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一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

上海のマンション倒壊

2009-06-30 | よしなしごと



建設中マンションが根元から倒壊 上海、1人死亡
(2009年6月29日10時4分 朝日新聞)

中国上海市閔行区で27日早朝、建設中の13階建てマンションが突然根元から倒れ、作業員1人が死亡した。現場では複数の棟を建築、分譲しており、マンション購入者100人以上が開発業者の事務所に押しかけ、代金返還を迫っている。

原因は不明だが、地元の報道によると、26日にそばの川の堤防が崩れかけたため、建物と川の間に大量の土を積み上げていた。地下駐車場を建設中だったとの情報もある。

写真を見ると、隣の棟にぶつからなくてよかったという感じです。
(隣の棟を買った人もうれしくはないでしょうけど)

毎日新聞の記事では

原因は調査中だが、前日の26日には、近くの河川の洪水対策用防護壁が83メートルにわたって倒壊する事故が起きている。

と微妙にニュアンスが違うようですが、この写真を見ると

朝日新聞の言うように堤防とjの間を土盛りしていたのは事実のようです。
ただ、それで建物が倒れたというわけではなさそうですが。

素人考えですが、堤防だか擁壁が崩れた(崩れそうになった)というのが河川の増水が原因ではなくて地下を流れる伏流水によって基礎が侵食されたのだとすると、このマンションも同様に基礎杭が侵食されたり、支持層まで垂直に立っていなかったのかもしれません。

そもそも上海は河口の砂州だったところなので、逆に高層建築には注意していると思ったんですけど、都心部だけでなく郊外にも建築が進んだために、地層のデータがないところでいい加減な調査を前提に設計したのでしょうか。

それとも単なる手抜き工事なのかもしれませんけど。


日本の耐震偽装もそうですが、出来上がってしまった建物が「本当に大丈夫か」と心配しだしても検証には限界があるところが難しいところで、中国の建設業や建築行政が、事後的に設計図や構造計算や施工監理について検証可能なようになっていないとすると(この辺は日本も威張れたものではなかったわけですが)、社会問題になるかもしれません。


 

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『その数学が戦略を決める』

2009-06-29 | 乱読日記

著者のイアン・エアーズはイェール大学の経済学部と法学部の教授でデータ分析を元にした意思決定の研究で『ヤバい経済学』のスティーブン・レビットなどとも共著があるそうですが、本書は『ヤバい経済学』で振れられた統計分析の手法が実際のマーケティングなどでどのように役立てられているかから説き起こし、統計分析の手法が今までの「専門家」の牙城をどのように切り崩しているかを語っています。

コンピューターの記憶容量と計算速度が飛躍的に向上したために極めて大量のデータを回帰分析にかけて、有意な因果関係を探ることが可能になったというのが本書のテーマです。

原題は"Super Crunchers - Why thinking-by-numbers is the new way to be smart"といいますが、すべてのデータを噛み砕く(crunch)ように取り込んで定量分析にかけてしまうというイメージなのでしょうが、訳語では「絶対計算」という表現を使い、けっこうこれが刺激的な効果を出しています。(これに対応する原文の単語はなんなんでしょうか)

本書では、絶対計算はすべての領域で専門家の予測よりいい結果を出していることについて、これでもか、というくらい具体例を挙げています。
そしてそれに対する専門家の反論(「自分のやることは定量化できない」というはのはわかりますが、「専門家は自分の専門領域以外については絶対計算に抵抗がない」というのはさもありなん、という感じではあります)に対して、これまた具体的に論破しています。
ここのところはとても刺激的です。

しかし、これが進むとジョージ・オーウェルの『1984』の世界(といっても現在はそこから四半世紀経っちゃってるんでご存じない方も多いでしょうか)、つまり個人の行動はすべて監視され・分析されてしまい、現場の人間は判断を奪われて地位が低下し、計算が間違った場合に検証不能になる、というデメリットも著者は当然認識しています(多分法学部の教授という部分はこういうことに対する対策の研究も含まれているのでしょう)。

そのためには、著者は我々一般人も、少しの統計の基礎知識と統計的な考え方を持つことを勧めています。

また絶対計算は専門家の予測に勝るとはいうものの、そもそもどのような統計分析を行うかについては専門家の直感が必要で、「今後の意志決定者はますます、直感とデータに基づく意思決定とを何度も切り替えつつ仕事をするようになる」といいます。  

直感は、データについて直感を持たない数値分析者たちの見逃しがちな新しい質問を問うよう導いてくれる。そしてデータベースはますます意思決定者たちに自分の直感を試せるようにしてくれる--それも一回限りではなく、リアルタイムで継続的に。

この「絶対計算」の手法をかなり前からマーケティングに使っているのがコンビニエンス・ストアで、それだけに僕としてはセブンイレブンに公取委の排除命令のエントリではセブンイレブンに対して厳しい言い方をしたというのもあります。


「絶対計算」が行き過ぎる世の中は不安という部分は確かにありますが、結局は意思決定の手段であり、意思決定の目的とその結果というところでチェックするしかないのかな、とも思っています(旧来の意思決定ですらよこしまな目的を持つ可能性もあるわけですから)。
 
  

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兄弟ゲンカ ドイツ版

2009-06-28 | M&A

こちらも一種の「兄弟ゲンカ」で、しかも同じく二転三転してます。

VWがポルシェ買収提案=グループ内で主導権狙う-独誌
(2009年6月28日(日)00:03 時事通信)  

独誌シュピーゲルは27日、欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)が、同社に約51%出資する独高級スポーツ車メーカーのポルシェに対し、買収提案を行ったと報じた。ポルシェは現在、巨額債務を抱え資金繰り難に陥っており、中東のカタールからの出資受け入れ交渉を進めている。  

