小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

母島 春の目白押し!

2017年05月31日 | 母島 日常 日記
■「目白押し」という言葉があります。
意味としては多人数が込み合って並ぶこと。また、物事が集中してあることを指すのですが、
語源は【メジロが樹上に押し合うように並んでとまるところから】できた言葉だそうです。

そう、母島の春は6月の返還祭が終わるまでは、まさにそんな目白押しの状態です(笑)。


これはパキラの美しい花です。
園芸作物ですが、島では花が咲き、実を付けます。
実はパンに入れたりするナッツになります☆
そんな、母島の日常をちょっとだけ書いてみました。

■まず春と言えばアオウミガメの産卵の季節です。
朝、次女と畑に行く途中、
前浜で産卵を終えて埋め戻している大きなアオウミガメに遭遇しました☆


基本は夜に行っている行為なので、
こんな朝方まで見れるのは少し珍しいです。

島の人が横のコンクリートで滑って動けないのでは?と心配していましたが、
産卵を終え、無事に見送られながら海に帰っていきました。

元気でね~☆


■5月中旬、すっかり夏の海のような北港になりました。

我が家は家族全員が北港の海の大ファンです☆
夏のような休日はカヤック持って北港スイム♪

次女のカヤック技術もなかなか上手になってきました!


早速潜ってみると…

大好きなユウゼンにホンソメワケベラもいっぱいいました♪


長女は北港で宿題…(笑)。
↑しかも遊んでて終わらないというお決まりのパターン。

やっぱり北港は最高です☆

■GWが過ぎるとザトウクジラ達がいなくなってきて、
いよいよ夏の到来かという雰囲気になりつつ、梅雨になります。

水不足で心配されていたダムも、
梅雨でしっかり雨が降り、父島も母島も満水となりました!!

おかげで子供たちのプールの授業でも水を張れることになりました。
本当に感謝感謝です♪

■また、そんな梅雨の最中、母島小中学校では運動会も無事に終えることができました♪

いつもこの梅雨時期は天気に悩まされますが、今年は無事に晴れ/曇りで終わって本当に良かったです。

競技と運営に目一杯頑張った子供たち、
準備に出場に運営に沢山動いてくれた先生方、
応援と準備と出場に明け暮れた保護者と地域の皆さん、
リレーにも出てくれたアカペラチームの皆さん、
終わった後のお風呂の水と
無事に開催できた天気を恵んでくれたこの自然、
本当にありがとうございました!
お疲れ様でした☆

我が家の子供たちも元気に頑張っておりました♪
みんないい顔してたね~♡
運動会が終わった後に入った海は格別でした☆


無事にダムの水も満水となり復活した脇浜と前浜のシャワー。
そして、昨年より故障続きでどちらか1つしか使えなかった脇浜シャワーが改修されて復活!

蛇口も使いたい分だけ使える捻り式に代わり、
出しっぱなしにしなければ、
節水にもなります。

恵みの雨を降らせてくれたこの自然、
直してくれた業者さん、
管理してくれている都&村のみなさん、
どうもありがとうございます


■そして、最後に春に大好きな人とのお別れがありました。

島を離れる人には色々な状況があり、一言では語れませんが、
島で共に過ごした時間はかけがえのない、
素敵な時間だったと思います。

いつもお別れは切ないのですが、
今生の別れなのではなく、
それぞれがまた別の道で頑張っていく船出なので、
なんだかわくわする気持ちも混在していて複雑です。

気持ちのいい母島の青空を眺めながら、見送り、手を振る。

そんな日常を噛みしめながら、
目白押しのような母島の春はまだまだ続いていくのです♪




水不足の小笠原に恵みの大雨!!

2017年05月23日 | 母島 日常 日記
■今年の春は小笠原にとって20年に1度の大干ばつに見舞われています。
しかし、現在の母島は土砂災害・大雨警報が発令されるほどの大雨に見舞われています!

この日をどれだけ待っていたことか☆
水の有難みをひしひしと感じています。
土砂災害の心配はありますが、
島中が歓声に包まれている気がします♡

いつもは嫌いな雨の日。
今は感謝の気持ちに溢れています!!

