小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

「おべんとうの時間 3 」に登場(*^。^*)

2015年04月30日 | 母島 日常 日記
■先便で届いた1冊の本。
タイトルは「おべんとうの時間(3)」。

これはANAの機内誌「翼の王国」に掲載されているエッセイを本にまとめたもので、
とても人気のあるコーナーなのだそうです♪

なんと著者の阿部さん夫妻が3年前に母島に取材に来てくれて、
今回の第3弾は僕と長女、そして他の2名の方が登場します(詳しくは本でのお楽しみに♪)。

届いた本をワクワクしながら読んでいくと、3年前の取材の時の記憶が蘇って来ます。
TVや雑誌の取材はときどきオファーがあったのですが、
あまり気が乗らずにお断りしていました。

でも今回の取材はアプローチが面白かった!
・お弁当とその人を撮らせてほしい
・家族で母島に2週間近く滞在する
この2点で「ほんとにうちでいいのか?」と思いながらもOKをしたのを覚えています。

本の中にあるエッセイ2の「夏の母島へ」と題された今回の取材にまつわるエピソードは、
そんな情景がすっかり想像できるほど面白かったです(笑)。
本の中にちりばめられた素敵な写真の数々の中に母島の風景や母島の人を見付けては
微笑ましい気持ちで眺めています。


ちょうど取材の頃はよくお弁当を作って外でお昼を食べていました。

大好きな石次郎海岸で泳いだ後は、

美味しいお弁当を食べて、
また泳ぐみたいな♪
※今回の風景写真はすべて、2012年7月のものです☆


■阿部さんたち一家が来島すると、真っ先に連れてきた1個年上の娘さんYちゃんに長女がアプローチ。
すぐに仲良くなって、学校にも体験入学?してくれて、とても楽しんでいる様子。

長女の方の取材は何をどう話しているのかさっぱり分からない状況で、
本を読んでみて「こんなことを話していたのか~(笑)」と今更ながらに笑ってしまいました。
さすが当時3年生。
親的に突っ込みどころ満載です(笑)。

その後、長女と阿部さんの娘さんYちゃんはずっとご縁が続いていて、
文通したり、内地に行ったときは逢ったりしています。
いつも離れていても、心はお互いを想っている…そんな関係の二人を羨ましくも、親として嬉しく思います♪

不思議な出逢いでしたが、
とても嬉しい出逢いでした♪

次女もとても可愛がってもらって、
大好きになった阿部ファミリーでした♪


■さて今度は僕の方の取材です(笑)。
夏休み前のローゼルが腰の高さ位の頃の時期。

畑でお弁当を食べながら色々お話をします。
自分にとっての「農」とは何か?
それはきっと「生きる」ってことなのだろうと今は思います。

「食べていくために働く」は文字通り、
お金を稼ぐことよりも、
食べ物を直接作る、採る方がしっくりきます。

本では職業「農業」となっていますが、
僕は畑が主で収入を得ているわけではないので「百姓」が合っている気がします。
野生生物調査、野ネコの捕獲、介護ヘルパー、郵便・宅急便の配達、鳥獣保護員と色々と仕事をしています。
農が心の本業であることには変わりはないのですが(笑)。


ヤギと一緒に大きなカメラで撮影してもらいました。

僕が笑顔でなく真顔で写るのも大変なのに、
ヤギが正面を向くというのもなかなか難しかったですね(笑)。


撮影で使っている「4×5シノゴ」というカメラ。
とても大きくて、今のデジカメと違ってとても手間がかかって大変そうでした。
でも1枚のシャッターの重みが全然違うのでしょうね。
阿部夫妻を紹介しているサイトがあったので良かったら見て見て下さい♪

後に写真が好きな友人が写真を見ただけで何のカメラで撮ったかが分かり(まずそれがビックリ!)、
「手間が本当に掛かるカメラで、フィルム面も大きいので被写体の空気まで焼き付けてると思います。
シノゴを雑誌に使うのは今では稀なのでほんとにいい雑誌ですね!」
と言っていたのが印象的でした。

