小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

「タネが消えれば、あなたも消える。」種子法廃止 ~西川芳昭さんを迎えて

2019年02月28日 | 自家採種
■母島は今、カンヒザクラが満開です♪

メジロちゃんが沢山桜の蜜を吸いに集まって来ています(*^_^*)

そんな最中、とても興味深い講演会がありました♪
2018年の4月に廃止された「種子法」についての西川芳昭さんによる講演会でした。

※これはイソフジの種です(父島)。

僕自身、色んな野菜の自家採取をしています。
巷では種子法の廃止に伴い、自家採取ができなくなると警告を発していましたが、
僕自身、その法律を覗いても、それに繋がる理解が全然進みませんでした。

今回、その話が聞けるという事でとても楽しみに会場に向かいました♡


※これはルビーローゼルの種です♪

■結論から言うと、種子法の廃止に伴い、自家採取が禁止されるということはないことが分かりました♪
とりあえず、その部分ですごくホッとしました。

種子法というものは、
米、麦、大豆の安定供給を都道府県に義務付けていた法律だそうです。

だから自家採種に対して、影響のある法律廃止でないことが分かりました。

しかし、まだ安心は禁物です。

「種子法」ではなく「種苗法」にはその自家採取に関わる部分があるらしく、
例えば、野心のある政治家が暴走して種苗法をいじった場合、自家採取が禁止される可能性はあるとのことでした。

※これはローゼルの種

■西川さんの話は様々な外国も渡り歩き、
旅人の目線で農を語れるところに面白さが詰まっていました♡

ここで文字にはできない色んな裏話の宝庫(笑)♪


講演後の懇親会、翌日は畑にも来てもらって、色んなお話を聞かせてもらいました。

農林水産省、国際協力機構、名古屋大学助教授、京都大学の農学部を経て、
龍谷大学経済学部教授でもある彼の話はあまりに面白かったのです。

恐らく、農業系での講演会では過去最高に面白かったです♪

様々な国、文化、フィールドに触れて多様化する目線が、そう思わせてくれたのかも知れません。
無類のネコ好きということもほっこりさせられました(*^_^*)

畑に来て、当たり前にローゼルを知っていて、嬉しかったです♪


■さて、問題の種子法の廃止についてですが、
賛否両論あります。

東北等、米・麦・大豆の生産地では各都道府県でそれを維持する条例が制定されている県もあるようです。
しかし、種子法の廃止によって、全国一律にリザーブしていた大事な穀物の維持管理は、
各地の状況によって分かれてしまっている現状を生んでいるようです。

西川さんのおもいとしては、
「政府が大事な国民の穀物の維持に関するものを放棄した」
が一番の大きな視点だった気がします。

「種子が消えれば、食べ物も消える。そして君も」という言葉があります。
それは国際的ジーンバンク(遺伝資源銀行)の創設に生涯を捧げたベント・スコウマンの言葉です。

確かにそうです。
種子が無ければ人は生きていけません。

除草剤ラウンドアップのモンサント社が種子を牛耳る意味が分かってきます。
種子を制圧すれば、その国の生活を制圧したに等しいのです。

これはモロヘイヤの種です。

1952年に出来た種子法。
国民を飢えさせないという目的で米、麦、大豆の良質な種を安心してすべての農家が使える環境作りを都道府県に担わせていた法律でした。

この法を無くし。公で維持するのではなく、民間に任せる流れはある意味、自由度は増すのですが、
不作の年など何か大きなダメージを伴う年があった時などは脆くなるのが容易に想像できます。