同誌によると、VWは同社に20%出資する独ニーダーザクセン州とともに、ポルシェ株式の49%を30億~40億ユーロ(4000億~5300億円)で買収することを提案。次の段階として、ポルシェが保有するVW株式の購入権を中東のカタールが取得し、最終的にはVWとポルシェが合併する計画という。   

最終的な仕上がりとしてはカタールのお金はVWに入れて独ニーダーザクセン州とVWがポルシェを吸収する形にしたいということのようですが、現在ポルシェはVWの株式の51%を持っているので、子会社が親会社をどうやって買収するんだろう(そもそもドイツの法律だと子会社は親会社の株式を買えるのか?)などドイツの法律を全然知らないので、どういう順番でやれば上手くできるのかさっぱりわからなかったところ、もっとわかりやすい記事がありました(途中まで書いちゃって悔しいので残しておきます)。

独ポルシェと独VW、合併に向け協議することで合意
(2009年 05月 7日 10:35 JST ロイター) 

独高級車メーカーのポルシェと独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)(VOWG.DE: 株価, 企業情報, レポート)は6日、合併に向け協議することで合意したと発表した。  合併の協議に詳しい関係筋によると、ポルシェの既存株主は、設立される新会社への最大50億ユーロ(67億ドル)の増資を負担する。増資は2009年中または2010年に実施される見通し。増資を目的とした既存株主以外への株式売り出しは、現在検討されていないとしている。  

ポルシェ・オートモビル・ホールディングを率いるポルシェ一族と、VWの大株主であるピエヒ一族は、オーストリアのザルツブルグに集まり、ポルシェが抱える総額90億ユーロの負債とVWの株式取得の原資獲得について、1日かけて話し合った。その結果、合併に向け協議することで合意したという。  

最後の部分の原資にカタールの資金が関係してくるとすれば、時事通信の元ネタのシュピーゲル誌の記事とも整合性がつきそうです。  


でもこれだけでは「兄弟ゲンカ」ならぬ「親子ゲンカ」なのですが、もともとこの2社は親子会社だったのではないのですが、資本関係以外でもさまざまなつながりがあります。 

もともとVWとポルシェの関係は、遡れば「ビートル」をフェルディナンド・ポルシェ博士が設計したところから始まります。
その後ポルシェ氏はスポーツカーメーカーを創業します。 ポルシェ博士の没後、同属の争いを避けるためポルシェ家の一族はポルシェ社の経営陣にはならないというルールができ、それに従ってポルシェ博士の孫にあたるフェるディナンド・ピエヒ氏がポルシェ社からアウディに転職し、アウディの社長、そしてアウディの親会社であるVWの社長、2002年には会長に就任します。
一方VWは戦後しばらくは国営企業のままでいましたが、1960年に民営化する際に、筆頭株主のニーダーザクセン州以外の株主の議決権を20%に制限する法律が定められ、EU加盟によりその法律が改正されたものの依然としてニーダーザクセン州は拒否権を持つという今でも特殊な会社です。  
(このへんの詳細は07年の記事ですがWebCGポルシェとフォルクスワーゲン、経営統合でこれからどうなる!?を参照)  


ところで業績好調だったポルシェは、07年以降VW社の株を買い進め、今年の年初に50%超を取得します。
ポルシェがフォルクスワーゲンを子会社化
(2009年1月6日21時33分 朝日新聞)  

ドイツの高級スポーツ車メーカー、ポルシェは5日、同社が取得した自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の株式が50%を超え、子会社化したと発表した。  

DPA通信などによると、ポルシェのVW持ち株比率は42・6%から50・76%に引き上げられた。昨年10月末にポルシェがVW株を08年中に50%超、09年に75%超の取得を目指すと発表した後、VW株が急騰。ポルシェは08年中の過半数取得を見送っていた。  

ただ、ポルシェがVWを完全支配下に置くには課題もある。持ち株比率にかかわらず議決権を最大20%に制限する法律が改正されたものの、代わりに株式の約2割を持つニーダーザクセン州に拒否権が残されたためだ。欧州委員会やポルシェ側は引き続き、独政府に法改正を求めている。  

しかし、金融危機の影響でポルシェ社の業績は急速に悪化し、自らの資本増強が必要になってきてしまいました。
(投資銀行の従業員とか金融資産を持っている人が主要な顧客だったんでしょう。)

そして二週間前にはこんな記事まで出ていました。
ポルシェのオーナー一族、カタールによる出資を支持=独誌
(2009年6月15日(月)15:55 ロイター)  


VWとしては、このチャンスに親子関係を脱却し対等・または自分が主導権を握りたい、というところでしょうし、フェルディナンド・ピエヒ氏にとっては新会社にすることでポルシェ社の「同属禁止」ルールを超えて晴れて頂点に立つことができるということを意味するのかもしれません。  


M&Aもヨーロッパだと特別法に基づく拒否権とかが残っていたり、「一族」や「個人筆頭株主」という人々の発言権が大きかったりと、また米国流と違った趣がありますね。  

日本の会社法・M&Aの議論もアメリカ以外にも参考になりそうなものはいろいろあるのかもしれません。
(日本のワインも、デラウエア種ばかりでなく在来種の甲州を使ったりメルローなどを丹念に育てて美味しいワインを造る蔵が増えてきていますしね。)

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一澤帆布 今回は三男の勝ち

2009-06-27 | M&A

ニュースを見ただけでは決着がついたのかつかないのかいまひとつわからない話ではあります。
同じ遺言書の効力について最高裁判決が異なるということですが、訴訟物(訴えた内容)の異なる訴訟を提起したということでしょうか。

ネットの記事で一番詳しかったのが東京新聞ですが、これでもはっきりはしません。(下線筆者)
一澤帆布相続争い 今度は『無効』確定 最高裁、長男側の上告棄却
(2009年6月24日 東京新聞)  

