-08-01 | 乱読日記
関西の私鉄は関東に比べて面白いと思う。

たぶん、東京の私鉄は開業当初から都市間をつないでいたり、産業用だったりする路線が多く、今やほとんどが通勤路線になってしまっているのに対し、関西の私鉄は近郊の行楽地・名所旧跡をつなぐ路線が今でもたくさん残っている。
これは、明治になって鉄道というものが発達する以前からの行楽地・名所旧跡の蓄積の差によるのではないか。
『鉄道が変えた社寺参詣―初詣は鉄道とともに生まれ育った』に描かれている、明治時代の関西の鉄道間の競争の激しさをみても、当時の勢いがわかる。

今まで関西は出張のとんぼ返りや、旅行にしてもピンポイントで1~2泊程度がせいぜいだったが、ちょっと鉄道を使って足を延ばしてみよう、と思う関西鉄道初心者にとっては、電車と終着駅の魅力を伝える格好のガイドブックになっている。

★3.5

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