また、そういった農家の次世代の担い手の少なさもかなり問題です。

消費者はただ購入するではなく、
この生産者の切実な状況を知り、それに対してアクションを起こすタイミングに来ていると思います。

日本の自給率は40%を切り、切実な状況なのです。



■種子法に直接は関わらないのですが、色々と問題視される遺伝子組み換えの作物。
これはもう実はかなりの部分に入って来ています。

それは原材料とかではなく、表示されない加工品の原料や家畜の飼料に入ってきているそうです。

モンサント社の遺伝子組み換えの作物を例にとると、
まず、除草剤ラウンドアップに耐性を持った大豆を遺伝子組み換えによって作り出します。

そして、その遺伝子組み換えの大豆を生産者に購入させます。
そこにラウンドアップを撒くと、遺伝子組み換えの大豆以外は枯れてしまいます。
これは大幅に除草の作業を短縮できることを意味しています。

生産者はモンサントから種さえ買えば、除草の手間のいらない楽な大豆作りができるというからくりです。

しかし、自家採取していた以前とは違い、
毎年大量の遺伝子組み換えの種子、除草剤を購入しなければならず、連作障害や地力減退で年々収穫量が減るのは避けられません。

すると種子購入の現金調達に困ります。
するとモンサントは他の農家に切り替えます。
残されたのは作物が出来なくなった広大な圃場と借金が残るだけ。

これが現代の遺伝子組み換え作物が生み出す負の連鎖だと思います。


■西川さんの話を聞いていると、農家の使命の大きさに気付かされます。

当たり前に種を自家採取して維持してく時代から、
種は買う時代になって来ています。

しかし、沖縄では種取祭(タナドゥイ)という名前の祭が残っています。
種を取るという事だけでも祭に成るほど、大事なものであるという意識があったのです。


僕は母島で持続可能な農を目指す身として、
この島の気候や大地に合った種を大事に保存して、生産していこうと強く心に思いました。


カッコいい母島の男の子!!

2019年02月20日 | 母島 暮らし 子供
■父島から遅れて2週間、母島のカンヒザクラもだいぶ花が増えてきました♪

僕が週に少しだけ働いている介護の職場でも植えた桜がついに咲いて、みんなで喜んでいる所です(*^_^*)

桜という樹は不思議ですね~
葉っぱの前にまず美しい花で見る人をうっとりさせてくれます♡

そんな桜を眺める休日、次女と脇浜に釣りに行く事になりました。
前日に、釣りを教えてくれるという同級生の男の子(小3)がいるのです♪

その男の子がすごくカッコいいのです!!!!


■僕は別の用事があり、一度子供だけ灯台周辺に残して港に人のお迎えに行きました。

すると突然の横殴りの大雨!!スコールです!!
釣りをしている子供達大丈夫だろうか?

急いで脇浜に戻ってみると、脇浜の屋根のあるステージに避難しているびしょ濡れの大人たち(釣りをしていた観光客)がいました。
子供たちが心配になって見に行くと、全然濡れておらず、さっさと釣りを再開していました(笑)。

「雨、大丈夫だったの?」
聞いてみました。

「うん!風の反対方向(風下)の灯台の裏に隠れてやり過ごした!へっちゃら!」

…う~む。なんてカッコいいんだ。
大して動かずに、その場の物を見事に利用して切り抜けるとは!!
大人では敵わない、類稀なセンスをもっています♡


■さらに小学3年生の彼は言います。
「これあげる!」

みると見事な40cm位のチギ(バラハタ)です!

なんでも釣りというよりは、定置針みたいな仕掛けでゲットした獲物だそうです。
すごいな~!
もう「はらわた」や「えら」なども取られており、下処理まで終えた状態。
口に紐を通し、完全にお持ち帰り状態(*^_^*)

すごい小学生です。
お礼を言って有難く頂きました☆

釣ったロクセンスズメダイ達をどんどん餌として利用してさらなる大物を狙っています。
凄すぎます♪

次女も初めて小さいですが、カモンハタを釣れたようです(*^_^*)

さらに、
その後メアジの大群が確認できて、彼は仕掛けをさっと変え、メアジ釣りにシフト。

周囲の観光客の大人5人が全く釣れない中、小学3年生の彼だけがバンバンとメアジを釣り上げます。
「おい!なんで小学生ばかり釣れるんだよ~!」
と大人は嘆きます(笑)。

すると、小学生の彼は大人に
「この竿じゃしなり過ぎてダメだね。こっちにするといいんじゃない?」
とアドバイス。

ああ、もうカッコ良過ぎて言葉になりません。

小学3年生の彼は自分で仕掛けを組み、魚を釣り、鱗とはらわたを当たり前に処理するのです。
釣れない大人へのアドバイスも的確。

僕の価値観に照らし合わせると、なんて最高のオトコなのでしょう!!
カッコ良過ぎるのです!!

