一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『アフリカの奇跡 OUT OF AFRICA』

2012-10-30 | 乱読日記
帯に
「単身渡ったケニアで、
 年商30億の会社を築き、
 70歳を超えてなお、
 新事業に挑戦する
 規格外の人生」
とあります。

著者のバイタリティあふれる生き方は読んでいるほうもわくわくさせられます。

でも、ビジネスとしては実はけっこうオーソドックスなことをしています。

著者はさまざまな事業を手がけてきましたが、必ず資金面や技術面や営業面でのパートナーと組んで行ないます。
なので、失敗をしても致命的にはなりませんし、うまく行けば急拡大できます。
そしていい意味での「人たらし」の人でもあります。

つまり、起業家の規格ど真ん中です。

その意味でも参考になります。


ところで、先日の日経ビジネス「次代を創る100人」
に著者もその一人として取り上げられていました。
本が出たり他のメディアに取り上げられる前から注目していればさすがだったのですがね。





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日経ビジネス「次代を創る100人」

2012-10-28 | よしなしごと
5年前に同じ企画があったとしたら、そこでも取り上げられていそうな人が半分以上いる感じなのが残念。

今が旬の人は得意だがこれからの人は弱いというマスコミの性格を考慮すると、かえってここ数年の閉塞感が際立つかもしれない。

若い人(スポーツ選手を除く)と女性が少ないのも気になる。
大企業の社長が多いが、次代を創るってそんなに長居するのだろうか。

紹介文を書いている人もマスコミへの露出が多い人達で、そういう仲間内の世界で完結しているうちは、突出した人達が出にくいのではないか。
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『「弱者」はなぜ救われないのか 貸金業法改正に見る政治の失敗』

2012-10-23 | 乱読日記

案の定、安直なタイトル同様中身の薄い本。

貸金業法改正に衆議院議員として自民党小委員会委員として関わった著者が「2006年改正に係る一連の議論を見てきた著者にしか言えない事がある」という割りに、事実と後講釈ばかりで、真摯な検証がないのは残念。

マスメディアや政治が「弱者救済」のもとにデータや理論ではなく感情論で規制をしてしまうことでかえって自助の道を閉ざしてしまう、と著者は言うが、とりたてて新しいことはありません。

個人的には総量規制は疑問だったなどの言い訳はともかく、本書で事後的に提示されるようなデータが立法作業時に提示されていたら本当に意思決定の結果が変わっていたのか、という検証をきっちりとするのが「一連の議論を見てきた著者にしかできない」ことだと思うのですが、そういう分析はありません。
また上の反省にも関わらず、データや理論に基づかない記述が多く、それに解決の方向性も示していません。

 政治やマスメディアが「弱者救済」を叫び、人々の生活への国の関与が増大することで新たな「規制」が設けられ、その一方で生活保護受給への流れが増しつつある。・・・さらに「規制」でそうした弱者の自力救済の道が狭められることでモラルハザードが進行し、その多くが最下層に流れ込む。
 大量の生活保護支給のために税金は嵩み、その税金を受け取る最下層の「生活保護者」から、日々の生活費を搾り取るヤミ金までもが誕生する。この下流から最下流への転落の構図、そしてその負のスパイラルは勢いがさらに加速しつつあるように見える。このスパイラルを断ち切ることができなければ、日本は衰退の一途をたどるであろう。

本書にはなぜかフリージャーナリストの「現場ルポ」なるものが挿入されています。
著者の大蔵官僚→衆議院議員→落選→広島大学経済学部教授(現在)という経歴、そして本書が金融財政事情研究会から出ていることを考えると、本書自体が互助会活動の一環のように思われ、個人的にはそっちの方が興味があります。

 

 

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『冷たい熱帯魚』

2012-10-21 | キネマ
評判に違わず。

役者の演技、脚本、映像表現など、日常と非日常の境目という映画の醍醐味を味わわせてくれます。

R-18指定だそうですが、これが「よい子は観てはいけない」という本来の映画の姿でもあると思います。
(でも、普通にレンタルビデオになってるのは何故なんだろう?)

