一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「農業はサステナブルではない」

2012-07-02 | ECO・環境問題
先日紹介した『没落する文明』のなかに、「農業はサステナブルなものではない」という話がありました。

乱暴に要約するとこんな文脈。

定住人口を支えるために農耕を行なうことは土地に過剰な負荷をかけることになる。
(現に最初の文明の発祥地は皆砂漠化している)
それを解決したのは、リン鉱石の発掘やアンモニアの製造を通じて空気中の窒素を固定することが可能になった科学肥料の誕生であり、それは化石燃料に依存している。

なるほどな、と思った矢先に、先日リオ+20で発表された地球環境の許容度のデータでは、窒素量もCO2以上に地球の許容量をはるかに超えているという記事がありました(読売新聞のwebで見つからなかったのでこちら参照)

個人的には初耳だったのですが、実は専門家の間では窒素循環というのは当然の問題意識だったようです。
(たとえば農業における窒素循環の視角から循環型社会を展望するなど)

地球人口の増加と食糧問題を考えると、耕作適地(や水資源)の絶対量が限られるなかで収量の増加を志向せねばならず、循環型農業がそれに対してどこまで有効かというのが素人考えながら問題としては難しいように思います。

海水の富栄養化や窒素酸化物による大気汚染など地球温暖化以上に因果関係がはっきりしているし被害も具体的なので、ひょっとするとCO2問題よりも大きいのかもしれません。

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自然エネルギー

2011-11-16 | ECO・環境問題
先日クラス会があって、時節柄自然エネルギーになんらかの形でからんでいる人も多かった。

以下、飲みながらだったのでうろおぼえで、しかも裏をとってない(取る情報源がない)が興味深かった話


太陽光パネルはコストでは圧倒的に中国製が優位

日本は家庭用の太陽光パネルの開発からはいったので、小規模の効率などは最先端をいっているが、中国製は砂漠に何ヘクタールという規模で設置する前提のものを作っているので、効率や精度にはさほどこだわらずにコスト競争力優先で開発している。

なので、メガソーラーの世界で日本メーカーが競争するのは苦しいのではないか。

しかも中国メーカーも設備投資過剰なので値崩れしてきていて、参入して儲かるのかという問題もある。



風力発電は風車が大きくなるほど風切音が大きいので市街地近くには作りにくい。
日本は平地が少ないのでそうなると自然と洋上ということになるが、今度はあまり遠いと送電コストがかかってしまう。
洋上だと基礎を立ち上げるにしろ浮体にしろコストはかかるが、送電のための海底ケーブルも海流でゆれても切れないなどの高品質のものが必要で、けっこうそのコストが高い。

福島沖に洋上風力発電所計画 政府、復興支援の目玉にという計画があるが、125億のうち30億が送電用海底ケーブルの費用(この辺不正確かもしれません)

また、で近場に作ると漁場との共存という問題がある。
日本海のどこかでは漁礁とセットで作ろうという実験をしているが、なぜかサザエがとれなくなったとかいう例もあるらしい。

さらに、日本は落雷が非常に多く、欧米のメーカーの風車が想定している落雷対策では不十分な点もコスト高の原因になっている。


一方中国の「メガ風力発電所」が話題になっているが、実はその1/3近くが稼動していないらしい。
というのは中国は技術移転を条件に導入するが、ノウハウの流出を恐れている欧米メーカーは図面しか渡さない(製造・運転ノウハウまでは出さない)ために、故障が多いとか。


いろいろやってみることが大事、という段階なのかもしれない。

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いしいひさいちのマンガとは逆に地上の「最低人」が地底人に期待するのは僭越では?

2010-03-31 | ECO・環境問題
今日の日経夕刊のトップ記事
「地中熱」空調 受注競争熱く JFEなど参入 規制追い風 CO2排出3~5割少なく
(2010/3/31 12:00 情報元 日本経済新聞 電子版(最近話題なのでちょっと敬意を評して))

地中100mレベルだと通年15度くらいに保たれているので、水(だか冷媒だか)を循環させて空調に使うというシステムは、個人住宅レベルでは以前から一部で普及していました。
維持費は安価なんだけどイニシャルコストがかかるのが難点で普及が進んでいなかったようです。

こうやってビル(事業所)が積極的に取り入れると心配になるのが本当に資源が無限なのかということ。
高度成長期には東京とか大阪で地下水を工業用に利用しすぎて地盤沈下とか水質汚染が問題になりました。(その後地下水の汲みあげが禁止されたけっか地下水位も元に戻り、最近は温泉事業も活発です(関東地方だと1000mも掘れば確実に出るらしい))。
ただ、エントロピー増大の原理(熱力学第二法則)を持ち出すまでもなく、温暖化した大気を冷却するために地中との温度差を利用するのは、問題先送りにはなっても(特に多く参入がなされた場合には)本質的な解決にはならないんじゃないでしょうか。
夏場の暖気を地中に戻して蓄熱すれば若干平準化にはなるのかもしれませんけど。

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サマータイムについての考察

2008-07-18 | ECO・環境問題

最近どこかしこで「エコ」が叫ばれています。

「それなら会社を休むのが移動手段も使わないし一番のエコだから有給休暇を増やせばいい」などと放言していたものの、私も地球市民としてもうちょっとまじめに考えてみました。


「エコワーク月間」の実施について
(2008年7月15日(社)日本経済団体連合会)

日本経団連事務局では、地球温暖化防止のためのエネルギー消費の削減やワークライフバランスの実現などを目指し、昨年に続き、本年も8月の1カ月間、「エコワーク月間」として、勤務時間を午前8時30分~午後4時といたします。

俗に言う「サマータイム」というやつですね。
洞爺湖サミットにあわせてライトダウン・キャンペーンなどもやっていましたが、素人としての素朴な疑問は、

そもそも真夏の昼間に働くから冷房などの電気代がかかるのではないか?

ということ。
たとえば発電設備は真夏の日中の電力消費のピークにあわせて設計されているので、ピークを平準化させればそもそも発電設備をそれほど多く作らなくて済みます。
また、そもそも業務用の深夜電力は割引になっているくらいですから、自動車だと加速・減速を繰り返すよりは一定速度で走ったほうが燃費がいいのと同様、発電所も安定的で無理のない稼動を24時間するほうがいいのではないでしょうか。

昼間に働くのでなく夜に働くほうが冷房にかかる電気量も安く済むので、サマータイムより効率的だと思います。
電車なども日中は間引き運転することもできます。
飛行機も客が分散すれば、朝夕の滑走路の順番待ちの無駄な燃料も節約できます。

昼夜完全逆転が嫌な人もいるでしょうから、たとえば11時から17時までは一律休みにして早朝番(3時から11時)と夕方番(17時から1時)に分けるとか、通勤時間が短い人はそれぞれ4時間ずつ勤務して昼はシエスタにしてもいいですね。

そしてデパートやコンビニなども11時から4時までは閉店すれば、やたら日中出歩いて熱中症にかかる人も減るはずです。
当然高校野球もナイターにすれば、選手の負担も軽減されます。

日中の家庭の冷房代が増えるとは思いますが、日中の業務用電力消費量が激減するのでトータルの電力消費量が減るとともに昼夜の変化が平準化してより効率的になるのではないかと思います。


サマータイムで1時間繰り上げたりコンビニの深夜営業規制よりは効果は絶大だと思うのですが・・・

 

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