学校の勉強よりはるかに大事なものを彼は身に付けていると感じます。
言わば、「生きる力」です。

その後はアオリイカの姿も見えて、イカ釣りにシフトしました♪

ルアーを入れて、目視しながらイカとの駆け引きを楽しむのは島ならではな気がします☆

僕が褒めていると、
釣りの達人の幼くも逞しい彼が言います。
「でもね島のTっちゃんや、Nいさんの方がすごい。彼らは神レベルだよ!」
僕から見ても超尊敬する彼にとっても超尊敬できる大人が母島にはいるというのです。
リスペクト出来る大人が周りにいるという最高の環境です♪

その日も水平線に沈む夕日を見ながら考えました。

人として必要な能力(スキル)についてです。

学校で学ぶ勉強や、会社で働くことも大事でしょう。
人間関係や、地域社会の活動も大事でしょう。

しかし、今回僕の魂を揺さぶるのは、
貨幣経済や大量消費の世界ではなく、
ただ単純に獲物を獲って生きて行くという本能に訴える部分でした。

僕自身は釣りはあまり好きではないのですが、
潜って銛で漁をするのは大好きです♪

今年は暖かくなったら、ちょっと頑張ろうかな(*^_^*)
そう思わせてくれました。

狩猟民族の本能に訴えかけるものを小学3年生の彼は持っていると思います。

将来は漁師になりたいという、すごく純粋でまっとうな魂の彼を僕はずっと見守っていきたいです♪



クジラ三昧!! 母島のPTAホエールウォッチング☆

2019年02月17日 | 小笠原 野生動物
■大きな息。
巨体が宙に舞う。
大きなヒレが目の前に現れる。
どっぱ~んという激しい音と波しぶき。

「うぉぉぉぉぉ!!!」
「いぇー―――い!!」
「凄すぎる…!!」

これ、母島のPTA活動の一コマなのです(笑)。
そう、これで今年で3年目を迎えるPTAホエールウォッチング。(去年の記事はこちら

1年で一番ザトウクジラが見れるこの季節。
さすがとしか言いようがないほど、彼らの大きな存在は圧倒的でした。

こんなPTA活動は他ではなかなかないと思います(笑)。
父島や座間味ではやっているかもですね☆


■ザトウクジラは夏場はアリューシャン列島やアラスカなど北極海で過ごしています。
冬になると繁殖のために小笠原や沖縄、ハワイなどに南下して来ます。
今年は八丈島などでも多く見られているみたいですね☆

栄養豊富な北の海。
プランクトンだらけでスープの様に濃厚な透明度のない世界の海です。

ザトウクジラ達はそこで沢山の栄養を蓄えます。
水中で複数頭で泡の壁を作り、小魚の群れを追い込み、一気に数頭のクジラが採餌を行うバブルネットフィーディングはあまりに有名です♡

しかし、繁殖エリアでもある小笠原はザトウクジラにとっては餌が豊富にあるとは言えず、
ほとんど何も食べてないのでは?と言われています。

暖かい小笠原の海は栄養がそのまま深海に沈んでしまう、透明で餌の乏しい海域。

冬のお風呂をイメージしてもらえれば分かりやすいかもしれません。
お湯を張ったまま放置しておくと、上は温かく、底は冷たくなりますよね。

寒い北極海の場合は気温よりも水温の方が高く、温かい深い海水が表層に移動し、そこで栄養やプランクトンの循環が生まれます。
温かい小笠原の場合は気温が水温よりも高いので、沈む一方なので深海は豊ですが、表層はクリアな状態になるようです。

