小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

オナガミズナギドリの巣立ちが始まりました。

2013年11月22日 | 鳥獣保護員 活動
■今月11月1日より東京都鳥獣保護員となりました。

今年の春に前任の急な転勤により不在になっていた母島の鳥獣保護員。
まだ全然鳥の知識は低いのですが、島民の傷病鳥獣の受け皿を作りたい強いおもいで鳥獣保護員になることを決心しました。

鳥獣保護員とは鳥獣保護法を違反する密猟などを監視し、野生の傷病鳥獣が持ち込まれた場合の対応などをする仕事です。

毎年、11月中旬頃からはオナガミズナギドリなどが巣立ちとなり、まだ経験の浅い若鶏が集落の明かりにに落ちてくる季節となります。
母島での鳥の落鳥や飛来、事故などがありましたら連絡を下さい♪

昼間は母島観光協会が受け付けてくれています。
夜間・休日は僕が受け付けます。

まだまだ不慣れな分野ですが、母島の島民と野生生物の暮らしのために役立てれればと思います。
どうぞ、よろしくお願い致します。


■オナガミズナギドリとはインド洋、太平洋に生息する中型の海鳥の仲間です。
日本には繁殖のため主に小笠原諸島、硫黄列島に飛来します。
母島では南崎で現在も繁殖を確認しています。
有人島で繁殖している場所はかなり稀なんだそうです。

全長は38-46cm、翼開張97-105cm、体重0.3~0.45kg。

繁殖のときに巣作りするとき以外は一生を海上で過ごします。

とくに巣立ちの時期の若鳥は、日没後に明かりに集まる習性があり小笠原の集落に飛来します。
長く飛ぶのは大得意なのですが、急旋回や急上昇は苦手なので人工物に激突し、落下するのです。

自然界ではそのまま飛べる個体は翌日までには飛ぶのですが、集落の場合は車や猫との接触の危険があります。
人の暮らしの影響で死ぬ野生動物を極力減らしたいと思っているので、落ちた個体は回収し、ダンボールに入れて安静にし、翌朝海岸で放鳥することにしています。

人間のちょっとした努力で救われる生き物がいるのなら、その努力をしたいと思っています。


■この2晩で、オナガミズナギドリを18羽保護しました。

夜のグランドのナイターの上では20羽ほどがぐるぐると回っており、その中の数個体がライトに激突して落下したり、ふんわりと降り立ってきます。
こうなるとオナガの巣立ちの時期がついに来たといった感じです♪


昨晩ナイターの照明に激突した1羽は朝までは元気だったのですが、放鳥前にぐったりとして息を引き取りました。脳挫傷かも知れません。

人の暮らしがあたえる自然への影響というのをダイレクトに考えさせてくれました。
私たちに何ができるのでしょうか?

■保護した翌日には浜で放鳥をします。
我が家の次女Mさん、そちらでも大活躍です♪
オナガミズナギドリの入った箱を浜まで運んでくれます。

砂浜まで行ったら、箱から出してそっと砂浜に置きます。

自力で飛び立つのを待つのです。

大体は5分から~30分で沖へと飛んでいきます。
海から行く子やいきなり飛ぶせっかちさんと個性派様々です♪


中にはこんなモヒカンみたいに産毛が頭部に残っている個体もあります(笑)。

無事に沖に飛んでいく姿を見て、次女もホッとしています。

傾向としてはわずかにお腹に産毛が残る個体もあったり、茶髪やお腹が灰色の個体もあったりと様々な若鳥達でした。
南島からの報告ではもう半分が巣立ったようです。



■今晩は母島は月が丘神社のお祭りの予定です。

子供たちは待ちに待ったお祭りで大喜びです♪
が、さらに雲が低いことが予想されます。
すると雲が人の明かりを反射し、沖から見るとボウっと明るい塊に見えるようです。
そこに海鳥が間違って飛来してくるのです。

というわけで、今晩もかなりの数の海鳥が落ちてくると予想されます。
日没後の飛来にご注意ください。

※母島で集落に落ちて困ったいる海鳥を見かけたら連絡を下さい。
夜間でも構いません。
日中は母島観光協会にお願いします。
噛まれる危険がありますので、素手で触らないでください!

よろしくお願いします。

東京都鳥獣保護員@宮城雅司(ジャイアン)

「耕すこと」と「耕さないこと」

2013年11月21日 | 自然農
■宮城自然農園ではほとんどの畑を耕しません。
しかし、場合により耕す場合もあります。
でも、基本理念としては耕さないで畑を作って(育てて)いくのです。

「不耕起栽培」という考えがあります。
それは土中の微生物が数センチ単位で種類が変わり、表層には落ち葉や微生物の死骸の層「亡骸の層」が堆積しているのでそれを活かそうと考えるからです。
これを耕してしまうと微生物は死滅し、せっかく出来た亡骸の層も攪拌してしまいます。

耕さないと土がカチカチになってしまう!と思いがちですが、意外と耕さないと年々フカフカになったりします。
それは微生物や草の根が自然に土を団粒化しているからです。
これを「自然耕」といいます。

これが理想の形です。
労力的にも楽ですし、化石燃料にも依存しないのでとても持続可能な農です。

■しかし、耕すことがいい場合もあるのです。
どうにも土が健全でなく栽培したい場合、芋類を植えたい場合は耕す場合などがあります。
あと耕したほうがより育ちやすい野菜の場合も耕します。

その場合は地上10センチ内の範囲で耕します。
ですが、基本的に耕運機は使いません。
鍬一本で行います。

それは化石燃料を使うことで持続可能ではないからと、
耕運機の土の回転の凄さ、土圧の強さを避けるためでもあります。

不耕起という考えと言葉にとらわれずに、選択肢の一つとして「耕す」「耕さない」を使い分けています。

母島には耕運機をかけずに鍬のみで畑をして成功したカリスマ的な百姓がおりました。
その方は残念ながら亡くなっているのですが、生前最後にお話することができたのが、今もとても財産になっています。

■しかし、我が家の4歳児の次女の鍬さばきはかなり上達しています(笑)。
ここは今度ジャガイモを植える場所です。
どこまでいくんだこの4歳児!?
働くのは大いに結構だが、もっと遊ばなくていいのかと思ってしまいます。



本人はかなり真剣で遊びというよりは仕事意識をもってやっている感じです(笑)。
小さな三角ホーも上手に使いこなし、耕しています。


少し作業に疲れたら、とりあえず横の木に登ります。

さあ、どこにいるでしょう?
木登りがどんどん上達するします♪
こないだは20mの高さのガジュマル登頂に成功しました(正直、結構親がビビります!)。

作業のあとはヤギに餌を届けます。
ヤギは子供が大好きです(餌をくれるから!)

■先日は冬野菜の種まき第2弾でした。
玉ねぎ、長ネギ、ブロッコリー、茎ブロッコリー、人参、ごぼう、小松菜、、春菊を蒔きました。
母島の冬の畑は本当に豊かです☆

大好評で出荷を終えたローゼルも自家用と種取り用を残すのみとなりました。

来年はもっとみんなに利用できるように作付を増やしたいと思います。

島のフレンチレストラン・ミストラルではローゼルのデザートが活躍しました♪

ローゼルのショートケーキとローゼルアイス、洋梨のローゼル漬けです。

母島の秋は17日に初観測されたザトウクジラの来島とともに冬へと移行していきます。
母島の秋は紅葉はないのですが、ローゼルが人々の暮らしの食卓を美しく朱色に染めてくれます☆