「イグ・ノーベル賞」での検索が急に増えたと思ったら、今年の発表があったんですね。
愉快な研究にイグ・ノーベル賞 日本人受賞は11人
(2006年10月07日 朝日新聞)
ちなみに日本人受賞は過去の累計です。
2005年度についてはこちらをご参照ください(その1、その2、その3)
さて、今年ですが公式HP(?)とリンク先の記事からざっと紹介します(誤訳御免)。
鳥類学賞
「キツツキはなぜ頭痛にならないか」を解明したUC DavisのIvan R. Schwab氏とUCLAの故Philip R.A. May氏に。
キツツキは1秒間に20回(※)、一日12,000回も固い木をつついている。しかも、1回あたり1200gの衝撃を受けている。
(※)ちなみに航空機などに搭載されるM61機関砲(バルカン砲)の発射速度が4000~6000発/分ですから、キツツキの1200回/分がいかに速いかと。
キツツキの頭蓋骨は厚く柔らかい骨でできていて(特に後頭部)、下顎の付け根部分の軟骨も衝撃の吸収に役立っている。
頭蓋骨の中には非常に小さいクモ膜下腔にほとんど脳脊髄液がない。
下顎と頭蓋骨を結ぶ強靭な筋肉はインパクトの数百分の1秒前に収縮し、インパクトの衝撃を吸収するとともに脳をバイパスして下顎の付け根から頭蓋骨の後頭部に伝える役割を果たす。
また、キツツキは完璧に垂直に木をつつくことで脳への衝撃を軽減していると同時に、眼底出血や網膜剥離の防止にも役立っていると思われる。
また、キツツキはインパクトの直前に目瞬きをすることで、木屑の飛散などから目を保護したり、4インチにも伸びる舌を噛まないように目と目の間に収納する構造を持っていたりとつつくことに伴う自傷を避けるさまざまな機能を持っている。
ログハウスの別荘を作った知り合いが、キツツキにつつかれて難儀していたという話を聞いたことがありますが、文句を言う前に尊敬の念を持ってあたらなければいけませんね。
栄養学賞
「フンコロガシも糞を選ぶ」を解明したクウェート大学のWasmia Al-Houty氏とクウェート環境省のFaten Al-Mussalam氏に。
フンコロガシは糞の液状部分を自分で食べ、固形部分を幼虫のために埋める。
草食動物の馬、ラクダ、羊の糞で比較したところ、馬>羊>ラクダとより液状部分の多い糞が好まれた。
肉食動物(犬、キツネ)については、食べなくはないものの、草食動物の糞がより好まれる結果となった。
「蓼食う虫も好き好き」というくらいですから。
やはり肉食動物の糞は固いんですね。日本人の食生活が変って直腸がんがふえた、というのもこの辺に理由があるのでしょうか。
平和賞
ティーンエイジャー撃退電子装置を発明したウェールズのMerthyr Tydfil(会社?)のHoward Stapleton氏に。
子どもには聞き取れるが大人には聞き取れない高周波音を発生する装置。電話の着信音にすれば教師に聞かれることもない。
確かにいろんな(悪)用が考えられそうですね。「聞こえなくなる歳までこんな歌聞いてちゃだめだぜ」とか。
でも、高周波が聞き取りにくいティーンエイジャーは仲間はずれになっちゃうのと、妙に耳がいい大人はうるさくてたまらないですね。
音響学賞
「人間は黒板をつめで引っかく音がなぜ嫌いなの」の実験をしたノースウエスタン大学(などに在籍)のD. Lynn Halpern氏、Randolph Blake氏、James Hillenbrand氏に。
リンク切れのため詳細不明。
フンコロガシにも好き嫌いがあるわけですから、音の好き嫌いにも理由があるかと。
数学賞
「誰も目を閉じていない集合写真を撮るために必要な撮影回数の計算」をした"Australian Commonwealth Scientific and Research Organization"のNic Svenson氏とPiers Barnes氏に。
これは写真を撮るのが毎度うまくいかずにイライラした物理学者が構築したモデルです。
人間は1分間に10回目瞬きをして、瞬きの時間は0.25秒、明るい照明下でのシャッター速度は8/1000秒、被写体の目瞬きはランダムに起きるという前提の計算です。
全員が目のあいた写真を99%の確率で撮れる枚数のグラフ。
モデルがシャッタースピードを変数に入れているので当然と言えば当然なんですが、"Bad Light"と"Good light"の差が人数が増えるに応じて開いていきます。
確かにシャッタースピードを早くできる環境で撮影する、というのがポイントのようですが、目瞬きをランダムにしないように、最初に全員同時に目をつぶらせて目を開けた直後に撮る(「チーズ」の「チ」で目を閉じる)という作戦はダメでしょうか(効果あるならとっくに誰かがやっているかw)。