つまり、北の海に比べ、外敵となるサメもシャチも少ないこの海域は比較的安全で出産できるの海域だと思います。

究極はクジラになってみないと分からないのですが(笑)、
僕は安全と暖かい南の島のトロピカルバカンスの為に小笠原に来ていると信じています(*^_^*)。

今回は今年生まれであろう、可愛いイルカサイズの赤ちゃんクジラも見る事が出来ました♪

ウォッチング船に好奇心旺盛に顔を出したり、跳ねたりしています。
きっとその後母クジラに、
「こら!船が近くにいる時はそんなに近づいちゃダメでしょ!」
と怒られているのでは?(笑)と想像したりしています☆


■さてさて、見どころいっぱいにアクションしてくれるザトウクジラ。
まったく写真が撮れていないジャンプ(ブリーチ)はともかく(笑)、
今回も沢山のアクションを見せてくれました♪

これは胸ビレ叩き(ペックスラップ)。
まるでバイバイしているにも、こっちおいでと手招きしているようにも見えます。

オス同士でメスを争うメイティングポット(別名:狂った交尾集団w)の時にも見られ、
力の誇示、コミュニケーションの為に行っていると言われています。
子どもクジラがただ遊びでやっていそうな時もあります♡

ザトウクジラはその体の3分の1にも及ぶ長い胸ビレが特徴です。

哺乳類のせいか、ちゃんと骨は指五本分あるそうです。

大きなヒレで大きな音を立てて魅せるその様は本当に圧巻です!


■ザトウクジラは深く潜るときに大きな大きな尾びれを高く水面から出して潜ります。
その際に尾びれの下側に白い模様が見えます。
この模様は指紋の様に1頭1頭違っており、個体識別のIDとして記録されます。

この子の写真も父島にある小笠原ホエールウォッチング協会に送りたいと思います。

小笠原の個体が、別シーズンに沖縄の座間味やハワイで見つかることもあるようです。

重さにすると30tにもなるというザトウクジラ。
その推進力を支える大きな尾びれ、そしてその付け根の筋肉は超マッチョです!!