京都の人気かばん店「一澤帆布工業」が兄弟の間で分裂する原因となった相続をめぐり、二通あったとされる父親、一澤信夫さんの遺言のうち、「自社株を長男と四男に相続させる」とする二通目の無効確認などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は二十三日、長男と四男の上告を退ける決定を出した。信夫さんから経営を任せられていた三男信三郎さんの妻の請求を認め、二通目の遺言書を無効とした二審大阪高裁判決が確定した。  

三男自身が起こした同様の訴訟では二〇〇四年に最高裁で敗訴が確定、第二の遺言書が有効とされており、同じ遺言書をめぐって最高裁の結論が食い違う事態になった。  

遺言書の効力が、二つの最高裁判決で異なったことに妻の代理人の菱田健次弁護士は「今回の訴訟の結論が正しいと考えている」とした。しかし、今後の相続手続きには「相手が応じるか分からないが、話し合いをするしかない」としている。

たぶん、下線の「など」というところか「妻の」(=当事者が違う)というあたりがポイントだったのではないかと思いますが。
また「相続手続きに相手が応じるかどうかはわからない」ということは、前回も今回も相続財産の帰属についての争いではなかったのでしょうか。  

一方で
勝訴の弟「今後は社業に専念」 遺言巡る一澤帆布訴訟
(2009年6月24日19時27分 朝日新聞) 

判決を受け、同社の代表取締役に復帰することになった信三郎さんは「今後は世間を騒がせないように本業に専念したい」と話した。  

という記事もあるので、今回の訴訟は株主総会決議不存在確認訴訟だったようにも読めます。


僕としては、職人がついていったという信三郎氏の方を応援していたので、とりあえずはよかったと思います。
(参照:一澤帆布改め「一澤信三郎帆布」デビュー

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『いのちの食べ方』

2009-06-26 | よしなしごと


原題は"Our Daily Bread"
大量生産のために機械化された野菜農場や養鶏場・養豚場・牛舎、そして加工場の様子を、ナレーションなし、BGMなしで淡々と映しています。

それだけに、雑音のなさ、作業員の少なさと会話のなさが際立ちます。

管理可能な状態で育てて機械的かつ迅速に処理するというのは衛生と効率にとっては理想的なわけで、それがここまで徹底しているからこそ、上の「アメリカ産ブロッコリー一束98円」というのが輸送コストをかけても実現するわけです。
映画ではトマトのハウス栽培(野球の室内練習場くらい広い)が出てくるのですが、トマトの苗自体が土に植わっておらず、ビニールで梱包した(多分保水性のある素材の)中に入っていて、上から吊るしたロープを伝って伸びています。
なので片付けるときは根元を切ってビニールのパックを回収して、枝葉は吊るしたロープごとカーテンのようにまとめて片付ければ以上終わり、という簡単さでした。


家畜についても、殺される動物がかわいそうと思うまでもなく、本人が死んだと気がつく前に解体されてパーツにされていた、というくらい効率的に処理されています。
(ちょっとかわいそうだったのは子豚の去勢のシーンでしたが)

近所にある漁港直送の魚屋で聞いた話では、魚は出荷前に活け締めにしないと傷みが早くなるそうで、しかも活け締めは血を抜くだけでなく神経も同時に抜かないと体温が上がってしまうんだそうです(反射運動のせい?)が、映画でサーモンの養殖を見ると、養殖池から大きなポンプで魚ごと吸い上げて一匹ずつベルトコンベアに乗せられると、一気に腸抜き、解体をされてしまいます。
こうなると職人芸の余地はないです。

牛豚鶏も、とてもシステマチックにから解体までなされます。
した牛は後ろ脚をつるしたまま一気に皮をはいでそのあとチェーンソーのようなもので真っ二つに左右に切り分け、そのまま片足から吊るされた半身ごとにラインを流れて加工されていきます。
(これだと脊髄も真っ二つになって問題部位が混ざるとしてBSEのときに問題になりましたね。)


「安全(特に衛生面)」と「安く」という消費者のニーズがこういう生産形態を作り上げたわけで、製作者もナレーションを入れずに観る人に自分で考えてもらおうとしているのだと思います。

大量生産の怖さをアピールするなら、さらに下流の工程、たとえばチキンマックナゲットがどの部位からできるかなどを追えばよかったでしょうし、逆に昔の屠畜場や食肉加工工場の映像を挿入し、天と地ほどの衛生状態の差を印象付けてもよかったわけです。


僕の感想。
安くて衛生的な食品が供給されること自体はいいと思いますが、工場化された生産工程がブラックボックスになってしまうことはないのか。
また、日本の農業は本当に太刀打ちできないのか、また、そうだとすると、より品質がいい、または手のかかっているものをきちんと評価した価格で購入する市場ができないといけない。
それから、趣味の世界で言うと、牛豚は内臓を捨てちゃっていたようなのですが、大量生産になるとホルモンとか新鮮なレバ刺しなど、多様な食生活はちょっと脇に追いやられてしまうのかな、と。


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東国原知事への出馬要請

2009-06-25 | まつりごと

マスコミの使い方が東国原知事の方が一枚上手だった、というだけの話なのかもしれませんが。

自民党内、広がる波紋 東国原氏への出馬要請
(2009年6月25日(木)03:17 朝日新聞)

自民党の古賀誠選挙対策委員長が東国原英夫・宮崎県知事に総選挙への出馬を要請したことが自民党内で波紋を広げている。知事側が党総裁候補とするよう求めたことについて、古賀氏は「国政に来たら総裁を目指して頑張ると(の趣旨だと)受け止めている」と記者団に語るなど、火消しに躍起だ。  

