一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『シェイプ・オブ・ウォーター』

2018-03-21 | キネマ

(ネタバレあり)

アカデミー賞作品賞受賞効果(自分もその一人)で映画館は満席

突拍子もない設定ではあるが、マイノリティが今以上に差別され、悪役は悪役然としていた1960年代を舞台にすることで、ストーリーに厚みと妙なリアリティが出ている。
伏線の回収もしっかりしていて、派手なストーリー展開がなくても楽しめる。
映画に登場する当時の音楽に詳しければもっと楽しめたと思う。



最後「(逆)蒲田くん」がオチだったとは。

★3.5

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『仕事と家族 - 日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか』

2018-03-18 | 乱読日記
良書。
女性の労働参加率の低さ、出生率の低下という日本が直面している課題を、スウェーデンとアメリカという「大きな政府」と「小さな政府」という正反対に位置する国が、それぞれ比較的良好なパフォーマンスを示してきたことを過去に遡って分析しながら、日本においてどのような政策が有効であるのかを論じた本。

著者は「労働力と出生力の維持拡大」を目標として政策を選択すべきと説く。

日本では1970年代以降の経済不況を背景に、政府が福祉を「企業と家族」に委託する政策をとったため、企業は無限定な働き方を前提とする安定雇用を通じて男性の所得を維持させ、上の両国と異なり「共働き」社会への移行のチャンスを逃すことになったと分析する。
そして、無限定な働き方を前提としながら導入された均等法が結果的に女性の活用を遠ざけてしまったことなどを指摘する。

それ以外にも、未婚化の原因分析、日本で男女の家事分担の進まない理由、ケアワークなどが大幅な効率化が見込めない理由、家族間の格差の問題など示唆に富む指摘が多い。

★5


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする