先週は株の下落と為替の円高で大騒ぎでした。
金曜にFRBは公定歩合を引き下げて流動性を供給する強い意思を示したので、金曜のNY市場は反転したようです。
FRBは(そして市場参加者やマスコミも)一定以上の過度なボラティリティの増加はよくないものとしてコントロールしよう、ということだと思います。
(もっとも
『経済物理学の発見』によれば、相場変動は正規分布でなくべき乗分布になっているので、「適正なボラティリティ」はどの程度か、については議論があるのだと思います。)。
私は専門家でないので、相場は今後どうなるかなんてのはまったくわかりませんが、「ボラティリティつながり」で考えたのがこれも素人考えの地球温暖化。
潘国連事務総長「温暖化は最重要課題」 会見で強調
(2007年8月18日(土)22:04 朝日新聞)
などというように、これも大きな関心事になっています。
でも、数百万年年単位で見れば氷河期がなんどか繰り返されてきたわけで、現在は間氷期とも考えられます。
少なくとも気温が毎年一定ということはなく、寒暖の差は年毎にあったわけです。
今の温室効果ガスによる地球温暖化が地球の気候に不可逆的な影響を与えるということが立証されているのか、はたまた、放っておいても間氷期としてそもそも温暖化が進む時期ではないのか、というあたりは私はわかりませんが、とにかく温室効果ガスの排出をやめたほうがいい、ということは(アメリカと中国以外の)国際的コンセンサスになっています。
数百万年のトレンドはさておいて、ここ数十年で平均気温が数度上昇することは、現在の世界にとって大きな打撃になるからですね。
つまり、現在の人類の文明や経済活動は、気候変動のボラティリティに対してきわめて脆弱なところに問題があるわけです。
縄文時代のように狩猟採集生活であれば、海面上昇にしたがって住みやすいところに移住したり生活パターンを変えればいいのですが、現在の都市インフラや産業構造をそのまま持っていくわけにはいきません。
また、実もふたもない例えをするなら、八重山諸島の珊瑚礁は温暖化の影響で減ってしまう代わりに百年単位であれば伊豆の海に珊瑚礁が広がるかもしれませんが、それでは観光産業に大打撃になってしまいます。
これ、考えてみると、外国為替証拠品取引(FX)でレバレッジを目いっぱいきかせていて、相場が見込みと逆になったらすぐに追い証や強制決済になってしまうようなポジションを取っている個人投資家と同じですよね。
(報道では「欲に目がくらんで失敗した人」風な報道のされ方ですが、本人が承知の上でやったわけですからあまり非難や皮肉めいたことは言わない方がいいと思います。)
結局自分のポジションがボラティリティに対してどこまで許容度があるか、という問題の根源は同じように思います。
また、ボラティリティにどの人為的に程度歯止めをかけるべきか、ということも同じですね。
いずれにしても豊かになりたい(お金を儲けたい)という希望に対してどの程度の節度を求めるか(またはリスク管理をするか)というのは難しい問題ですね。