一方、東国原氏は24日、「宮崎だけでなく、地方のために私は国に行く。条件がそろえば」と記者団に語り、改めて国政転身への意欲を強調した。

後段のスタンスは、実は昭和の自民党の路線そのものですよね。
(東国原知事はどこまで具体的に主張しているかは知りませんが)知事の何人かが主張している自治体への予算配分・執行権限の委譲などを明確な政策にした場合、「一票の格差」問題とをあわさるとかなり過激な制度になりそうです。

「部分部分で正しいことを言っていればよくて、一貫した政策として表立って主張しない方が得策」という従来の自民党のスタンスを打ち破って東国原知事得意のマニフェストを作って国民の支持を問う、というのもいろんな意味で面白いと思います。



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セブン・イレブン値引き容認

2009-06-25 | あきなひ

あわてて行なった意思決定が功を奏するかどうか。

セブンイレブン、値引き販売容認へ 廃棄分15%負担
(2009年6月24日(水)03:01 朝日新聞)

捨てた商品の原価の15%を負担する方針については、井阪隆一社長が会見を開いて打ち出した。本部の負担は年間約100億円増える。「加盟店が廃棄を怖がり、縮小均衡につながることを懸念した。投資家への影響が出ない範囲で15%と決めた」(井阪社長)と説明。値引き販売を望まない姿勢をにじませた。報道による加盟店主の反応が予想以上に大きく、23日に急きょ臨時取締役会を開いて決めたという。

「15%」の理由として「投資家への影響が出ない範囲」って言っちゃったのはまずいんじゃないでしょうか。
加盟店と共存共栄のための合理的なルールを決めるのではなく自分の決算が大事、と言い放ったわけですから、「安易な値引きは中長期的に加盟店の利益にならない」といった先のコメントとも矛盾してますし。 



実はセブンイレブンのPOSレジはとてもカスタマイズしてあって値引きのコマンドがないので単品のデータ管理ができないから困ってるんだ、なんてことはないですよね・・・

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セブンイレブンに公取委の排除命令

2009-06-24 | あきなひ

これをコンプライアンスとか独禁法違反の問題にしてしまった自体にセブンイレブンという会社が陥っている問題があると思います。

セブンイレブンに排除命令 公取委、値引き制限「不当」
(2009年6月23日(火)03:30 朝日新聞)

約1万2千店舗を抱えるコンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンの本部(東京)が、販売期限の迫った弁当などを値引きして売った加盟店に値引きをしないよう強制していたとして、公正取引委員会は22日、独占禁止法違反(不公正な取引方法)で同社に排除措置命令を出した。  

本部との契約を打ち切られると事実上経営が成り立たなくなる加盟店は、本部からの要請に従わざるを得ない実態がある、と公取委は判断。独禁法の「優越的な地位の乱用」にあたると認定した。   

販売期限の迫った弁当などの値引きは「見切り販売」と呼ばれるが、これをしていた加盟店側は「見切り販売をせずに本部の要請通りに弁当などを捨てると、大きな損失が出て経営が圧迫される」と主張。本部側は「安易な見切り販売は中長期的に加盟店の利益にならない。発注精度を高めることがなによりも重要だ」などとして対立していた。

公取委によると、同社の会計方式では「デイリー品」を捨てた分の原価は加盟店側が負担することになるため、値引き販売ができないと加盟店の負担は大きくなるという。

一方、命令を受けて記者会見したセブン―イレブンの井阪隆一社長は「(加盟店と本部は)対等の立場にある。公取委とは見解の相違があり、残念だ。命令内容を精査し、慎重に検討したい」と発言。  

もともと緻密なPOSシステムを使い売れ筋商品の選別などの緻密なマーケティングで成長していたセブンイレブンが「安易な見切り販売は中長期的に加盟店の利益にならない。」と具体的な根拠もなく紋切り型の主張をするということ自体が自己矛盾なように思います。

値引き販売をしたとしても、その実績から、どういうタイミングでどの商品をどれくらい値引きすれば一番売り上げが上がるか、いっそのこと定価自体を値下げしたほうが全体の売り上げが上がるのではないかなどを試行錯誤しながらデータ分析して、最適な販売戦略をつくりだすのが本来の姿ではないでしょうか。
「発注精度を高めることがなによりも重要だ」と加盟店の努力に委ねること自体がビジネスモデルの自己否定だと思います。

また、「廃棄分の原価は加盟店負担」というルールは、見切り販売についてはデータ分析の対象とするより加盟店に禁止すれば(加盟店はともかく)自分の利益はあがるというセブンイレブン側のモラルハザードにつながります。
(そのルール自体が不合理・不公正ではないかということ以上に、)その部分についての「思考停止」は、長期的には緻密なマーケティングにより適正な商品をそろえて効率的に収益を上げるというビジネスモデルの足元をすくうことになりかねないように思います。  

それを「(加盟店と本部は)対等の立場にある。」「安易な見切り販売」「発注精度を高めることがなによりも重要」などと紋切り型で反論するのは、会社の中で成長に向けて不断の検証・修正・変革を行うよりも「現在のシステム・決まり事を堅持する」ことが至上命題になっているという会社の現状を反映しているように思います。

よしんばそういう契約を正当化する立場を是認したとしても、情報格差において優位性がある方が公取に対して事実(数字)に基づく主張をしなくてどうするのでしょうか。

先進的な経営で有名なセブン・イレブンですら、こういう風になってしまうのか、という印象を受けました。  


そもそも商売の素人である公正取引委員会に  

命令は・・・加盟店側が値引き販売できるようにするための具体的な方法を示した資料(マニュアル)を作ることを求めるなど、加盟店側に立った認定をした。  

公取委がセブン側に作成を求めている「加盟店が見切り販売をする際のマニュアル」には、「販売期限の何時間前から、何円まで値引きをすれば加盟店が利益を確保できるか」などが具体的に記されることが想定されているという。  