ちなみに尾びれは胸ビレみたく平たい部分まで骨はありません。
しかし、見事に大きく、固く進化しています。

地上を歩いていた名残りは、わずかに骨盤の跡の骨として残っていますが、
足の骨は退化しています(胎児のときは足の骨があるらしい!!)。

そんな大きな尾びれを見るといつも、言葉にならない感動を覚えます。


■また、水中ではザトウクジラが奏でるソングというものが聞く事が出来ます。
これは繁殖期のオスのみに見られる行動で、主に求愛に使われていると言われています。

家族単位や地域単位でみられる方言のようなものがある事が分かったり、
去年のソングに続いて、今年のソングがあるなんてことも分かって来ています。

僕もこの時期に水中に入り、ザトウクジラのソングを聴くことはあるのですが、
なんだかとても切ない歌声に聞こえます。

僕個人的にはフラれたオスが嘆いているのでは(笑)?と勝手に想像しています☆

ちなみにクジラが大好きなうちの奥さんは、
このソングをゆっくり聴きたいが為に15年以上のブランクを経てダイビングを再開しました(笑)。


父島の方のYoutubeで素敵な鳴き声の映像がありましたので紹介しますね☆


■しかし、もっと驚くことがあります。
それはこの恵まれた環境に暮らす子供たちです(笑)。

こうやって当たり前に毎年やってくるザトウクジラを、
こうやって当たり前に見れているという事。

冒頭の歓喜の声はもちろんですが、
この日常の自然の素晴らしさこそ小笠原で暮らす醍醐味です。

きっと子供たちは成長して島を出てから、
この日常の自然の凄さに今以上に気付くことでしょう♪

だって良く夕陽を見に行くのですが、
子供たちは夕陽なんかそっちのけで遊んでばっかりいます(笑)。

夕陽で感動しているのは大人たちばかり(*^_^*)。

これがあまりに日常過ぎるんだよなぁ~。
贅沢な話です(笑)。
本当に有難いことです。

この春、母島を離れる長女にとってはどう感じれているのでしょうか?
貴重な財産になっていると思います。

だって、どこにいても、この世界でこんな大きな存在が息吹いていることを体感して知っているのだから。

今回の船には去年の春に赴任した先生達も一緒でした♪
この体験、ずっと忘れないでいてほしいです。

いずれ島から離れて内地の満員電車に揺られている時も、
世界のどこかでこの偉大な命は跳ねているのですから。


帰りには大きな乳房山とははじま丸を一緒に見るというレアな構図がありました。
それもそのはず、いつも乗っているははじま丸からはこの構図は撮れません(笑)。

きっと漁師さんにとっては見慣れた何でもない光景でしょうね☆

この貴重な機会を与えてくれたPTA校外部のみなさん、
そして船を出してくれた漁師のみなさん、
本当にありがとうございました!!

そして、この素晴らしい光景を魅せてくれた大自然とクジラたちにも感謝とリスペクトです!
ウォッチングもただ近づけるだけでなく、
お邪魔しているという気持ちを忘れずに謙虚にしていきたいものです。

最後にははじま丸と乳房山を望む。

こんな大自然に住まわせてもらえて、本当に有難いです。
ほんと感謝の気持ちでいっぱいになる素敵な一日でした(*^_^*)


島は桜の季節~いまさら冬休みを振り返る(#^.^#)

2019年02月15日 | 母島 農 日記
■今年の小笠原諸島の冬は暖冬です。
冬の母島は気温が13度を下回ることはないのですが、
今年は特に「寒いっ」と薄着で呟く日が少なく、暑いなぁと思う日が多い印象です。

その上、渇水が深刻なものですから、なんだか落ち着かない一足早い春を迎えています。

先日行った父島ではカンヒザクラが沢山、花を咲かせていました。
母島ではまだ数個咲いている程度です。

南で暖かい母島の方が開花が後というのが、なんだか不思議なものです☆


■また、先日は御蔵島から観光視察に来ている皆さんに、乳房山を案内するという機会に恵まれました。

本業でやっているガイドさんに空きがなく、頼まれたものでしたが、
僕にとっては乳房山のガイド自体初体験です(笑)!!
僕だけでは不安なので植物に超詳しい友人にサブで付いてもらい、8名の皆様をご案内しました。
あ、メインのガイドは小3の子供達です☆

後から思えば猛烈に反省点はあるのですが、天候も良く、気持ちのいい乳房山でした(*^_^*)

御蔵島の話も沢山聞けて、すごく楽しいひと時でした☆

乳房山を6時間かけて歩いた後は猛者だけが残り、アウトリガーカヌー体験へ。

男同士、色んな話をしながらのアウトリガーはとても面白かったです♪
夕陽も一緒に見れて、とても楽しかったです。

貴重な機会をありがとうございました!

■そんな中、少し記憶を冬休みに戻してみたいと思います。
久々に次女が畑に来てくれました!

今回の作業はジャガイモ植えです!

毎年やっているせいか、非常に手際のいい次女。

切った断面に灰を付ける作業も30cm間隔に植える事も、
当たり前に知っている子供の戦力は凄いです!!