直接的な暴力・エロ・グロだけでなく、台詞回しや舞台設定、小物が現代の日本をリアルに体現しているのも印象的でした。


実際の事件を下敷きにしたとのことですが、作品単体としての完成度も高いです。






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『人間の叡智』

2012-10-17 | 乱読日記

佐藤優が「今回は、思い切って語り下しで、わかりやすい本を作ることにした」新書。

新・帝国主義の時代と不安定要因としての中国とイランなどを抱える国際政治、資本主義とグローバリゼーション、国家と民主主義とポピュリズムなどについての見方と、その背景にある思想、そしてそれを支える知性の必要性を説きます。

ただ、わかりやすい語り口にしたために、各論の切り口やエピソードが豊富でかつ面白いので、最後の骨太の結論のところだけちょっと説教くさく思って敬遠する読者もいるかもしれません。

 品性の堕落とは、実は知性の堕落なのです。人間を合理的なことだけで捉えられると思っていると、だんだんそういう実利的、刹那的快楽の方向に行ってしまうのです。
 外向においても、合理主義の罠にとらえられると、前に述べたように、イランのような非合理な原理で動いている国の内在的論理がわからなくなり動静が見極められなくなってしまう。

 吉田茂にしても岸信介にしても、戦後の保守政治家には、そういう理屈を超えるものに気づく要素があったと思います。合理的なことだけでは国家を説明できない。国家は人間によって作られているものなのだけれども、個々の人間の意図を超えて動き出すことがある。その意味では国家は偶像と言うか、ユダヤ教神話のゴーレム(自分で動く泥人形)みたいな感じです。だから目に見えないもの、実念論が大事になってくる。
 その国家がいま危機的な状況にあるとすると、そこからいかに回復していくかという問題を見据え、語ることによって何らかの糸口を見つける仕事を果たす義務が知識人にはあります。


でも、こういう説教くさいところが、佐藤優の魅力なんですけどね。

 

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『二流小説家』

2012-10-15 | 乱読日記

久しぶりのハヤカワポケミス。
帯の「史上初、三冠達成!:このミステリーがすごい(2012年版 海外編)週刊文春ミステリーベスト10(2011年 海外部門)ミステリが読みたい!(2012年版 海外編)」につられて購入。
個人的には好みなのですが、帯にあるほど万人受けするとはちょっと意外でした。

あらすじをハヤカワ書房のサイトから

ハリーは冴えない中年作家。シリーズ物のミステリ、SF、ヴァンパイア小説の執筆で何とか食いつないできたが、ガールフレンドには愛想を尽かされ、家庭教師をしている女子高生からも小馬鹿にされる始末。だがそんなハリーに大逆転のチャンスが。かつてニューヨークを震撼させた連続殺人鬼より告白本の執筆を依頼されたのだ。ベストセラー作家になり周囲を見返すために、殺人鬼が服役中の刑務所に面会に向かうのだが……。

冴えない主人公が振り回されながらも事件を解決しようとする、というのもひとつの定石ですが、本書の魅力は作者の経験を色濃く反映したマイナーなSF小説やヴァンパイア小説、はたまたポルノ小説に関わる作家や読者たちがさまざまな局面で登場してきたり、作者の思い入れが主人公の口を借りていろんなところに顔を出すところにもあります。

特に「良識派市民」は眉をひそめる「健全でない人々」が沢山登場するところが個人的には好きです。
帯の「ランキング」が本当だとすると、日本の読者も許容度が上がったのかもしれません。

その反面、普通の登場人物の造形がちょっと月並みの観はありますし、純粋な「謎解き」としては完成度は高くないのですが、勢いと饒舌で最後まで一気に読ませる本です。


余計なお世話ですが、作者次回作をどうするかがちょっと心配。
同じ主人公でシリーズ化をもくろむのか(違いをどこまで出せるか?)、違う作品にするのか(その引出しはあるのか?)が本作で「アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞候補」にもなった著者の真価が問われることになりそうです。