確かに仕上がった写真は確かにその場の空気まで映している気がしました♪
僕はコンパクトデジカメしか持ってないので、1眼レフすらわかりませんが、
みんな色んな思い入れがあって、
色んな気持ちや空気を
できるだけそのまま写真に表現したくてやってるんだろうなと思いました。

写真て素晴らしい☆


その後、北港に通う仕事にも同行してもらって、

途中いっぱい寄り道しながら行きました♪

当たり前の島の日常が有難いほど素敵です☆

北村小学校跡でみんなでランチしたりしながら、
取材なんだかハイキングなんだか分からない感じで過ぎていった記憶があります(笑)。

妻が美味しいおはぎと塩漬けローゼルを使ったおにぎりを作ってくれて、
みんなでワイワイ食べて、とても美味しかった♪

いっぱいいっぱい話した覚えがあります(笑)。

今回の出版後、阿部直美さんから
「洋子(妻)さんとの出会いの顛末をどうしても書かせてもらいたかったのですが、
(実際、最初は書いてたのだけど)、字数の関係で、泣く泣く削りました。」
とメールを頂き、えらくホッとしました(笑)。

みんなで星を見に行って、旧ヘリポートがグラウンドのナイターで明るくて、
ずっと南の万年青橋まで南下してみんなで寝っころがって星を見たのが懐かしいです。

軽トラの荷台の上で子供達がみんなで横になりながら、
流れゆく星を見ながら何やら大合唱していたのを微笑ましく思い出します。

帰りに前浜でアオウミガメの産卵が見れたのもラッキーでした♪
ふとした日常の中に野生の生命の息吹を感じる、
それだけでもとても大切な何かを感じれる気がします。

■楽しかった日々は過ぎ、いよいよお別れの出港日。
長女は大好きなYちゃんにティーリーフでレイを編んでいます。

レイはお別れに渡す贈り物のひとつで、
船から投げて、それが島に戻ってきたら、
その人はまた島に戻って来れるという言い伝えがあります。

相手の事を想い、ひとつひとつ編んだレイはそれは美しく輝いています。

港でみんなが見送りに集まっていました。

取材だったはずが、すっかりいっぱい一緒に遊んだ感じで、
とても気持ちのいい時間を過ごせました。

長女は大好きなYちゃんの名を叫んで見送りのダイヴ!

なんだかとても気持ちのいい出会いのあるひと時でした♪


慣れない長い航海を経て、
わざわざ母島まで来てくれた阿部さんファミリー。
ほんとうにありがとうございまいた!

いっぱい話した内容を上手に素敵にまとめてくれた直美さん。
いつも謙虚で優しさが溢れる素敵な方でした☆

島ですっかり漁師になった感がある了さん(笑)。
僕は初めて見たでっかいカメラで魂を込めて撮影して、
子どものようなキラキラした目が印象的でした♪

うちの娘たちととっても仲良くなってくれたYちゃん。
穏やかでとても優しい、そして芯がある娘の大事な友達です。
こうして出逢えたことが何よりも嬉しいです。

またいつか遊びに来てくださいね♪

■そんな本となった今回の「おべんとうの時間3」
発売後はAmazonでベストセラーになっていました!(グルメ部門)
母島での楽しいエッセイや
それ以外の魅力もたっぷりの内容です♪

我が家以外の島の登場人物もとても面白く、
その周りでも色んな人が写っていて楽しめます♡

シリーズで1,2も出ているのでそちらも素敵な内容になっています。

他人の日常が詰まったお弁当を拝見できて、
そのドラマも聞ける、
なんて愛のある内容なのだろうと思います。

個人的には小浜島のサトウキビ農家さんのお弁当の中に
僕も作っているローゼルや黒あずきが入っていて、とても嬉しい発見でした☆

当たり前の日常の中にある作物ってやっぱり嬉しいものです。

よかったら皆さんもご覧になってみて下さいね♪
どうもありがとうございました(*^。^*)


オガサワラカワラヒワ♂♀が畑にやってきた!