ひとりでは全然進まないモノが、あっという間に進んでいくのです(笑)。

小笠原でジャガイモを植えるのは12月~1月頃。
目安としては菜の花が咲き出した頃です(島の場合は西洋カラシナ)。

次女が畑に参加してくれると、まあ楽しい♡

就学前は毎日のように来てくれていたのが懐かしいです。

作業の合間に焚火をしたり、虫取りをしたり、ブランコをしたり…

今回も植える作業を終えたら真っ先に木に登っておりました(笑)。

おサルさんなのは相変わらずです☆


■子供たちと過ごすのはとても貴重な時間です。
中3の長女と過ごすのもあと1か月ちょいなのです。

冬休みをさらに遡り、クリスマスを振り返ります(笑)。

今年はお菓子の家を作りました。

これは次女の作品。
凄く気合が入っていました♪

長女の作品は僕が見る前にお腹の中に(笑)!!

僕は適当に平原インディアンの移動型住居、ティピーを作ってみました☆

超手抜きです(笑)。

妻は大好きなクジラの尻尾が特徴のお菓子ハウス。

みんなやりますね~

そんな時間を過ごせるのが本当に有難いです。


■年明けは初詣のあとに日本一早い初日の出を見に行き、日本一早い海開きに参加しました☆
今年成人した島の子供たちが木槌で開けてくれた美味しい樽酒を味わいながら、南洋踊り、獅子舞をやっていきます。


毎年恒例となったギョサン飛ばし大会。

4年前までは毎年カヌー大会が正月に企画されていたのですが、5年くらい連続で荒天で開催できず、
苦肉の策として実施されたら意外と好評で続いています♪

ずらりと用意された公式ギョサンを履いて飛ばすのです。

線を踏んだり、コース外に出してファールしたりで観ていても超面白い(笑)。

妻と次女と出た僕たちはなんと入賞しました!(内容はなんだっけw?)


そんなこんなでこれからは怒涛の送別シーズンの始まりです。
長女は中学校生活最後の母島のひととき。

お互い、存分に味わいましょう(*^_^*)


珍鳥・ナベコウ現る!~おがさわら丸のドック期間終了!

2019年02月06日 | 母島 日常 日記
■「なんかすんごく大きな見たことがない鳥がいるよ!!」
「ナベコウが農協にいます!」

乳房山で仕事している僕の携帯に突然連絡が入りました。
な、なんと先週父島にて確認されていたナベコウが母島にも来ていたとは!!

送られてきた写真は、紛れもなく前田商店の前に佇む、珍鳥・ナベコウの姿。

丁度、乳房山の作業が終わった所だったので、
もうダッシュで下界へと下りました!

すると、上空を優雅に舞うナベコウの姿。

さすが人気のコウノトリの仲間。
優雅ですね~

そのままナベコウは乳房山の彼方へ…
翌日には父島へ戻ったようです(笑)。

ナベコウ(Ciconia nigra)は、鳥綱コウノトリ目コウノトリ科コウノトリ属に分類される鳥類だそうです。

分布はアフリカ大陸南部やユーラシア大陸中緯度。
遠いですね~

日本では冬季にまれに飛来した例があるそうです。
小笠原では初記録のようです☆


■鳥獣保護員として定期的に渡り鳥が飛来する水場を巡視するのですが、
今回はオシドリ♂を見かけました。

見事な羽ですね~
メスは見当たりませんでした。
オシドリはだいたい1~2年に1度くらいは母島に飛来し、見かける事が出来ます。
美しい羽根を持っているので、見れるとなんだか得した気分になります♡


■さてさて、約3週間に渡る定期船・おがさわら丸の「ドック期間」がついに終わりました。
ドックというのは年に一度の船舶検査の事。
いわゆる車検の様に、毎年船の整備をしっかりする期間です。

この間、小笠原と本土のアクセスはなくなり、
物流の行き来は止まります。

ドック中に貨物船共勝丸が郵便や宅急便を運んでくれるのですが、
海の悪い冬なので、小さな船の共勝丸の入港予定はどんどんずれ込み、
母島に物資が届いたのは、おがさわら丸のドック明けの1日前でした(笑)。