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『新しい刑務所のかたち』

2012-10-12 | 乱読日記
本書は刑務所の実情や課題、PFI刑務所を通して見える表題どおりの「新しい刑務所のかたち」について示唆を得られることはもちろんですが、前半部はPFI制度のわかりやすい解説本としても非常に役に立ちます。

著者は日本で民間の資金や業務委託を利用したPFI刑務所を実現させ、その後も普及・改善に努力している法務省の官僚。

本省での予算管理とともに刑務所長としての現場の経験もあり、刑務所関係の予算の逼迫と現場の実情・課題をともに認識している著者が、海外の事例に学び、予定地の住民や自治体と意見交換し、民間事業者との関係を模索し、関係法令の整合性をとりながらPFI刑務所の実現に向けて進んでいく様子が生き生きと描かれています。


前半はPFI制度の導入に至る経緯について触れられていて、その中でPFI制度についても
わかりやすく説明されています。

事務委託の範囲と法規制の問題とか
事務委託者との間のリスク負担や費用支払いにおけるインセンティブのあり方とか
SPCとプロジェクト・ファイナンス、融資団の「ステップ・イン」による運営会社の倒産の場合の事業継続のしくみとか
構造改革特区法による事業と公共サービス改革法による事業との違いとか
他のPFIにおいてもポイントになりそうなことが、刑務所という具体例をもとに解説されているので参考になります。

その意味では、刑務所改革に関心がない方でも、読んで損はないと思います。


もっともそういう読み方は本書にとっては邪道で、本来は著者のPFI刑務所実現への情熱と努力の軌跡を味わうのが本筋です。

とかく官僚は批判されがちですが、本人のモチベーションと役所の課題などがツボにはまると力を発揮するいい例だと思います。
(一方で本書でも、途中でいきあたった官僚の壁についてやんわりと触れているところもありますが)




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ガラパゴス諸島の島々

2012-10-10 | あきなひ
防災特集や「スマート・ハウス」などの話になると、必ず電気自動車やプラグ・イン・ハイブリッド車を家庭用の非常用電源として使う、という話が出ます。

既に自動車会社各社は出揃っているようです。

EVを家庭用電源に変える取り組み、各社が製品化にメド

走る電源、進化するEV 三菱自・日産開発、ためた電力を家庭に供給 住宅で実証実験、停電しても1週間自給

トヨタが電力供給型「プリウスPHV」を投入へ、ガソリン満タンなら一般家庭4日分

しくみとしてはこんな感じ(これはトヨタの例)





ところが、それぞれのメーカーで、自動車と家庭用の電源をつなぐ設備の仕様が異なるため、例えばプリウスのPHVを持っている家庭に三菱のi-MiEVや日産のリーフをつないで非常用電源にすることはできないんだとか(何でそうなのかは詳しく聞けませんでしたので五回かもしれませんが)。

EVの充電方式については日本勢と欧米勢との間で「チャデモ」と「コンボ」の争いがあるようですが、同じチャデモ陣営の中でもここまで互換性がないとすれば、ダーウィンもびっくりですね。

チャデモがガラパゴスにならずに世界標準を勝ち取ったとしてもまだまだ先は長いのかもしれません。



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大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2012

2012-10-08 | うろうろ歩き
写真を整理する暇がなく、2か月近く経過してしまったのですが、8月に
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012に行ってきました。

越後妻有というのは、コシヒカリで有名な魚沼郡周辺、鉄道好きで言えば、十日町からほくほく線と飯山線で囲まれた地域、地理・地学好きで言えば信濃川の河岸段丘と棚田の地域を総称した名称で、ここで3年に1回「大地の芸術祭」が開催されます。


一言で言えば広い地域や村に点在した展示やイベントを回りながら、越後の自然を満喫する、という企画。
そう言うのは簡単なのですが、実は夏の新潟はけっこう蒸し暑く、また広い地域に点在しているので回るのも大変、なおかつこっそりとある展示を見つけるのも大変です。