2015年04月24日 | 小笠原 野生動物

■先日は畑にオガサワラカワラヒワがオスとメスのペアで現れました。

スズメ大の小鳥で、小笠原諸島のみに分布する固有亜種です。

以前は小笠原諸島全域に生息していたようですが、

最近は母島列島と南硫黄島にわずかに生き残っているようです。

(時々父島列島でも目撃の情報があるようです)

色が鮮やかなこちらがオスです。

畑のバジルの種を食べに来ていました♪

口の周りにいっぱい食べかすが付いています(笑)。

 

少し地味な色がメスです。

写真では綺麗ですが、

メスも口の周りに食べかすがいっぱいでした(笑)。

まったく、ペアで仲良くお行儀が悪いんだから~(*^_^*)

 

今畑にある大根の種も食べます。

2年前に大根の種を全滅に近いほど食べられて大変だったことがあります。

しかし、現在は少し早目に種を採ることで対応で来ていて、

カワラヒワと仲が悪くならないように頑張っています♪

 

■このオガサワラカワラヒワ、近年の研究で内地のカワラヒワよりもグアムの方のカワラヒワの方が遺伝的に近いことが分かって来ているそうです。

そのうち亜種ではなく別種になるかもしれませんね♪

 

どちらにせよ、とても数が少なくて、

天然記念物のアカガシラカラスバトやオガサワラオオコウモリより個体数は少なくて、

絶滅がとても心配されています。

環境省のレッドリストにも記載されていて、

種の保存法に基づく国内希少野生動植物種にも指定されています。

現状としてはハトやコウモリに比べて保全の対応がされていないので、

これからの急務な課題と言えます。

動画も撮れました♪↓


 最初に写っている鮮やかなのがオスで、後から出てくる色が地味なのがメスです。

 

この小さな鳥が絶滅を免れて僅かに生き残っているのは奇跡といっても過言ではないと思います。

生き残っている巣があると思われる母島列島の属島や南硫黄島はクマネズミが侵入していません。(母島属島はドブネズミばかりと言われています)

木に登って卵やヒナを食べてしまう種類のネズミが侵入していないエリアが奇跡的に残り、

結果カワラヒワも生き残って来たのではないかと言われています。

 

いずれにせよ、人間という一番の外来種が侵入することで、

自然は大きく変わることは事実のようです。

それはいいか悪いかの問題ではなく、そういう側面が確実に存在はするので、

私たちは「自然に生かされている」という気持ちを忘れることなく、

いつも謙虚なな気持ちで暮らしていければと思います。 

 

このまま人類が大消費社会を続ければ、人間世界が滅亡するのは時間の問題だと思います。

この奇跡的にも生き残っている海洋島の小さな鳥から、

私たちは多くのメッセージを頂いている気がしてなりません。

 

■さて畑では新しい息吹が芽を出しています。

モロヘイヤです♪

暑い島の夏の我が家の貴重な葉物です☆

ここ5年くらいずっと自家採種で成功しています。

母島の気候にもよく合っているようで、有難い限りです。

 

こちらはふくゆたか大豆です。

ジャガイモの後作として植えてあります。

空気中の窒素を根に固定し、土壌を肥沃に変えてくれます。

最近は雨が全然降らないのでびっしり敷き草をしいています。

いつも我が家の味噌に大豆を!と思っているのですが、

枝豆が美味し過ぎてなかなか残ってくれないというのが悩みのひとつです(笑)。

 

こちらは食用ハイビスカスのローゼルです。

ゆっくり着実に大きくなっています。

10月の収穫に向けて今年も150本以上栽培しています。

自家採種もずっと続いていて、年々母島に合ってきていると感じています。

今年もお楽しみに♪