精製食品が内地から届かず、
とても不便なこのドック中という期間、実は僕は好きなんです。

せわしないメリハリとなる入港と出港もなく、
人の出入りも少なく、
のんびりとできる貴重な期間なのです。

野菜に関しては自分の畑もあるし、
島の農家さんがこの時期は私達が支える!と言わんばかりに沢山の野菜を出荷してくれます♪

なのでドック中は逆に贅沢なくらいです(笑)。

思わず母島の夜景を見てしまうほどに(*^_^*)

漁師さんたちや観光の仕事の人はこの時期は仕事にならないので、
この機会に内地で用事をこなしたり、バカンスを楽しんだりするのです☆


■うちの畑はというと、
立派な大根がそこそこあります。


色鮮やかな人参さんもおります☆

自分で栽培する人参は昔ながらの人参臭さがあってすごく美味しいです♪

加工トマトのサンマルツァーノはまだまだ緑です。


ミニトマトのぷちぷよはもうすぐ食べれそう♪


トマトの横にはコンパニオンプランつとしてバジルが植わっています。

バジルはトマトと料理の相性もいいですね(*^_^*)

2年前の沖縄で頂いた乾燥に強いサトイモのココヤム(ちんぬく)。

これが結構いい感じに増えて来てくれています。
未来の主食になるかもしれません!

ゴボウさんはまだまだ小学生クラス。

成長すると掘るのは大変ですが、味と香りは最高です☆

人参さんは葉っぱも美味しいのです♡


島にんにくも少しずつ成長しています。


スナップエンドウは少し不調です。

少し未熟かもしれなかった堆肥がダメだったかな~

■烏骨鶏の皆さんは冬も元気に鳴いています。

でも真冬と真夏はどうしても卵を産むペースが落ちてしまいます。

なので、時々生む卵は本当にありがたいものです。

あまりに卵を産まないので、先日市販の卵を買ったら、
子供たちが大きさと匂いと味の違いに驚いていました(笑)。


うちなーローゼルは終盤の時期ですが、
まだまだゆっくりと収穫できています。

傷や擦れがあり、見てくれはわるいのですが、自家用としては申し分なしの状態です。

■ドックも明けていよいよ通常の生活に戻ります。
毎週物資が届く当たり前に感謝して、これからの怒涛の年度末を味わって行こうと思います。

そう、年度末はお別れのシーズンです。

異動する公務員の家族、卒業する子供達、引き揚げる家族、色々なドラマがあります。

我が家は長女がついに中学校を卒業し、母島を巣立ちます。

本人は今受験勉強!?の真っ最中。

こんなラストスパートな勉強に真の学びの意味はないでしょが、こういう時期もあっていいのでしょうね。(僕は受験勉強せずに遊んでいたw)
頑張れ~~

為になるUFOキャッチャー!~海岸清掃と海洋プラスティックの問題

2019年02月02日 | 母島 暮らし 子供
■今日は土曜日で午後は次女とお散歩に出かけました。
すると漁港には沢山のプラスティックゴミが集まっています。

昨今話題になっている海洋プラスティックです。
問題のマイクロプラスティック、その予備軍も無数にあります。

ちょうど次女(小3)の同級生の友達もいて、ふと話になりました。
「これがウミガメとかイルカが食べちゃうんだよね~?」
「これ、取ろうよ!」

そんな訳で、急遽子供たちと海ゴミ釣りが始まりました!
名付けて「ためになるUFOキャッチャー大作戦!!」

早い話、手持ちのタコ鈎で取れるゴミはなかなか楽には取れません。
取る相手はゴミですが、子供たちにとってはぬいぐるみを取るUFOキャッチャーとなんら変わりのないゲーム要素満載のゴミ拾いでした(笑)。
大きなものや形の難しい発砲スチロールが取れた時は盛り上がります♪

小笠原は海洋ゴミは海流の関係か少ない方だと思いますが、それでもやはり色々目につきます。

子供たちがゲーム感覚でやっても、結果海の野生動物を救っていることになるのです!
これは凄い♪
イスもヘルメットもカラーコーンも無事に引き上げました。

「これで少しは助かる生き物がいるね♡」
子供たちがこれの意味を理解しているのが素晴らしい!!