ただ、「苦労も楽しみのうち」と考えると、この芸術祭の魅力が見えてきます。


・地元と無理なく共存している
今回が4回目になり、当初は地元の人々の理解をなかなか得られなかったようですが、今ではすっかり定着しているように見えます。
なにより、地元の人が無理しない程度に参加しているのがいいです。
ちょうど訪れたときは夏祭りだったのですが、そういうときは当然お祭り優先です。
また、出店のおばちゃんなども、縁日のノリでやっているいところが楽しいです。
ほくほく線も、臨時列車を運行するものの、末尾の写真の1枚目のように列車名も出さず、六日町駅では発車案内もないという力の抜けようが逆に楽しいです。

芸術祭側も「自分は高尚なことをやっている」、とか「村興しに協力している」という恩着せがましさが感じられません。

・分散型の運営
それぞれの展示が離れていることもあってか、サインやスタンプラリーなどの統一イベントはあるものの、展示・施設ごとに、地元の人やボランティアやアーティストが比較的自由にやっている感じがします。
「脱皮する家」を作った日大芸術学部彫刻学科は、合宿所みたいになってました。
また、

・要所で効いているデザインワーク
サインやのぼりは自然の風景を邪魔しないように、しかもちゃんと目立つように建っています。なので、近くに行けばあまり道に迷いません。
また、おみやげ物の企画・パッケージデザインなども、地元の特産品の特性とデザインワークのバランスがうまくとれています。

・不便なのがいい
とはいっても道に迷ったり、食事場所やトイレも探さなければならない、それに電車の本数が限られているので乗り遅れると大変なことになる、と何かと不便です。
また、芸術作品だけに、よくわからないものもけっこうあります(意味するところとか、どちらが正面なのかとか)
そうすると、自然と地元の人やボランティアと話をすることになります。
そうすると、皆楽しそうに参加しているのが伝わってきて、こちらの楽しみも倍化します。


芸術祭は3年後ですが、常時いろんなイベントをやっているようです。
芸術関係だけでなく棚田オーナー制度などもありますので、公式ウェブサイトをのぞいてみてください。


ここは日本有数の豪雪地帯で、冬場は3~4mの降雪がありますが、冬場にスキー・スノボの途中に訪問するのも一興かもしれません。


※ 写真は枚数が多かったので、フォトチャンネルにしてみました。



大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ その1




大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ その2


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話の面白い企業経営者

2012-10-04 | よしなしごと

先日聞いたニトリの社長の講演が非常に面白かったので考えたこと。

一方、日経新聞の「私の履歴書」に見られるように、企業経営者、特に大企業になればなるほど、けっこう話がつまらなくなってしまうのですが、なぜこういう違いが出るのだろうか。


ということで、企業経営者で話が面白い人の特徴(暫定版)。


1.格好をつけない
 偉くなればなるほど批判に対して狭量になったり、「大人物」と言われたりしたくなるためなのか、一定の発言や行動パターンを踏襲するひとが多い。
 格好つけている時点で「偉さ」か借り物であることが透けて見えてしまう。


2.空気を読まない・遠慮をしない
 自分の関心事にしか興味がなく、他人からの評価は気にしない人の話は面白い。
 大企業にいなるほど経営者も業界団体とか経団連の何某などという社会的立場による制約を受けがちだが、それから自由であることは重要。
 ニトリの社長を例に出せば「日本は構造的に人件費が高いので製造業は国内では成り立たない」「銀行は雨の日に傘を取り上げることしかしない」など言いたい放題でした

* その意味では楽天の三木谷社長の「新経連」設立は逆に中長期的には個社の社長としての行動を制約するほうに働いてしまうかもしれない。


3.一人称で語る
 外部環境うや社内の経営資源のせいにせず、責任は個人で負うという姿勢が大事。
 リーマンショックや東日本大震災(に起因する原発事故と電力不足)を話の枕に持ってこられると途端に話が面白くなくなる。
 「私は」と「わが社は」を置き換えても話の意味が変わらない話は面白くない。


4.自分の言葉で語る
 格好をつけたり、立場上の発言は、単語や言い回しやロジックのいずれかまたはすべてが借り物なので言葉が上滑りしてすっと入ってこない。
 もっとも上の三つを満たせば自然と自分の言葉になるはずで、逆に、自分の成功を借り物のコンセプトでしか表現できない経営者だとすれば、先は明るくないのだろう。