(その2はこちら)
愉快な研究にイグ・ノーベル賞 日本人受賞は11人
(2006年10月07日 朝日新聞)
ちなみに日本人受賞は過去の累計です。
2005年度についてはこちらをご参照ください(その1、その2、その3)
さて、今年ですが公式HP(?)とリンク先の記事からざっと紹介します(誤訳御免)。
鳥類学賞
「キツツキはなぜ頭痛にならないか」を解明したUC DavisのIvan R. Schwab氏とUCLAの故Philip R.A. May氏に。
キツツキは1秒間に20回(※)、一日12,000回も固い木をつついている。しかも、1回あたり1200gの衝撃を受けている。
(※)ちなみに航空機などに搭載されるM61機関砲(バルカン砲)の発射速度が4000~6000発/分ですから、キツツキの1200回/分がいかに速いかと。
キツツキの頭蓋骨は厚く柔らかい骨でできていて(特に後頭部)、下顎の付け根部分の軟骨も衝撃の吸収に役立っている。
頭蓋骨の中には非常に小さいクモ膜下腔にほとんど脳脊髄液がない。
下顎と頭蓋骨を結ぶ強靭な筋肉はインパクトの数百分の1秒前に収縮し、インパクトの衝撃を吸収するとともに脳をバイパスして下顎の付け根から頭蓋骨の後頭部に伝える役割を果たす。
また、キツツキは完璧に垂直に木をつつくことで脳への衝撃を軽減していると同時に、眼底出血や網膜剥離の防止にも役立っていると思われる。
また、キツツキはインパクトの直前に目瞬きをすることで、木屑の飛散などから目を保護したり、4インチにも伸びる舌を噛まないように目と目の間に収納する構造を持っていたりとつつくことに伴う自傷を避けるさまざまな機能を持っている。
ログハウスの別荘を作った知り合いが、キツツキにつつかれて難儀していたという話を聞いたことがありますが、文句を言う前に尊敬の念を持ってあたらなければいけませんね。
栄養学賞
「フンコロガシも糞を選ぶ」を解明したクウェート大学のWasmia Al-Houty氏とクウェート環境省のFaten Al-Mussalam氏に。
フンコロガシは糞の液状部分を自分で食べ、固形部分を幼虫のために埋める。
草食動物の馬、ラクダ、羊の糞で比較したところ、馬>羊>ラクダとより液状部分の多い糞が好まれた。
肉食動物(犬、キツネ)については、食べなくはないものの、草食動物の糞がより好まれる結果となった。
「蓼食う虫も好き好き」というくらいですから。
やはり肉食動物の糞は固いんですね。日本人の食生活が変って直腸がんがふえた、というのもこの辺に理由があるのでしょうか。
平和賞
ティーンエイジャー撃退電子装置を発明したウェールズのMerthyr Tydfil(会社?)のHoward Stapleton氏に。
子どもには聞き取れるが大人には聞き取れない高周波音を発生する装置。電話の着信音にすれば教師に聞かれることもない。
確かにいろんな(悪)用が考えられそうですね。「聞こえなくなる歳までこんな歌聞いてちゃだめだぜ」とか。
でも、高周波が聞き取りにくいティーンエイジャーは仲間はずれになっちゃうのと、妙に耳がいい大人はうるさくてたまらないですね。
音響学賞
「人間は黒板をつめで引っかく音がなぜ嫌いなの」の実験をしたノースウエスタン大学(などに在籍)のD. Lynn Halpern氏、Randolph Blake氏、James Hillenbrand氏に。
リンク切れのため詳細不明。
フンコロガシにも好き嫌いがあるわけですから、音の好き嫌いにも理由があるかと。
数学賞
「誰も目を閉じていない集合写真を撮るために必要な撮影回数の計算」をした"Australian Commonwealth Scientific and Research Organization"のNic Svenson氏とPiers Barnes氏に。
これは写真を撮るのが毎度うまくいかずにイライラした物理学者が構築したモデルです。
人間は1分間に10回目瞬きをして、瞬きの時間は0.25秒、明るい照明下でのシャッター速度は8/1000秒、被写体の目瞬きはランダムに起きるという前提の計算です。
全員が目のあいた写真を99%の確率で撮れる枚数のグラフ。
モデルがシャッタースピードを変数に入れているので当然と言えば当然なんですが、"Bad Light"と"Good light"の差が人数が増えるに応じて開いていきます。
確かにシャッタースピードを早くできる環境で撮影する、というのがポイントのようですが、目瞬きをランダムにしないように、最初に全員同時に目をつぶらせて目を開けた直後に撮る(「チーズ」の「チ」で目を閉じる)という作戦はダメでしょうか(効果あるならとっくに誰かがやっているかw)。
(その2はこちら)