「今度は網をもってきて、全部キレイにしようよ!」と建設的な意見も出てきました。
そう、こういう些細なできることからやっていくのが大事だと思うのです!

ビニールに発砲スチロール、プラスティック用品、
ガーデンチェア2つ、45Lゴミ袋から溢れるほど回収できました♪

「ゴミを取れる道具と、カゴとかゴミを入れる容器を用意してくれれば、
 子供は遊びでみんな集めると思うよ~」
こんな建設的な意見まで!!

子供達、どうもありがとう(*^_^*)

子どもたちの言う通り、海岸に打ち上がった50頭のイルカクジラの死体すべてから、
マイクロプラスティックが見つかったというNHKのニュースがありました。

分かってはいましたが、いざ現実を突きつけられると、この問題にちゃんと関わらなければと思います。


■先週は毎年恒例の北港&東港の海岸清掃でした!

これは観光協会が音頭を取って毎年、行っています♪
多くの村民も参加し、大規模な素晴らしいイベントです。
夏の頃にはあまり気にならなかった海ゴミが冬の北風で集まってくるのです!

うちは熱で寝込んでいる次女と妻を家に残し(かなり行きたがっていたw)、
長女と参加してきました。


開始時はこれで片付くのか?と思えるほど、多くのゴミが漂着していました。


北風の多い冬は特に集まりますね。

海を漂っているより、こうして漂着してくれると回収できるので有難いですね(*^_^*)


人海戦術というのは本当にすごいものです。

圧倒的とも言えるゴミの海岸が、ものの1時間ちょいで片付いてしまいました♪
トン袋10個近くになったと思います!

石をどかせば細かいプラゴミはまだまだ無数にあります。
マイクロプラスティック回収の難しさを伝えてくれます。

しかし、パッと見のゴミはひとまず皆無になりました!


家の掃除でも思う事ですが、
周囲を綺麗にすると心もスッキリします♡

北港を清掃したメンバーで記念撮影!



■海のプラスティックゴミの問題は年々深刻化しています。
「プラのストローをなくそう!」という試みは、直接の海ゴミへの影響は少ないと思いますが、
多くの気付きを人に与えてくれると思います。

なかなかいい、読売新聞の記事です。

そう、各々ができる事から始めて行くことが大事だと思うのです。

ニューヨークも発砲スチロールによる容器の使用を全面的に禁止することになりました。
素晴らしい取り組みだと思います。

パタゴニアの記事では衣類から出るマイクロプラスチィックについても語っています。

出されたプラゴミがその後どこに行くのかを知っている人は少ないです。

リサイクルといっても多くの化石燃料を使うのです。

そしてその多くは埋め立てる場合も多いのです。
2年前に行ったインドネシアバリの場合は山積みにするでした。

テグスに絡まったカモメ、
定置網に絡まるザトウクジラ。

近年、この問題がよく目につくようになりました。

僕は僕で仕事の合間、暮らしの合間でできる範囲でゴミを回収していますし、
暮らしの部分でもプラゴミをなるべく出さない様、意識して行こうと思います。

それが島に対する恩返しだと思うのです。


長女が撮った学校の帰り道、通称B線の夕陽。
この春、母島を巣立つ彼女は写真を撮るのがとても上手いです。

パッと景色を見た時に、どう撮りたい、表現したいがハッキリとしているようです。

機材はあまり問題ないように思えます。

僕と同じカメラを使っても、見事な仕上がりなのです(笑)。

悔しいな~!!

そんな島を巣立つ彼女にとって、海のゴミ問題はどう映っているのでしょうか?

少なくとも僕は中学卒業の時にそんなことは微塵も考えておりませんでした(笑)。

素晴らしい自然と生活のすべてを把握できる小さな規模の島という暮らし。
その生活が子供にもたらすものの大きさに、
今さらながら驚いている自分がいます。