最高裁、5.13倍「合憲」 5判事は「違憲」指摘
(10/04 19:09 産経新聞)
平成16年7月の参院選で、議員1人当たりの有権者数の格差(1票の格差)が最大5.13倍となった定数配分は違憲だとして、東京、神奈川、千葉の有権者11人が、3都県の選挙管理委員会に選挙の無効(やり直し)を求めた3件の訴訟の上告審判決が4日、最高裁大法廷(裁判長・町田顕長官)であった。町田裁判長は「国会の裁量権を超えたものと断ずることはできず、憲法に違反していない」と述べ、原告側の上告を棄却した。請求を棄却した1審・東京高裁判決が確定した。判決は裁判官15人のうち10人の多数意見。5人は「違憲」の反対意見だった。
大法廷は16年1月、最大格差が5.06倍だった13年の参院選の定数配分を合憲としていたが、15裁判官のうち6人が「違憲」の反対意見だった。合憲とした9人のうち4人も「次回も現状維持なら違憲の余地あり」と補足意見を述べていた。
この日の判決理由で町田裁判長はまず、「本件選挙当時の格差は5.13倍であり、前回選挙当時(5.06倍)と大きく異なるものではなかった」と言及。
さらに、(1)16年の判決から本件選挙までの期間は約6カ月で、不平等を是正する措置を講ずる期間として不十分だった(2)参院では本件選挙後、各種の是正案が具体的に検討され、4増4減案に基づく公選法の改正案が18年6月に成立して格差が縮小した-ことなどを指摘し、「これらの事情を考慮すると、本件選挙までに定数配分を改正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えたものと断ずることはできない」として合憲と判断した。
一方、判決理由の中では4増4減の改正について、「評価すべきものであるが、今後も国会においては、これまでの制度の枠組みの見直しをも含め、投票価値の格差をより縮小するための検討を継続することが憲法の趣旨に沿う」と述べ、格差の縮小をさらに促す異例の注文も付けた
最近は関心が薄れてきたのか、新聞やTVを見てもあまり大きくとりあげられておらず、テレビで参議院のなんとか委員の人も「合憲判決と思ってましたよ」などと余裕のコメントをしていました。
そのコメントも「4増4減」で格差が5倍を切ったからいいんじゃないか、という雰囲気だったのですが、(判決文全部を見てはいないのですが)上の記事の最後の段落でも定数是正後の姿も合憲とは言っておらず、また
反対意見の5人中3人は最大格差2倍を違憲判断の目安として明示。泉徳治裁判官(裁判官出身)は議員1人当たりの人口によって1票の価値を比較し「04年選挙当時、1票の価値が東京選挙区の2倍以上の選挙区は31もあり、約4700万人に実質1人2票以上が与えられたことになる」と述べた。
(共同通信)
という報道もあります。
最高裁も「5倍以下なら合憲」とはどこにも言っていないので、あまり安心していられる状況でもないようにも思えるのですが・・・