5/18日の雨が約100mm/日降って、
その3日後に飲料水の乳房ダムは貯水率50%を超えました(約15%の回復!)。
今日の雨は185.5mmでした。
なんとここ4か月分以上の雨が1日で降ったことになります!
そして、5月の観測史上最大とのことです!

学校のプールに水を張るのですら見合わせている現状でしたが、
先ほど、村内放送で乳房ダムの貯水率が100%を超えたと放送がありました!!!
やった~~~~~!!

人が車で運び、海水淡水化をフル稼働させて一生懸命作り出す真水を、
大自然はたった1日でそれ以上の水を恵んでくれました。
干ばつも雨も大自然の織り成す大いなる恵みなのだなと感じさせられます♪


左が朝の6時、右が昼の1時の大谷川の同じ位置での様子です。
透明の水が赤土の混じった濁流に変わっていくのが分かります。
ちなみにここ最近はずっと枯れていました。
久々に聞く川のせせらぎを超えた水音が嬉しいなんて!(←人は身勝手ですw)


100mmの降雨量を超えたので都道北進線は土砂災害の危険もあり、通行止めになりました。


モットレイ・ロースのお墓の入口の階段には滝ができていました!!

凄い!!

この干ばつを機会に当たり前の水の大切さを確認する貴重な機会になりました。
日々に感謝の気持ちを忘れないでいきたいです☆

※父島は18日は20mmちょいしか降らず、
今も母島の半分の62mm。
まだまだ深刻な水不足の状況です。
50km離れているだけで、こんなにも違うものなのですね~
人口も観光客も多い父島なので、ぜひとも降ってほしいと願うばかりです。


■さて、今回の水不足。
気象庁のホームページからデータを拝借して表を作ってみました。

黄色で示した、去年の9月から雨が極端に少ないのが分かります。
頼みの綱の台風も去年はカゼ台風(雨が少ない風ばかりの台風)でした。

折れ線グラフにしてみると、もう少し比較しやすいでしょうか。

2015年の夏は台風が連続で来襲し、しっかり降ってくれたのです。

島にとって、春と秋の雨季と台風はとても必要なものであることが分かります。
災害に繋がると事態は深刻ですが、
やはり人は自然の中で生かされているのだなと感じます。

ダムがなければ雨水のほとんどは地表を流れ、
私たちが暮らす水が不足します。

昔は、沢が枯れることはなかったといいます。
気候なのか植生の変化なのかは分かりませんが、
今の私たちの暮らしにはとても大切な水であることは間違いないです。

4月の乳房ダムです。
草が生えていない周囲の部分が満水時の水位です。
とても水位が減っているのが分かると思います。
増えすぎた有機質を吸収するための空芯菜の栽培イカダが浮いています。

乳房ダムの貯水率が40%切った段階で海水淡水化装置を内地から取り寄せ、
稼働させています。
同時に農業用水のダムから飲料水用に転用、
随時大谷川に集まる水の汲み上げを行っています。
休日返上で大変な労力とエネルギーを浪費して私たちの暮らしを支えてくれていました。
本当にありがとうございます!

※ダムの立ち入りには許可が必要です。

■もう1方、深刻なのは農業用水のほうです。
母島には大沢ダムと玉川ダムの2つが農業用水のダムです。

大沢ダムは集落より北部にあり、
西浦の低い標高からソーラーシステムを使ってポンプアップし、
標高の高い蝙蝠谷の畑の上まで水を上げて使用しています。

水量は少ないのですが、
この渇水でも枯れずに水があり、飲料水の方に転用されていました。


もうひとつの玉川ダム。
貯水量は23000㎥。
こちらは集落南部の畑用で、
乳房山の中腹の比較的標高の高い位置にあり、
舟木山に面して作られています。

そこからポンプアップして見廻山のタンクに上げられ、
そこから評議平や中ノ平までパイプラインでひかれています。

こちらは入る沢の流入が1本で標高が高いため、なかなか溜まりません。

18日の雨でも10%貯水率が上昇した乳房ダムに比べて、
数センチしか上がりませんでした。

19日の段階で4.5m以下。6200㎥以下の状態です。

10年前は現行水準の6割程度の使用量だったそうです。
近年の春の使用量は大体ひと月に約3000t/月だそうです。

これは大型のハウスなど施設栽培の面積が増えたことも理由の一つになっています。
今回に限らず、3年前も農業用水は切迫した状態になりました。

現在の使用ペースで行くと、
単純計算であと2月持たない状況でした。

なので、現在母島南部の農地は
し尿処理場の最終処分の水(あとは海に流す状態の水)を
利用したりして、頑張ってしのいでいる現状です。
※ちなみに最終処分水は検査済みで飲んでも差し支えない品質の水だそうです。
 これも毎日せっせと水を車で運んでくれている人のお蔭です!
 ありがとうございます!