などとフェアでFC店と共存共栄できるビジネスモデルを示唆される(それも、こういうフィードバックのメカニズムなしのマニュアルを作ることが加盟店の利益になるとも思えないですし)こと自体、会社として恥ずべきことではないでしょうか。

「優越的地位の濫用だかなんだか知らんが、見切り販売しないほうがFC店もセブンイレブンも儲かる」と根拠を持って主張し切れなかった時点でセブンイレブン側の負けだと思いますし、実はそこの所を検証していない/わからないということ自体、会社として曲がり角にさしかかっているように思います。



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石垣食品の内部統制報告書監査意見不表明

2009-06-23 | あきなひ

「ミネラル麦茶」の石垣食品です。
社長が石垣さんと言う方で石垣島とは関係ないみたいです。

内部統制報告書が順次公表されつつありますが、この会社ように評価結果を表明せず、というものも増えそうです。 

内部統制監査報告書に関する監査意見不表明についてのお知らせ
(2009年6月22日 石垣食品株式会社 2901)  

当社は本日、東陽監査法人より、平成21 年3月期の内部統制報告書に添付される内部統制監査報告書について、「意見を表明しない」旨が記載された内部統制監査報告書を受領いたしましたので、お知らせいたします。

2.内部統制監査報告書の内容 
 会社は、内部統制報告書に記載のとおり、全社的統制をはじめとする必要な評価範囲の内部統制の評価手続を完了することができなかった。会社は重要な評価手続が実施できなかったため、財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できないとしている。
 当監査法人は、重要な監査手続が実施できなかったことにより、・・・財務報告に係る内部統制について、内部統制報告書に対する意見表明のための合理的な基礎を得ることができなかった。当監査法人は、・・・上記の内部統制報告書が、財務報告に係る内部統制の評価について、適正に表示しているかどうかについての意見を表明しない。  

5.会社の今後の対応 
 当社は財務報告の信頼性に関するリスクの重要な評価手続が実施できなかったため、財務報告に係る内部統制の評価結果を表明することができませんでした。 
 実施できなかったリスクの評価手続は、当社及び連結子会社における財務報告にかかる内部統制における一連のプロセスです。 財務報告の信頼性に関するリスクの評価手続を実施できなかった理由は、連結グループ全体において人員を削減しており、経理及び財務の知識・経験を有した者をリスクの評価に従事させることが困難であったためであります。ただし、当社は非常に小規模な組織であり、内部監査等の組織は有していないが、取締役による管理、各部署の相互監視が十分に機能し、不正誤謬が発生しないような内部統制体制を構築しているものと判断しております。   
 なお、財務報告にかかる内部統制の整備及び運用の重要性は認識しており、人員の制約はあるものの、環境を整備し、早期に評価を完了させる方針であります。
(下線筆者)

2009年3月期の決算短信をみると営業利益が2年連続赤字に加え、中国事業の撤退、工場の統廃合、本社不動産の譲渡による特別損失で相当苦しい決算になっています(借入金の返済が進んだのが救いですが)。 

また、株価低迷で上場廃止基準にも抵触しています。
当社株式の時価総額、事業の現状及び今後の事業展開について  

当社株式は、平成21 年1月の月末上場時価総額が3億円未満となりました。ジャスダック証券取引所が定める株券上場廃止基準・・・では、9ヶ月・・・以内に、毎月の月間平均上場時価総額及び月末上場時価総額が5億円以上にならないときは、上場廃止になる旨規定されております。  

そういう中で石垣食品は相当ドラスティックな人件費・人員の削減をして生き残りを図っています。 

(4)人件費の大幅削減によるコスト増加対応
 主に、廃止される船橋工場の人員のほか、機能を縮小する本社についても人員の配置を大幅に見直し、当社としては創業以来初めての整理解雇を実施しました。これは規模の小さな当社において、いわゆる一般経費の削減余地も非常に小さいため、経費における割合の大きい人件費に手をつけない事は避けられないとの判断によるものであります。
 更に残る役員・社員についても、役員報酬を平均67%削減するほか、全社員の給与を削減、当面の賞与不支給を決定するなど当社において大きな割合を占める人件費を大幅に削減することで、経費の大幅削減を行います。
 更に役員退職慰労金の支給制度の廃止を平成20 年8月7日開催の取締役会において決議、特別利益として役員退職慰労引当金戻入益49 百万円を計上したほか、以後の引当金繰入負担の軽減を図りました。これらにより本社人件費を削減し、年50 百万円程度の経費を抑えることで、品質要求に対応する為に増加するコストを吸収してまいります。  

その結果 会社概要をみると現在の従業員数はわずか20名です。

これではJ-Soxが求める内部統制までは手が回らない、というのも理解できます。
なにしろ決算短信の問い合わせ先が「経理部 主 任 小西一幸」ですから。 
おそらく管理系の部長は一人の取締役が全部兼務しているという状況ではないでしょうか。

「本社人件費を削減し、年50 百万円程度の経費を抑えることで、品質要求に対応する為に増加するコストを吸収してまいります。」
「当社は非常に小規模な組織であり、内部監査等の組織は有していないが、取締役による管理、各部署の相互監視が十分に機能し、不正誤謬が発生しないような内部統制体制を構築しているものと判断しております。」  

という書きぶりからも 

製品の品質が一番 
収益を改善し上場を維持するのが二番 
内部統制は実質的にはちゃんとやるつもりだけど、企業会計審議会の監査基準を満たすような体制づくりはそのつぎ

という気持ちが伝わってきます。

これはこれで会社経営の優先順位としては十分合理的なスタンスだと思います。
傷口からの出血を止める前に人間ドックを受診しても仕方がないですから。
「従業員20名のうちに財務報告に係る内部統制の担当者が5人います」なんて言ったら株主から石を投げられますよね。  

