小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

島の貴重なハトの存在

2014年08月29日 | 小笠原 野生動物
■現在、小笠原諸島には天然記念物に指定されているハトがいます。
それがアカガシラカラスバト(通称:あかぽっぽ)です。

このハトは小笠原諸島にしか生息しておらず、個体数は200羽程度と言われています。
本土のカラスバトと違い、頭が赤いのが特徴です。
首の周りの美しい光沢は見とれてしまうほどです。

主な鳴き声は「ウ~ ウ~」と鳴きます。
主な食べ物は種子で島固有のアコウザンショウ、コブガシ、他にはガジュマルやシマ桑、小さなカタツムリやミミズも食します。

島では外敵がノスリだけだったので、ほとんど地上で過ごし、巣は地上や樹上に作ります。
島の野ネコ対策が進み、段々個体数が増えてきたことから、今までネコにやられていたことが見えてきました。
5年ほど前までは見た人が少なく、山にしかいない幻のハトでした。
それが現在は集落や畑に多数出没しています。
これはネコ対策が進んだこともありますが、この数年大型の台風の上陸もなく、餌木が充実しているせいもあるかもしれません。



現在は標識調査が進んでおり、硫黄島などの火山列島、聟島列島、父島列島、母島列島間の海を越えての行き来が確認されています。
過去には海上の漁船に降り立ったこともあり、意外な行動力があることが分かって来ています。



■小笠原は一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島です。
その結果、独自の生態系を進化させて来ました。
しかし、その中で人が島に定住し、絶滅してきた生き物がいるものまた事実です。

鳥類については、オガサワラカラスバト、オガサワラガビチョウ、オガサワラマシコの3種、
絶滅亜種はハシブトゴイ、マミジロクイナ、ムコジマメグロの3種で、
合計6種の絶滅種、亜種が確認されています。

これまで日本で絶滅した鳥類の種、亜種が14種とされているので、なんと絶滅種、亜種の約4割が小笠原諸島の種となります。

僕はこの中でも生き残っている固有の鳥、
アカガシラカラスバト、メグロ、オガサワラノスリ、オガサワラカワラヒワや鳥ではないけどオガサワラオオコウモリに
島で生き残る知恵みたいなものを学べればと思います。

絶滅してしまった生き物の食性は分からない部分が多いですが、
今生き残っている生き物は環境変化に対する適応性が高い気がします。
固有のもの以外にも移入のものもよく食べるからです。


■先日は森の中で娘との鳴き真似をしていたら本当に鳴き返してきて、姿も出現なんてことがありました!!

ビックリです!
鳥好きな次女も大喜び♪


別名ウシバトと言われたように「ウ~、ウ~」と鳴きます♪

今回の写真は長女とふたりでフィールドの仕事の時のものです☆

次女とはよく行きますが、長女と二人はとても珍しい。
いっぱい色んな話ができて、素直に綺麗な景色に感動していて、とてもいい時間が過ごせました!

昼前に会議の予定があったので、休憩なしのハイペースな山歩きでしたが難なく付いてくる体力にも成長をひしひしと感じました♪



子供達に島の生き物とどう関わっていくかをいつも考えます。
新たに住んできた人、
新たに移入した動植物、
世界でも小笠原にしか生息していない生き物たち。

島の生態系においてこれは必要、不必要と人間が決めて動いている島の外来種対策。
なんてヒトのエゴなんだろうと思うこともあれば、
それは今対応しないと、永遠にこの世から消えてしまう弱い自然だと思うときもあります。
子供に一言では説明できないほど、様々なニュアンスを含んでいます。

子供時代には当たり前で分からないことが、
きっと島を離れたときに分かる事が多いと思います。

その時にどう感じ、どう動いていけるのか。
それに向けてどう接していけるのか。

その答えを島に生き残ってきた生き物たちから学んでいければと思います。