僕は微量ながらも含まれる可能性がある
界面活性剤と放射性物質、その他の化学薬品の畑への混入を避けるため、
現在農業用水を圃場には一切使用していません。
洗剤を使わないで洗濯をしているので、
家の最終洗濯水を運搬して畑にまいています。


水を大量に使うパッションフルーツの栽培、
そして施設栽培が増えた現在、
こうした雨の後にできる濁流を貯めておく仕組みが必要に迫られていると思います。

世界自然遺産になり、
大きなダムは作れない今、
新しい農のあり方も問われている気がします。

有難いことに今日の雨で乳房ダムはなんと1日で満タンに回復しました!!
玉川ダムは夕方に見に行ったら5.5m(9200㎥、約40%)にまで上がっていました♪
約1m上がったことになります。

明日も沢からの流入は続くと思います。
どのくらい溜まるのか気になりますね!
分かり次第、報告します♪



■当たり前に蛇口をひねれば出てくる真水。
この渇水を期にその大事さを有難さをひしひしと感じました。

世界にはそんな蛇口すらなく、
毎日数キロも水を運んで暮らす人たちがいる、
気候の変動ではなく、人と人の紛争でその蛇口どころか平和な暮らしを奪われている人がいる。

島でも農業用水を飲み水に車で運んだり、
川の水を汲み上げる人たちがいたり、
大雨で埋まった側溝や道路を掃除してくれる人たちがいる。
自然にも人々にも感謝の気持ちが溢れてきます。

このあまりにも嬉しい有難い天水は、
色んなおもいを交錯させてくれました。

ふと気が付くとこの大自然に対して驕る(おごる)態度になってしまう自分がいます。
日々、こうして生きていけるのは地球の自然があって、
そしてそれを支える人たちのおかげなのだなぁと、
感じさせてくれる有難い機会になりました。

ほんとうにありがとうございます。

あかぽっぽ

2017年05月14日 | 小笠原 野生動物
■畑で作業をしてたらいつまにか天然記念物が横におりました(笑)。


数年前まで、森の奥深くにしかいない”幻のハト”と言われたあかぽっぽ。
小笠原諸島だけに生息する固有亜種のカラスバトです。
正式名称はアカガシラカラスバト。


野猫対策が進んで、絶滅を免れて、こうして普通に見れるようになりました。
明るい陽の下で見ると首元の光沢が何とも美しい♡


「ウ~、ウ~」と鳴きます♪


こちらは母島に雀の様にいっぱいいますが、
なんと世界で母島列島にしか生息していない、ハハジマメグロ。

こちらはなんと特別天然記念物に指定されています。
以前は聟島などにもいたようですが、
現在は絶滅してします。

■夜も満月がとても綺麗になってきて、
散歩が気持ちよくなってきました♪


次女は夜の遊具で楽しそうです☆

まさに夜遊び(笑)!

脇浜に写る美しい月の明かりも、


はるか沖に沈む太陽も、

本当にいつも同じ景色はなく、ハッとするほど美しいです。


■今年は記録的な渇水で、父島のダムも20%台、母島は36%という事態です。
本来であればGWが明けて梅雨入りするはずなのですが、
海はすっかり夏模様…


この景色を素直に喜べない自分がいるのですが、

友人が、
「太陽も雨もつながっている」
そうかー太陽は水分を蒸発させ雲を作り、そして雨に。
とってもスッキリして、今日は存分に太陽を浴び、海で泳ぎ
久々に心から感謝に包まれた。ありがとう。


とブログに書いていて、
僕も同じように気持ちよくなってしまいました♪

海に入るとほんとに気持ちがいい☆

水不足は深刻ですが、
今を楽しむのも忘れてはいけませんね♪