これは極端な例かもしれませんが、中小規模の会社においては内部統制の体制構築と経営資源の配分の合理性の綱引きの例がこれからけっこう出てきそうです。

そのような中でここ数年行きつ戻りつしながら妥当なところに基準が落ち着いていくのでしょう。

考えようによっては、景気がいい時に無理にコストをかけて過剰に立派な内部統制を構築してしまって、後で簡素化もできずに困るよりは、この不景気はある意味いいインパクトになるのかもしれません。

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OUTFOXED

2009-06-22 | よしなしごと
今週はサラリーマンNEOが休みだったので、この前見つけたんだけどNEOの裏番組に当たるので後半しか見れなかった東京MXテレビ(ご存じない方も多いと思うのですが東京のUHF局です)の松嶋×町山 未公開映画を観るTVを最初から観ました。
(前置きが長くてすみませんが、ウチはまだアナログTVだしDVDレコーダーなんてしゃれたものものもないので録画中に再生するなんて小じゃれたことができないし、そもそも録画したもの後で見るという習慣がきちんとできてないもので・・・)。

「松嶋」はオセロの松嶋尚美さん、「町山」は映画評論家の町山智浩氏です。

今回は"OUTFOXED"の後編。
アメリカのFOXTVの偏向度合い(いかに共和党寄りで、イラク戦争を正当化し、大統領選挙報道でブッシュ寄りの報道をしたかetc.)を告発したドキュメンタリー映画です。

概要は上の町山氏のサイトでも紹介されています。
また(英語ですが)Youtubeで予告編が見られます。


OUTFOXED: Rupert Murdoch\'s War on Journalism -- Trailer



そうはいっても、FOXTVはニュース番組としては4大ネットワーク中最大の視聴者数を誇っているそうで、報道に公正さを欠くということ以上に、そういう偏向報道を観たい人という層を上手くつかんでいる(洗脳している)ところに問題の根深さがありそうです。
(「24」もFOXTVの看板番組ですが、徐々に世相を反映して「敵」の描き方は微修正をしているあたりも局の方針の一環なのでしょう。)


映画の原題には"Rupert Murdoch's War on Journalism"という副題がついています。
FOXTVの編集方針には同社を所有しているニューズ・コーポレーションのオーナーであるルパート・マードック氏の意向が強く働いているようです。
マードック氏はアメリカ進出のときに米国籍を取得しましたが8年前、70歳のときに40歳年下の中国人女性と結婚し子供も2人もうけたそうです。
これが中国進出の足がかりを意識したのかどうかはわかりませんが、本人の政治スタンス、またはビジネススタンス次第では気がついたらFOXTVは親中国になってた、なんてことはないんでしょうか。


番組の内容は面白かったのですが、もともとMXTVって東京都が大株主なのにこんな映画を紹介して自分のところの編集方針に跳ね返ってこないかな、などと余計な心配をしてしまいました。

そこで株主構成を見ると

 株式会社エフエム東京(14.80%)
 株式会社中日新聞社(7.32%)
 東京都(4.10%)
 鹿島建設株式会社(4.10%)
 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(2.95%)

と(僕が想像していたように)東京都は筆頭株主ではないんですね。

開局当初、当時ほとんどテナントがいなかった東京臨海副都心の東京テレポートセンターにスタジオを構えていたのでこんなしがらみがあるんじゃ長持ちしないよなと思っていたのですが、今は引き払って麹町(筆頭株主のFM東京の近くです)にいるようです。

スポンサー探しには苦労しているのか、CMはアニメと音楽ばかりというのはちょっと気になるのですが、今後もUHF局らしくこういうゲリラ的な番組をいっぱい作ってほしいものです。


PS
地デジは周波数帯はUHF波なので、今後「U局」って何と言われるのでしょうか。
もっともいまだに「レコード大賞」といっている業界なので、けっこう慣習の縛りがきつく、余計な心配をする必要はないのかもしれませんね。

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週末のニュース

2009-06-21 | よしなしごと

相変わらずおいしい麻生首相

麻生首相「都議選は惜敗を期して」 あいさつ言い間違え
(2009年6月20日(土)23:21 朝日新聞)

首相は文京区から立候補を予定している前職の事務所を訪れた際、「前回、僅差(きんさ)で惜敗を喫したが、ぜひ皆さん方のお力添えをいただいて、今回は必ず惜敗を期して」とあいさつ。

漢字の読み間違いといい、この人は話すときに内容を頭の中で確認しながら話すということをしない人のようです。
それとも、ここのとこ何をやっても裏目に出るので、「惜敗」といえば圧勝できると思ったとか。



テレビのニュースを聞いていたら一瞬「ジローラモさん」と空耳。

男性最高齢は112歳木村さんに=女性は沖縄の114歳
(2009年6月19日(金)19:03 時事通信)

厚生労働省は19日、宮崎県の田鍋友時さん(113)が死去したことで、男性の国内最高齢は京都府京丹後市に住む112歳の木村次郎右衛門さんになったと発表した。木村さんは1897年4月19日生まれ。

田鍋さんの死去により男性の世界最高齢者はイギリス人になったそうですが、木村さんも長生きして世界一になってほしいものです。



こちらは訃報

水上健也氏死去(読売新聞グループ本社議長)
(6月20日21時45分 時事通信)
ナベツネ主筆のほかに議長というポストがあったんですね。
体制上は「代表取締役議長」は「代表取締役会長・主筆」よりも上のポストのようです(参照)。

そうなると、この会社の取締役会の議長は「議長」と「会長」(会長ってそもそも取締役会の長から来ているはず)のどちらがつとめることになっているのでしょうか。



最後はさまざまな夫婦のありよう。

カルピス株で不正容疑 味の素社員らに課徴金勧告
(2009年6月20日2時5分 朝日新聞)  

監視委によると、味の素社員は公表直前に上司から情報を聞き、妻の証券口座でカルピス株2千株を221万3千円で買い付けた疑い。勤務中に妻に電話をかけ、株購入を指示していたという。  

一方、カルピス社員の妻は、社内会議で株式交換を知った夫から情報を聞き、友人の女性名義の口座でカルピス株2千株を222万円で買い付けた疑い。夫から「インサイダー取引になるので買い付けないように」と注意されていたが、内緒で購入していたという。



 

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トランクス or ブリーフ?

