漁船拿捕 「規則ライン上で銃撃」 船長、1カ月半ぶり帰港
(2006年10月4日(水)03:38 産経新聞社)
根室市内で記者会見した坂下船長は、銃撃に関し「『パパン』という音だけで、停船命令や照明弾もなかった」などと突然、銃撃を受けたことを強調した。
操業場所についても「納沙布岬から北に約2キロの(ロシア側も日本の領海と認める北海道海面漁業調整)規則ラインの上だった」として、ロシア側裁判で領海侵犯と密漁の罪を認めたのは「早期釈放のためだった」と話し、ロシア側の対応に強い不満を示した。
根室海上保安部などは船内で事件について坂下船長から事情を聴いたが、吉進丸が調整規則ラインを越えて操業していた疑いもあるため、治療の状況を見ながら再度、事情を聴く方針。
船長も世間体があって違法操業だったと言いにくいと言うこともあるのかもしれませんし、だからといって海上保安庁も船長の言い分を鵜呑みにせず慎重に事実確認をしようという姿勢でいるようなので安心なのですが。
しかし、漁船が領海内で操業していたとすると、ロシアの警備艇が領海侵犯をした上で発砲・殺害し、生存者を拿捕したということになるので、それこそ重大な外交問題になります。
この場合、国として厳重に抗議するとともに関係者の処罰を求めなければなりません。
船長の発言はそのへん十分認識しての発言なんでしょうかね。
また、帰国する船には外務省の職員もいたと思うのですが、そのへんの事情をきちんと理解させての上での発言なんでしょうか。(もし逆に外務省の指示・入れ知恵だとしたらそれはそれですごい踏み込みようだと思いますが)
船長としては、結局事実関係は「藪の中」ということになるので、言った者勝ち、という判断なのかもしれませんが、 多分そうなった場合には、今後同様のトラブルが起きるのを避けるために全ての漁船に航路を記録する、飛行機におけるフライトレコーダーのようなブラックボックス(海上保安庁でないと開けられないしはずせない)の設置を義務付け、定期的に点検する、ということになるように思います。
そうすると、違法操業もすべて記録されてしまうので、(もし、現在違法操業している漁船があるとすれば、多分あるんだろうなぁ・・・)漁民達は自らの首を絞めることになってしまうのではないでしょうか。
その辺の展開まで意識しないと、自分を守ったと思ったら仲間(と自分の将来)を売っていた、ということになりかねませんよね。
このあたりは、企業不祥事と再発防止のための内部統制制度の充実と似たような話ですね。
帰国第一声として、拿捕の手順やいきなり発砲されたことへの不満を表明するのはいいと思いますが、操業場所については、どこまで考えての発言なのでしょうか。
ちょいと疑問なニュースでした。