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オスプレイと法務部員

2012-10-03 | よしなしごと

オスプレイの事故率自体はヘリコプターを含めた海兵隊の航空機の平均事故率より低いそうです。
(たとえばこちら参照)

また、
MV-22オスプレイ事故率について 防衛省 2012年9月19日
によると、同じオスプレイ(V-22)にも異なる種類があるようです。

■ CV-22とMV-22
○任務の違いに伴い、要求性能や装備されている機器等航空機の仕様が異なる別機種。
 - MV-22:米海兵隊が輸送機として使用
 - CV-22:米空軍が特殊作戦機として使用
○ 機体構造は相似するが、任務の違いに伴い、訓練活動を含むその通常運用は大きく相違。
 - CV-22:特殊作戦という独特の任務所要のため、より過酷な条件下で訓練活動を実施

CV-22は輸送でなく戦闘のようなより厳しい状況のところで離着陸する(よりヘリコプターに近い使い方をする?)ので事故率が高くなるようです。

素人が乱暴にまとめると、      

              ヘリコプター    飛行機
滑走路      不用            必要
小回り       利く           利かない
航続距離    短い          長い
輸送力       小               大
事故率      高い             低い

で、オスプレイはそれぞれの中間の特長を持つということです。


上のように整理してみると、オスプレイは現場の担当者と弁護士の間に立つ法務部員と類似点が多いことに気づきます。


                   現場     弁護士
法律知識           詳しくない   専門家
現場知識            詳しい    詳しくない
現場での細かい対応    できる     できない
訴訟対応           できない     できる
解決する場合の時間     短い       長い
解決にかかる費用      安い       高い

法務部員はこの間に立っていて、時にはCV-22のように「特殊作戦」に参加して 現場から文句を言われたり、航続距離や輸送力がある輸送機(弁護士)のほうがいいじゃないか と言われたりするわけです。

特にヘリ飛行(現場モード)から固定翼飛行(弁護士モード)の切り替えのところが一番トラブルが起きやすいというあたりも、共通しています。

そう考えると、オスプレイはオスプレイなりに苦労はあるんでしょうね。

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戦わずして

2012-10-02 | よしなしごと
知り合いの航空自衛官の話。

今回の尖閣問題のようなことが起きなくても、沖縄に赴任していたときは、中国軍機はけっこう頻繁に領空近くに出没してスクランブルをしていたそうです。

レーダーでは偵察機だと思っていると、すぐ後ろに戦闘機が隠れていて、いきなり出てきてミサイルのロックオンをしてきたりするそうです。

ただ、F-15には相手の信号を解析する装置があって、ロックオンした相手の機種がわかり、そうすると搭載しているミサイルの性能がわかるので、万が一発射されても回避可能だから余裕なんだとか。


そんなことまで話していいのかなと思ってたら、別に秘密でもなんでもないようで、ググッたら出てきました。
RWR(RADAR WARNING RECEIVERS・レーダー警報受信機)

これによれば、分かるのは相手の航空機の機種のようで、機種ごとの装備と性能が分かっていると安心できるというわけですね。

逆に言えば、相手の航空機の性能の方が上回っているときは、戦意喪失してしまいそうです。

なんだか剣を交えずに構えただけで「参った」という剣豪同士の立会いのようですが・・・


ただ、こういう装置によって兵器の性能とそれについての情報が非常に大きなウエイトを占めるようになってきて、自軍の損失を最小限にするためには新型兵器の導入へのインセンティブが働くという構造が加速するようにも思います。

また、兵器メーカーにとっては、性能の情報は購入予定顧客以外に秘密にするよりも、広く公開したほうが売れ行きに貢献することになります。


よくできたマーケティング手法ですね。


話を尖閣に戻すと、中国は現在の兵器の性能格差を埋めようと継続的に予算をつぎ込むのでしょうし、一方で軍事予算に逆風が吹いている米国は、極東の安全保障(を重視するなら)中長期的に中国に対抗するためにはますます日本や台湾と協力する必要があるという構造にもつながるのかもしれません。




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