2009-06-20 | よしなしごと


ABC.comでこんな記事がありました。
Avoid or Ignore? 11 Sperm-Killing Suspects  

男性の精子減少の要因についてはアメリカでも様々な都市伝説があるそうで、中にはマウンテン・デュー(昔日本でも売ってましたが今は売っているのでしょうか)を飲むといけないなどというのもあるとか。
僕が学生の頃は「メンソールのタバコを吸うと種無しになる」などという話がまことしやかに語られていました。  

この記事では巷で言われている原因11個について専門家に聞いています。  

Avoid or Ignore: Boxers vs. Briefs 
Ignore
ブリーフのほうが睾丸付近の温度が上昇しやすいという有意な研究結果はないんだそうです。

Avoid or Ignore: Laptops 
Avoid
これは電磁波が原因というよりは文字通り「ラップトップ」(腿の上)で長時間使用すると、睾丸付近の温度が上昇するためだとか。でも、そんな熱くなるまで置いとかないよな、普通。

Avoid or Ignore: Jacuzzis
Avoid
「睾丸が体の外にぶら下がってるのは冷却するためで、温浴はよくない」と言ってます。日本人の少子化の原因はこれか(笑)

Avoid or Ignore: Obesity(肥満) 
Avoid, If Only For Other Reasons(この問題に限らず避けたほうがいい)
肥満は男性ホルモンの現象と睾丸付近の高温化のダブルで影響があるとか。

Avoid or Ignore: Steroids 
Avoid
外的なステロイドの投与は、体内のテストステロンという男性ホルモンの分泌を抑える働きがあるそうです。

Avoid or Ignore: Smoking 
Avoid
喫煙は細胞にダメージを与えるので精子の品質に影響する。

Narcotics (e.g. Marijuana, Cocaine, Painkillers)  
Avoid, But For Other Reasons
そもそも麻薬は体に悪いということをおいといても、マリファナには精子の数や品質を落とす疑いが高く、コカインは陰嚢部の血液循環に影響を与え、鎮痛剤はテステステロンの分泌を減らすそうです。

Take or Ignore: Vitamins and Minerals
Undetermined
ビタミンやミネラルは抗酸化作用があり、精子の品質にも好影響を与えるという研究もあるようです。 Fruits and Veggies May Improve Sperm Quality
でも、明確な因果関係はまだはっきりしていないとのこと。
バランスの取れた食生活は大事だけど、サプリメントなどで過剰に摂取するのはよくないといっています。

Avoid or Ignore: Red Meat 
Ignore
これについても検証された研究結果はまだないそうです。地球温暖化対策の一環として家畜飼育による環境負荷を減らすために「週1日、肉抜いて」ポール・マッカートニーさんが活動なんて話題がありました。
地球温暖化の前に毎日肉食べてれば健康にはよくないと思いますけどね。

Avoid or Ignore: Emotional Stress
Undetermined -- But Worth Watching
ストレスが精子の減少に直接影響するという研究成果はないが、不妊治療をしているカップルは相当なストレスに悩まされることが多いので、間接的には影響があるのでは、と言っています。
ただ、ストレスを排除することで不妊治療の効果をあげたという研究結果はまだないそうです(検証しづらそうですしね)。 
少子高齢化対策とかいっていきなり子作りしろと言われてもそんな簡単にできるもんじゃないよ、ということかもしれません。

Avoid or Ignore: Aging 
Avoid
老化は確実に精子を減少させます。
ただ、何歳以上になるとどれくらい減るという有意なデーターはまだないそうです。  

結局、睾丸付近の温度上昇が精子減少の原因になるということ以外はよくわかってないんだそうです。 
ただ、睾丸周辺の静脈瘤は明らに影響があるらしいので、精子の数が少ないといわれた人は泌尿器科の専門医の診断をうけることを勧めています。

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規制緩和は規制強化につながる

2009-06-19 | あきなひ

と言ったのは、某業界大手企業の部長さん。

規制緩和
→新規参入
→「事後監督型行政」をいいことに好き勝手をやる連中の登場
→被害の発生
→世間の非難
→所管官庁による処分
→政令やガイドラインの強化

というサイクルをたどり、今までちゃんとやってきた会社までもが役所への報告や検査対応のための体制整備などの手間が増え、結局規制緩和が間接コスト増につながって利用者にもプラスにならないということになるという話。

その典型例がこれ
JDC信託:3カ月間の業務停止に 信託財産で借金返済
(2009年6月18日 21時16分 毎日新聞)

金融庁は18日、知的財産権信託会社「ジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC)信託」(東京都港区)に対し3カ月間の一部業務停止と、信託契約の解消も含めた業務改善を命じた。同社は、04年の信託業法改正で一般事業会社として初めて信託業免許を取得。日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画「フラガール」の製作資金を支援した。  

金融庁によると同社は、07年12月~08年6月にかけて、顧客から預かった信託財産から約3億円を借金返済に流用するなどした。金融庁は、信託業務の新規受け付けなどの停止を命じるとともに、顧客と信託契約を解消するか、他の引受先を見つけるよう命じた。業務停止は19日から3カ月間。今月25日までに業務改善計画を提出し、顧客の信託財産の保全状況を毎日報告するよう求めた。  

JDC信託は信託業法改正による規制緩和により、一般事業法人として始めて信託免許を取得した会社です。
「信託財産の分別管理」というのがフィクションに過ぎないかったということになってしまうと、信託法の改正で導入された自己信託や事業信託などは夢のまた夢になってしまいそうです。


日本郵政も民営化した今の方が所管官庁の総務省からの口出しが多いようですし(あ、これは別の要因か・・・)


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『ウェブはバカと暇人のもの 』

2009-06-18 | 乱読日記

タイトルは刺激的ですが、けっこうまともな本でした。  

ニュースサイトの編集者やコンサルタントをやっていて、荒らしや企業の無理解に直面してきた著者の経験をもとにタイトルにもあるような歯に衣きせずにネットを取り巻く現状を切っています。  

インターネットが低額で使い放題になった現在、掲示板などに書き込みをする人々は圧倒的に暇つぶしが多く、しかもそのネタ元は同じく(NHKの受信料以外は)無料で視聴できるテレビの影響力が圧倒的に大きい。
ネットから独自の大ヒット商品が生まれることはなく、またネットで行われている発言の大多数は日常の垂れ流しであり「Web2.0」で言われたような「能動的な表現者たちによるクリエイティブなコミュニケーション」が活発になされているわけではない、というのが本書の主張です。

・・・企業はどのようにしてネットを活用すればいいのだろうか? 答えはあまりにもシンプルすぎるが、Web2.0だのバイラルだのと言わずに、ただ良い商品を作り、面白いイベントを企画し、ステキな広告・広報活動をすることなのである。

ネットだからといって特別視するのではなく、ふだんの企業活動をキチンとやり、「あ、これはネットに向いているから、ネットでやってみるか」とそのつど判断するだけでいいのだ。「マスに出すだけのカネはないからネットで何かやろう」「とにかくネットでなにかをやりたい」と考えるのではなく、「これはネットに向いているから、ネットで何かをやりたい」と考えるべきなのである。 

そしてネットに対する正しい理解を持ち、「ユーザーはみんな善人で、企業のことをホメてくれ、販促の後押しをしてくれる」という性善説に立った考えを捨てることだ。

そして、ネットユーザーも返す刀で切って捨てています。  

ネットがない時代にもともと優秀だった人は、今でもリアルとネットの世界に浮遊する多種多様な情報をうまく編集し、生活をより便利にしている。ネットがない時代に暇で立ち読みやテレビゲームばかりやっていた人は、ネットというあらたな、そして最強の暇つぶしツールを手に入れただけである。  

本当に能力や根性がある人間は、インターネットがなくても必ず評価をされるし、「機会がないから私はこれまでダアメだったんだ」「夢さえあればいつかは叶うはず」などと言わない。そんなことを言う人には、インターネットは何ももたらさない。

タイトルは刺激的で、本文もかなり乱暴な表現や脱線気味のところもあるのですが、出典や根拠は明記してあり、決して無責任な内容の本ではありません。 

こういう本書のスタイルも「荒らし」や「祭り」を楽しむようなテレビとネットで暇つぶしをしている連中は金を出してわざわざ本など買って読まないだろう、また、素人の文章の寄せ集めではきちんとしたコンテンツはできない、と主張する編集者でもある筆者の矜持(意地?)の表れと読めなくもありません。 


インターネット業界に縁のない僕にとっては、いろんな意味で楽しめるし考えさせられる本でした。

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カルタゴ

2009-06-17 | 飲んだり食べたり
カルタゴといえば象を率いてアルプス越えをしてローマに攻め入ったハンニバルが有名ですが、これは中野にあるチュニジア料理のお店。

中央線沿線在住の人間につれられ久しぶりに中野まで足を伸ばしました。
(相変わらずブログなどと縁のない連中と行っており、飲み食いしゃべりに集中して写真をとっていませんのでお店のHPをご参照ください)

カルタゴ=チュニジア料理とまで狭いものではなくアラブ・トルコ寄りの地中海料理のお店です。

メニューとしてはケバブ、クスクスを中心に魚介、卵、野菜、豆を使った料理など豊富にあります。
ご主人と奥さん2人でやっているとは思えないくらいのメニューの豊富さです。

もともと気候が温暖な地中海は北ヨーロッパよりも豊かだったということを感じさせられます。

基本はケバブのようなグリルにしても野菜が挟まっているし、クスクスやサラダはひき肉や野菜とソース・ペーストを混ぜるのでバランスもよく、ワイワイ食べるには最適です。
(クスクスは地中海沿岸の中でも地域によって若干違いがあるそうですがどこが違うかは酔っ払って失念(苦笑))
香辛料もそんなにきつくないし、ラムも臭みがありません(このへんはジンギスカンブームで良質のラムが流通するようになった恩恵かも)。

お酒もチュニジアやトルコなど各国のビールやワインがあります。
レバノンのワインは比較的有名ですが、チュニジアのワインは直輸入だと思ったら輸入している商社があるようでびっくりで、しかもお店で飲んでも安いので商売になるのか心配なくらいです。
赤ワインも比較的軽めですが、安っぽくはありません。
ガツガツ食べながら飲むにはちょうどいい感じです。

ただ若干問題は、クスクス。
小麦をそぼろ状の細かい粒にしているだけあって、皿に盛ってあっても粒が細かい分隙間が密なので、見た目よりもお腹にたまります。
頼みすぎ、特に追加注文はよく考えてからのほうがいいです。


帰りが遠いのが難点ですが、暑いうちにもう一度くらいは行ってみようと思います。


PS
家に帰ってから「ローマ人の物語」の「ハンニバル戦記」を読み返してます。

アルプスを象を歩かせて越えるより、カルタゴからコルシカ島まで象を船に乗せて運ぶほうが簡単だったというあたり、発展途上国の地方部では携帯電話の方が有線電話より先に普及するというのに似ていますね。


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